4世紀から7世紀の朝鮮半島は
高句麗(こうくり)・新羅(しらぎ)・百済(くだら)の
3王国が鼎立(ていりつ)し
三国時代と区分されます
ちょっと言葉の確認を
鼎立(ていりつ)とは
てい‐りつ【鼎立】
3者が、鼎(かなえ)の脚のように、互いに向かい合って立つこと。三つの勢力が互いに対立すること。(web広辞苑無料検索)
鼎(かなえ)とは
中国古代の銅器の一種。はじめは土器もあり、器形は両耳・3足を有する。食物を煮るのに用いたが、後には祭祀用。王室の宝器として王位・権威の象徴となる。 (web広辞苑無料検索)
Mountain, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Liu_Ding.jpg
5世紀終わり頃
See page for author, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Three_Kingdoms_of_Korea_Map_ja.png
インドで生まれた仏教が
中国の文化と融合し
やがて朝鮮半島へと伝わると
三国は王権国家成立の思想的基盤として
仏教を積極的に取り込みます
この時代
朝鮮半島古来よりの文化伝統である
黄金趣味も反映され
金銅仏(銅に金メッキをほどこしたもの)が多く制作されます
《延嘉7年銘 金銅如来立像》
H16.2㎝ 539年 高句麗 国立中央博物館
ddol-mang (a flickr user), CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons
制作年代がわかる最古の作例です
仏教が日本へ伝わるのは 538年
(一説では552年頃)
百済の聖明王から仏像と経論が贈られます
飛鳥時代の日本では
三国時代の朝鮮を範として仏教美術が発展
金銅仏の鋳造・鍍金の新しい技術も
渡来人によって日本へ伝えられました
また半跏思惟像(はんかしゆいぞう)も
三国時代の仏像の特徴です
膝を組んで
片手を頬にあてがう姿勢の像ですね
《金銅半跏思惟像》(国宝第83号)
7世紀初頭 国立中央博物館
《弥勒菩薩半跏像》
京都・広隆寺 像高123.3㎝ 赤松材の一木造
《菩薩半跏像(伝如意輪観音)》
中宮寺 132㎝ 木造
弥勒菩薩が如来になるため
思いをこらしている姿だといわれています
明日お休みします
週明け22日(月)に
出題:知る、わかる、みえる 美術検定2級問題[応用編 intermediate] 美術出版社 2021
参考図書
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018
芸術教養シリーズ4 朝鮮半島・西アジア・中央アジア・インド アジアの芸術史 造形篇II 金子典正編 幻冬舎 2013