2つ前の問題(Q.303)で
東西冷戦後 西洋圏以外の地域の
さまざまな文化を尊重する動き
「マルチカルチュラリズム(多文化主義)」
出てきましたね
これが社会の文化的な面にもおよびます
1990年代に入ると 大都市を舞台に
性や人種の問題に取り組む表現も生まれ
ジェンダーやホモセクシャル レズビアン エイズ
といった「マイノリティ(少数派)としての他者」
への視点が美術表現として採り上げられます
作家自身がその視点から
作品を制作することも増えていきました
ナン・ゴールディン(1953~)
Hazzzzzzi, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Nan_Goldin_Portrait.png
アメリカの写真家
ゲイやトランス・セクシャルの友人らとの交流を
赤裸々に撮影
一見 プライベートな写真のようですが
ニューヨークの深部に迫る
貴重なドキュメントでもあります
ピピロッティ・リスト(1962~)
Pere Pratdesaba, Fundació Joan Miró, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
スイスのビデオ・アーティスト
プロモーション・ビデオ的な手法で
身体や女性としてのアイデンティティを
テーマとした作品を手掛けています
女性が車の窓ガラスを割るスローモーション映像
Ever is Over All
ニューヨーク近代美術館・京都国立近代美術館収蔵
出題:知る、わかる、みえる 美術検定2級問題[応用編 intermediate] 美術出版社 2021
参考図書
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018
芸術教養シリーズ7 欧米のモダニズムとその後の運動 近現代の芸術史 造形篇I 林洋子編 幻冬舎 2013