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シンディ・シャーマン
《無題 #153》
クロモジェニック・カラー・プリント
166.4x120.7㎝ 1985年
写真や広告など
誰もが知っている既存のイメージを
大胆に流用した美術の動向です
1980年代後半に欧米でピークを迎えました
語源は「シミュレーション」
一般的には「シミュレーション」というと
(模擬)実験や訓練を意味しますが
ここではとくに
「擬態」という意味が含まれています
複製技術と情報化が進んだ1980年代の
高度消費社会の中
フランスの思想家・ボードリヤールが
著書『シミュラークルとシミュレーション』(1981)の中で
「オリジナルとコピーの境界線は
あいまいとなって コピーがオリジナルを凌駕する」 と唱えます
その強い理論的影響がありました
シンディ・シャーマン(1954~)は
アメリカの写真家・映画監督
New Zealand Government, Office of the Governor-General, CC BY 4.0 , via Wikimedia Commons
自らを被写体として
さまざまな人物に変身して撮影
セルフ・ポートレイトの代表的な作家です
その他の代表作家
ジェフ・クーンズ
リチャード・プリンス
バーバラ・クルーガー
他者や既存のイメージを流用する手法は
「アプロプリエーション」と呼ばれるため
アプロプリエーション・アートと称されることもあります
出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019
参考図書
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018
芸術教養シリーズ7 欧米のモダニズムとその後の運動 近現代の芸術史 造形篇I 林洋子編 幻冬舎 2013