昨日の続きです
フォンタネージ
昨日も出てきましたね
アントニオ・フォンタネージ(1818~82)は
1876(明治9)年に設立された
工部美術学校の教授として来日
バルビゾン派の影響を受けて
詩情性ある風景画を描いた
イタリアの画家です
浅井忠
浅井忠は(あさいちゅう/1856-1907)
このフォンタネージのもとで
本格的に西洋美術を学び出します
浅井忠 《春畝》 (しゅんぽ)
1888 重要文化財
問題に出てきた 浅井忠以外の
小山正太郎(こやましょうたろう/1875-1816)
山本芳翠(やまもとほうすい/1850-1906)
五姓田義松(ごせだよしまつ/1855-1915)
みなフォンタネージに学んでいます
工部美術学校は6年ほどで閉校…
その背景には 1878(明治11)年
東京大学で政治学を教えるために
こちらも政府から招聘された
フェノロサによる影響がありました
フェノロサ
アーネスト・フェノロサ(1853~1908)は
日本の伝統的な絵画や仏像のすばらしさと
その保護や再評価を唱え
教え子であり 文部省に入省した
岡倉天心と(おかくらてんしん)とともに
日本画の革新を推し進めます
岡倉天心
財政難もあり 政府の経済政策は
日本の伝統美術を保護する文化政策へと転換…
その流れがあり
西洋美術を学ぶ工部美術学校は閉校へ向かい
日本美術発展のため(西洋画科のない)
東京美術学校が開校されます
(西洋画科新設は7年後)
この流れ 何度も出てきましたね
1889(明治22)年 欧州帰りの画家や
浅井忠 小山正太郎らが
「明治美術会」を創立し 洋画の普及に努めました
洋画の発展は停滞したものの
日本文化の保護や発展は
フェノロサのおかげなんですね…
出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019
参考図書
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018
増補新装 カラー版日本美術史 辻惟雄監修 美術出版社 2020
芸術教養シリーズ2 飾りと遊びの豊かなかたち 日本の芸術史 造形篇II 栗本徳子編 幻冬舎 2013
六本木・21_21 DESIGN SIGHT
企画展「クリストとジャンヌ=クロード”包まれた凱旋門”」
クリストとジャンヌ=クロードは、日用品から建築、自然景観までも、梱包によって作品化させたアーティスト この美術検定の問題にも登場していますね
昨年9月 パリの凱旋門が布に包まれました 構想から60年に及ぶそのプロジェクトを紹介しています