昨日の続きです
尾形乾山 《白泥染付金彩芒文蓋物》
(はくでい そめつけ きんさい すすきもん ふたもの)
18世紀 サントリー美術館
尾形乾山(おがたけんざん/1663-1743)
尾形光琳の弟です
昨日の問題でみた有田では
江戸初期から磁器が生産されましたね
中国磁器の影響がつよいものでした
京都では
江戸中期までは陶器が焼かれ
磁器がつくられるのは江戸後期になってから
京都で生産された陶磁器は総称して
「京焼」といわれます
有田焼と違って和様で雅びなもの
こちらを大きく発展させたのが
色絵陶器を完成させた野々村仁清です(Q.232)
尾形乾山は
この野々村仁清から色絵技法を学び
絵画と書の世界を焼物に導入します
《銹絵十体和歌短冊皿》
(さびえ じってい わか たんざく ざら)
1743年 東京国立博物館
また古典的要素を生かしながら
自由な発想で
新しいデザインを生み出しました
Ogata Kenzan, CC0, via Wikimedia Commons
《色絵竜田川文透彫反鉢》
(いろえたつたがわもんすかしぼりそりばち)
岡田美術館(神奈川) 重要文化財
出典『西洋・日本美術史の基本』(美術出版社)P.163
楓の樹を大胆に意匠化したもので
鉢の内外に色づき始めた紅葉を
内側には川の流水も表現
一部 透彫も施され
使用者から見て
立体的なデザインとなるよう表現されています
京焼でも個性的な陶工たちが活躍し
茶道具だった陶器が
食器や美術陶器として発展していきました
出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019
参考図書
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018
増補新装 カラー版日本美術史 辻惟雄監修 美術出版社 2020
芸術教養シリーズ2 飾りと遊びの豊かなかたち 日本の芸術史 造形篇II 栗本徳子編 幻冬舎 2013