昨日の続きです音譜

 

【資料】
日本では18世紀頃から、煎茶をはじめとした中国趣味の流行を背景に、中国の文人画に倣った絵画が盛んになります。初期文人画を受けて、日本の文人画を完成させたのが京都出身の池大雅らでした。18世紀の京都画壇は、硬直化した狩野派や土佐派に反旗を翻し、新しい画風を生み出そうとする傾向が興ります。その1人、円山応挙は写実とやまと絵の華やかさを融合した、新たな写生画というジャンルを拓きました。

 

 

Q.243
18世紀半ばに来日した沈南蘋が伝えた画風は、日本のどの分野の絵画に影響を与えた?

①写生画

②肖像画

③浮世絵

④仏画

 

沈南蘋 雪梅群兎図

沈南蘋  《雪梅群兎図》  1716年


 

 

答え ① 写生画

 

江戸時代中期には

旧来の狩野派土佐派に加えて

さまざまな画派が現れるようになりますキラキラ

 

 

1731年

中国清時代の画家

沈南蘋(しん なんぴん/1682~?)が 

弟子を伴って長崎に来航キラキラ

2年ほど滞在します

 

画像の絵に見るとおり

沈南蘋緻密な筆づかいや

色づかいの花鳥画

 

当時の日本の絵画では見られない

立体感のある細かな描写目

 

その新しい写実的画風

画壇に衝撃を与えましたビックリマーク

 

 

長崎の画人や

長崎に到来した画人に

その画風は伝えられ

日本各地へと広まっていきました音譜

 

 

沈南蘋 丹鳳朝陽図

《丹鳳朝陽図》 1735年

 

 

沈南蘋 松、梅、鶴

《松、梅、鶴》  1759年

 

 

 

こちらは

沈南蘋(しんなんびん)に唯一 直接学んだ 

熊斐(ゆうひ/1712-72)キラキラ

熊斐 鸕鷀捉魚図

熊斐 《鸕鷀捉魚図》  

絹本着色  1755年 徳川美術館

 


 

江戸の宋紫石(そうしせき)は

長崎で学んで江戸に広めます音譜

 

 

 

長崎・聖福寺の画僧

海眼浄光(かいがんじょうこう)は

熊斐に学んで 鶴亭(かくてい)と号し

京都大阪へ広めます音譜

 

 

 

 

 

 

出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019

参考図書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術出版社 2019

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

西洋・日本美術史の年表―一目瞭然!美術の流れ 美術検定副読本 美術出版社 2009

増補新装 カラー版日本美術史 辻惟雄監修 美術出版社 2020

芸術教養シリーズ2 飾りと遊びの豊かなかたち 日本の芸術史 造形篇II 栗本徳子編  幻冬舎 2013

 

 

 

 

 

気になる展覧会情報ですニコニコ

 

ダイヤオレンジ墨田区・たばこと塩の博物館

「パッケージで時間旅行 記念・観光たばこの世界」

1915年から1993年まで販売されていた「記念タバコ」や「観光タバコ」! その特別なデザインパッケージが関連資料と一緒に展示されていますキラキラ

 

 

ダイヤオレンジそごう横浜店・そごう美術館

「空箱職人はるきる展 Miracle Package Art」

お菓子の箱やカップ麺のパッケージを ユニークな作品へと生まれ変わらせる 空箱職人はるきるの楽しい展覧会です音譜

 

 

ダイヤオレンジ宮崎県立美術館

「白髪一雄-行為にこそ総てをかけて-」

アクション・ペインティングの白髪一雄ですねビックリマーク床に広げたキャンパスの上で、天井から吊るしたロープにつかまって素足でダイナミック描いた作家ですキラキラ

初期の風景画から抽象へ そしてアクション・ペインティングへと変化していった作品を 画材や資料とともに紹介していますキラキラ