資料を読んで答えよニコニコ

 

【資料】
日本では18世紀頃から、煎茶をはじめとした中国趣味の流行を背景に、中国の文人画に倣った絵画が盛んになります。初期文人画を受けて、日本の文人画を完成させたのが京都出身の池大雅らでした。18世紀の京都画壇は、硬直化した狩野派や土佐派に反旗を翻し、新しい画風を生み出そうとする傾向が興ります。その1人、円山応挙は写実とやまと絵の華やかさを融合した、新たな写生画というジャンルを拓きました。

 

 

Q.241
南画(文人画)について述べた文として、ふさわしいものは?

①中国では、知識人階級の士大夫がたしなみとして描くアマチュア絵画だった

②中国南宋の画家たちが描いた絵画の総称として使われた言葉

③西洋の遠近法を用いた洋風画のこと

④江戸時代のやまと絵に対して使われた絵画のこと

 

 

 

答え ①
中国では、知識人階級の士大夫がたしなみとして描くアマチュア絵画だった

 

 

「文人画」

中国の官僚で

知識人や読書人階級である士大夫

自らの理想を描いたアマチュア絵画キラキラ

 

職業画家の描く絵画とは区別されていました

 

文人画のアマチュアらしい稚拙さが

むしろ喜ばれたものでもありました音譜

 

 

江戸時代中期になると

日本でも中国趣味の流行の中で

文人画が模倣されていくようになりますビックリマーク

 

日本では高い身分の者ばかりでなく

町人出身の職業画家たちによっても描かれ

独自に発展音譜

 

「南画」という新たなジャンルが誕生しましたキラキラ

 

 

 

 

 

Q.242
下図は池大雅がある画家と共作した画帖の一部です。共作した画家は?

①柳沢淇園

②円山応挙

③与謝蕪村

④浦上玉堂

 

 

池大雅 与謝蕪村 十便十宜図

十便十宜図 十便図・釣便》

1771年 紙本墨画淡彩 各17.7x17.7㎝
川端康成記念館(神奈川) 国宝

 

 

 

 

答え ③ 与謝蕪村(よさぶそん)

 

 

日本で盛んになった文人画

日本的な趣を持って発展させたのが

 

池大雅与謝蕪村です音譜

 

 

 

池大雅(いけのたいが/1726-76)キラキラ

池大雅

 

 

 

 

与謝蕪村(1716-84)キラキラ

与謝蕪村

 

 

 

《十便十宜図》(じゅうべんじゅうぎず)は

この2人が合作した画帖目

 

明末の文人・李漁(りぎょ)が

別荘伊園での快適な生活自然を歌った

『伊園十便十二宜詩』を主題に 

 

文人の理想絵画化したものですビックリマーク

 

 


生活を賛美した《十便図》を 池大雅が担当音譜

 

 耕便(こうべん) 田を耕す

 汲便(きゅうべん) 水をくむ 

 浣濯便(かんたくべん) 洗濯をする

 灌園便(かんえんべん) 畑に水をやる

 釣便(ちょうべん) 釣りをする

 吟便(ぎんべん) 詩を吟ずる

 課農便(かのうべん) 農を課する

 樵便(しょうべん) 樵をする

 防夜便(ぼうやべん) 夜のしたくをする

 眺便(ちょうべん) 眺める

 

(いくつか違う意味に見えてしまう…爆  笑あせる

 

 

こちらで《十便図》のすべてを確認できますキラキラ

 

 

 

 

自然を称えた《十宜図》与謝蕪村が担当音譜

 

 宜春(ぎしゅん)

 宜夏(ぎか)

 宜秋(ぎしゅう)

 宜冬(ぎとう)

 宜暁(ぎぎょう)

 宜晩(ぎばん)

 宜晴(ぎせい)

 宜風(ぎふう)

 宜陰(ぎいん)

 宜雨(ぎう)

 

《宜暁図》

 

 

 

 

他の《十宜図》はこちらでウインクキラキラ

 

 

 

 

 

 

出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019

参考図書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術出版社 2019

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

西洋・日本美術史の年表―一目瞭然!美術の流れ 美術検定副読本 美術出版社 2009

増補新装 カラー版日本美術史 辻惟雄監修 美術出版社 2020

芸術教養シリーズ2 飾りと遊びの豊かなかたち 日本の芸術史 造形篇II 栗本徳子編  幻冬舎 2013