昨日の続きです音譜

 

【資料】
桃山時代から江戸初期にかけては、天下人たちが新たな造形を生み出す一方で、都市風俗や庶民の風俗も盛んに描かれるようになりました。また南蛮貿易により伝来したキリスト教や西洋の影響が見られる美術も現れます。江戸時代初期の寛永年間になると、京都の後水尾天皇の周囲では、町衆も含んだ文化サークルが形成され、徳川家の芸術とは違う方向の美学が展開していきました

 

 

Q.235
京都の芸術プロデューサー的な存在だった本阿弥光悦が書を、俵屋宗達が下絵を描いて人気を博した巻物は?

① 《源氏物語澪標図》

② 《鶴図下絵和歌巻》

③ 《蓮池水禽図》

➃ 《西行法師行状絵詞》

 

 

本阿弥光悦 俵屋宗達 鶴図下絵和歌巻

(部分) 紙本金銀泥 34.1x1356㎝
京都国立博物館 重要文化財

 

 

 

答え ② 《鶴図下絵和歌巻》(つるずしたえわかかん)

 

 

砂浜に群れをなす鶴が海上を渡り 

到着した岸辺で羽を休めるまでの様子が

描かれていますキラキラ

 

 

描いたのは俵屋宗達(たわらやそうたつ/生没年不詳)

 

「俵屋」という絵屋を経営していた

町絵師だといわれています音譜

 

 

そして

宗達の絵に応じるように展開された「書」

本阿弥光悦(ほんあみこうえつ/1558-1637)キラキラ

 

本阿弥光悦

 

京都 本阿弥家

刀剣の鑑定・研磨を専門とする上層町衆キラキラ

 

光悦書・画・工芸全般に秀で

マルチに活躍しました音譜

 

 

とくに書」では

近衛信尹(このえのぶただ)と

松花堂昭乗(しょうかどうしょうじょう)とともに

 

「寛永の三筆」(かんえいのさんぴつ)と称されましたビックリマーク

 

 

全体の絵はこちらで確認をウインクキラキラ

 

 

 

2人の共同制作によって

多くの素晴らしい作品が生まれていますキラキラ

 

《蓮下絵和歌巻》(部分) 

蓮下絵和歌巻

本阿弥光悦書 俵屋宗達画

 

 

 

江戸時代初期

桃山時代の豪華さを残しながら

新しい時代への転換期で目

 

上層の町衆からも文化が生まれました音譜

 

 

 

琳派の始まりですね照れキラキラ

 

 

 

 

 

Q.236
下図《風俗図(彦根屏風)》にはあるテーマが隠されています。それはなに?

①近江八景

②雪月花

③源氏物語

④琴棋書画

 

 

琴棋書画

1624-44年 紙本金地着色 六曲一隻 

94×271㎝ 彦根城博物館(滋賀)国宝

 

 

 

答え ④ 琴棋書画(きんきしょが)とは

 

を弾いて 囲碁を打ち を書いて を描く

中国で四芸と呼ばれる

文人の嗜みです音譜

 

 

この作品の作者は不明ですが

17世紀前半の

遊郭の一情景を描いたもので目

 

座頭の弾く三味線が 「琴」

若衆と遊女が興じる双六が 「棋」

遊女がしたためる手紙が 「書」

背景の屏風絵 「絵」

 

「琴棋書画」 をあらわしています ビックリマーク

 

琴棋書画

 

 

このように

題材を古典文学故事にとりながら

 

時代や場所 人物の設定を

当世風に置き換えて表現する手法を

 

「見立て」と呼びますキラキラ

 

 

 

 

 

出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019

参考図書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

増補新装 カラー版日本美術史 辻惟雄監修 美術出版社 2020

芸術教養シリーズ2 飾りと遊びの豊かなかたち 日本の芸術史 造形篇II