昨日の続きです
(部分) 紙本金銀泥 34.1x1356㎝
京都国立博物館 重要文化財
砂浜に群れをなす鶴が海上を渡り
到着した岸辺で羽を休めるまでの様子が
描かれています
描いたのは俵屋宗達(たわらやそうたつ/生没年不詳)
「俵屋」という絵屋を経営していた
町絵師だといわれています
そして
宗達の絵に応じるように展開された「書」は
本阿弥光悦(ほんあみこうえつ/1558-1637)
京都 本阿弥家は
刀剣の鑑定・研磨を専門とする上層町衆
光悦は書・画・工芸全般に秀で
マルチに活躍しました
とくに「書」では
近衛信尹(このえのぶただ)と
松花堂昭乗(しょうかどうしょうじょう)とともに
「寛永の三筆」(かんえいのさんぴつ)と称されました
全体の絵はこちらで確認を
2人の共同制作によって
多くの素晴らしい作品が生まれています
《蓮下絵和歌巻》(部分)
本阿弥光悦書 俵屋宗達画
江戸時代初期は
桃山時代の豪華さを残しながら
新しい時代への転換期で
上層の町衆からも文化が生まれました
琳派の始まりですね
1624-44年 紙本金地着色 六曲一隻
94×271㎝ 彦根城博物館(滋賀)国宝
琴を弾いて 囲碁を打ち 書を書いて 絵を描く
中国で四芸と呼ばれる
文人の嗜みです
この作品の作者は不明ですが
17世紀前半の
遊郭の一情景を描いたもので
座頭の弾く三味線が 「琴」
若衆と遊女が興じる双六が 「棋」
遊女がしたためる手紙が 「書」
背景の屏風絵が 「絵」
「琴棋書画」 をあらわしています
このように
題材を古典文学や故事にとりながら
時代や場所 人物の設定を
当世風に置き換えて表現する手法を
「見立て」と呼びます
出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019
参考図書
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018
増補新装 カラー版日本美術史 辻惟雄監修 美術出版社 2020
芸術教養シリーズ2 飾りと遊びの豊かなかたち 日本の芸術史 造形篇II