資料を読んで答えよ
両界曼荼羅(高雄曼荼羅)
829~833年頃 神護寺(京都)
よく見えませんが
現存最古の両界曼荼羅です
「マンダラ」は
サンスクリット語で円板・円輪の意味
インド仏教の多様な思想を統合した
神秘的な教えである密教は
唐時代の中国で隆盛を極めました
その密教が唱える
仏の悟りの境地である
宇宙の真理を表しているのが「曼荼羅」です
平安時代となった804年
(794年桓武天皇が都を平安京へ移してから
鎌倉幕府成立までが平安時代ですね)
空海は遣唐使船で唐へ渡ります
空海
長安で
当時の高僧 恵果(えか・けいか)に学び
恵果
奈良国立博物館蔵
伝法灌頂(でんぽうがんじょう)を受けて
密教の正当な継承者となります
伝法灌頂とは
高僧である阿闍梨(あじゃり)の位を授ける儀式
これを受けて初めて
正式な僧侶と認められます
806年の帰国の際に
両界曼荼羅や真言五祖像を授けられて
日本での布教を許されました
空海は嵯峨天皇の帰依をうけて
高野山に金剛峯寺(こんごうぶじ)を創建
都には東寺(とうじ)を賜り
立体曼荼羅を表した講堂を造営
密教は天皇や貴族の支持を得て
仏教美術の主流となりました
本尊を中心として 諸尊の集まりを
円形の区画の中に
体系的に配列して描かれています
悟りの世界を表した
「胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)」と
智慧の世界を表した
「金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)」が知られます
《両界曼荼羅図》 のうち 「胎蔵界」
9世紀後半 東寺(京都) 国宝
《両界曼荼羅図》 のうち「金剛界」
9世紀後半 東寺(京都) 国宝
出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019
参考図書
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018
増補新装 カラー版 西洋美術史 美術出版社 2021
増補新装 カラー版日本美術史 辻惟雄監修 美術出版社 2020
福島・諸橋近代美術館 4/27~7/3
「ヒストリア~神話と物語の世界~」
サルバドール・ダリを中心に 神話や物語を原典に描かれた作品を公開
その物語の本来の意味を添えて 新たな視点で作品を紹介しています