昨日の続きです
カレル・アペル《荒れ模様の風景》
1967年 油彩・キャンヴァス
130x195㎝ マーサ・ジャクソン・ギャラリー(NY)
「コブラ(CoBrA)」は
オランダやベルギーなど
北欧で起きた芸術運動
アンフォルメルとほぼ同時期です
コブラ近代美術館
民族芸術や
児童画からのインスピレーションで
強い色彩と
自由奔放な原始的造形
抽象と具象の交錯
エネルギーに満ちた激しい表現 が特徴です
メンバー本拠地である
コペンハーゲン Copenhagen
ブリュッセル Brussels
アムステルダム Amsterdam
それぞれの頭文字をとってCoBrA です
1948年に結成
1951年までの短い期間ですが
強烈なインパクトを残しています
パリやニューヨークからは
離れたところで展開した動きです
代表する作家の
カレル・アペル(1921-2006)
Marcel Antonisse / Anefo, CC BY-SA 3.0 NL, via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/e7/Karel_Appel_%281982%29.jpg
オランダの画家
無意識的な世界の表現を追求して
鮮烈な色彩と変形させた表現を展開
パリでミシェル・タピエ(アンフォルメルの名づけ親でしたね)と出会って
アンフォルメルに参加しています
野外彫刻
その他アベルの作品はこちらを
画像はこちらで確認を
《アルファPi》
1960年 油彩・カンヴァス
200.4×449.6㎝
メトロポリタン美術館(NY)
アメリカの画家
「ヴェール」絵画とは
色彩の幕(ヴェール)が下りているように見える絵画のこと
薄く溶いた絵具を
下地の施されていないキャンヴァスに
たっぷり流して色を染み込ませていく
「ステイニング」という技法を使った絵画です
カンヴァスの向きを変えながら広げてゆく
独特の手法です
この手法を探求したのが
モーリス・ルイス(1912-62)
その他ルイスのヴェールシリーズ
https://www.wikiart.org/en/morris-louis/all-works#!#filterName:Series_veil,resultType:masonry
ルイスは
染みの形や色彩の配置を変えつつ
この方法を探求し続けます
やがて色彩の重なりをやめて
色の帯を斜めに垂れ流す手法に至り
設問の作品
《アルファPi》のような作品を展開
さらにはストライプシリーズへと向かっています
出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019
参考図書
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018
増補新装 カラー版 西洋美術史 美術出版社 2021
芸術教養シリーズ7 欧米のモダニズムとその後の運動 近現代の芸術史 造形篇I 林洋子編 幻冬舎 2013