資料を読んで答えよ
(メルクマールとは目印や指標のこと)
コンスタンティン・ブランクーシ(1879-1957)
1922年
ルーマニア出身の彫刻家
抽象彫刻の出発点となる作家です
20世紀の新しい彫刻は
ロダンを超えようとするところから始まります
それまでの彫刻は
記念碑的なモニュメントだったり
台座にのった人物像だったり
発注者の希望に添って制作するものでした
それが自らの表現を追求するものへと変化していきます
1904年パリに出たブランクーシも
ロダンに感銘し
ロダンのアトリエで修業した一人です
しかしブランクーシは
木や石を素材に単純化された造形に進みます
1908年にはプリミティブな形態の
「接吻」シリーズを制作
プリミティブな要素に
関心を寄せたのは当時の
フランスの画家たちの影響によるもの
さらに表現主義やキュビスム
未来派 ダダ シュルレアリスムといった
絵画の動向に大きな影響をうけています
1913年のアーモリーショーに出品
左手前にブランクーシの作品が
《ポガニー嬢Ⅱ》
ブロンズ 1925年 アーティゾン美術館
さらに形態の単純化を重ねて
設問の《空間の鳥》は
素材感を消すほどの抽象化された形態
(この作品は大理石で7点
ブロンズで9点制作されています)
1926年
この作品がアメリカに輸入された時
美術品ではなく
工業製品として税関で課税されています
《無限柱》 1937年
限りなく空へ伸びていくイメージ
《アブサントのグラス》 1914
ニューヨーク近代美術館
ピカソの彫刻いろいろ
https://www.wikiart.org/en/pablo-picasso/all-works#!#filterName:Genre_sculpture,resultType:masonry
絵画で次々とスタイルを変えたピカソ
彫刻や立体作品でも
キュビスム的なものから
構成的 具象的なものなどへ
スタイルを変え
使う素材も
木彫や石膏 鉄線など様々でした
他 活躍した彫刻家は
ジュリオ・ゴンザレス(1876-1942)
ピカソの友人で
初めて鉄を使って
人間の形を抽象化した作品を制作しています
1937年
La_petite_faucille,_Julio_González.jpg: Edescasderivative work: Escarlati, CC BY-SA 2.5 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/62/La_petite_faucille%2C_Julio_Gonz%C3%A1lez-2.jpg
マティス や ドガ なども制作
彫刻の歴史にとらわれない
画家たちによる彫刻が
新しい表現の幅を広げていきました
マティスの彫刻
https://www.wikiart.org/en/henri-matisse/all-works#!#filterName:Genre_sculpture,resultType:masonry
ドガの彫刻
https://www.wikiart.org/en/edgar-degas/all-works#!#filterName:Genre_sculpture,resultType:masonry
出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019
参考図書
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018
増補新装 カラー版 西洋美術史 美術出版社 2021
芸術教養シリーズ7 欧米のモダニズムとその後の運動 近現代の芸術史 造形篇I 林洋子編 幻冬舎 2013