昨日の続きですニコニコ

 

【資料】

欧米では、19世紀後半から多様な表現が同時多発的にあらわれていました。20世紀初頭から評価され始めた、フランスのアンリ・ルソーやアメリカのグランマ・モーゼスに代表されるナイーヴ・アートもその1つです。また、彫刻ではロダンのような個人的な内面を表出させる人間的な彫刻が注目されます。その一方で、帝国主義が拡大し国威発揚を目的としたモニュメントとしての彫刻が各地で制作されました。

 

 

Q.110

ロダンの《地獄の門》は、本来はどの美術館のために制作された?

①ルーブル美術館

②プティ・パレ美術館

③グラン・パレ美術館

④パリ装飾美術館

 

ロダン 地獄の門

ロダン 《地獄の門》 
国立西洋美術館

 

 

 

 

答え ④ パリ装飾美術館

 

オーギュスト・ロダン(1840-1917)キラキラ

オーギュスト・ロダン

1891年(51歳) 撮影ナダール

 

19世紀後半を代表するフランスの彫刻家

 「近代彫刻の父」キラキラ

 

ロダン以前の彫刻は

絵画ほどの時代の変化はなく

伝統に学んで

神々や神話などをテーマとしたものでした

 

そこに革新をもたらしたのがロダンですビックリマーク

 

 

徹底して写実的に彫り出して

情念苦悩など

 

人間の豊かな感情

自由にリアルに表現しました音譜

 

 

初期の頃は

リアルすぎて人間から直接型を取ったと

非難されていますびっくり

 

 

 

《地獄の門》

パリ装飾美術館のために構想されたものキラキラ

 

ダンテ『神曲』にインスピレーションを

得たものでしたが

 

建設計画が白紙となり

制作中止の命令が…汗

 

しかりロダンは自らお金を払って

制作を続けましたびっくり

 

 

ここから別の名作が生まれていますビックリマーク

《考える人》ですねキラキラ

 

《地獄の門》の上部…目

ロダン 地獄の門 アップ 考える人

Jean-Pierre Dalbéra from Paris, France, CC BY 2.0 , via Wikimedia Commons

 

 

 

ロダン 考える人

1881-82

 

 

 

 

 

 

 

Q.111

下図の作品を制作したのは?

①メダルド・ロッソ

②オーギュスト・ロダン

③アリスティッド・マイヨール

④エミール・アントワーヌ・ブールデル

 

弓を引くヘラクレス ブールデル

《弓を引くヘラクレス》

1909年 アングル美術館(フランス)

 

 

 

 

答え ④

エミール・アントワーヌ・ブールデル

(1861-1929)

エミール・アントワーヌ・ブールデル

1925年(64歳の頃)
 

 

ブールデル

近代ヨーロッパの代表的彫刻家キラキラ

 

ギリシアのアルカイック彫刻

盛期ゴシックの彫刻を研究して

 

そこから独自の作風を

確立した作家です音譜

 

 

1893年(32歳)から15年間

ロダンの助手を務めていますビックリマーク

 

 

 

ブールデル クレオパトラ

《クレオパトラ》

 

 

たくましい表現力と

モニュメンタルな構想力を受け継いでいますキラキラ

 

 

 

 

 

Q.112

19世紀後半の「モニュメントの時代」を代表する彫刻家と作品の組み合わせのうち、正しいものは?

①ダル― 《カレーの市民》

②バルトルディ 《自由の女神》

③カルポー 《共和国の勝利》

④クリンガー 《ラ・マルセイエーズ》

 

 

 

答え ② バルトルディ  《自由の女神》

 

フレデリク・バルトルディ(1834-1904)

バルトルディ

 

こちらもフランスの彫刻家キラキラ

 

 

バルトルディ 自由の女神

《自由の女神》 1886年 NY

 

 

バルトルディ

この《自由の女神》の制作者音譜

 

(設計にはエッフェル塔で知られる

ビュスターヴ・エッフェルも関わっています)

 

 

像のデザインはドラクロワ

《民衆を導く自由の女神》

 

ドラクロワ 民衆を導く自由の女神

 

バルトルディの母親をモデルにしたそう 目

 

 

 

寄付金を集めるために

1878年のパリ万博

完成した頭部のみを展示びっくり

 

バルトルディ 自由の女神 頭部 パリ万博

 

パリでの仮組み後

分解してアメリカへ運ばれていますキラキラ

 

 

 

 

19世紀の後半は ヨーロッパ各国で

大衆にナショナリズムを吹き込む手段として

モニュメント(記念碑)が多く制作されていますビックリマーク

 

しかし やがて

個人の表現を追求していく流れの中で

モニュメントは下火になっていきました…キラキラ

 


バルトルディ 噴水

バルトルディ

ワシントンDCのバルトルディの噴水

 

 

 

 

 

 

出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019

参考図書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

増補新装 カラー版 西洋美術史 美術出版社 2021

芸術教養シリーズ7 欧米のモダニズムとその後の運動 近現代の芸術史 造形篇I 林洋子編 幻冬舎 2013