資料を読んで答えよニコニコ

 

【資料】

19世紀フランス美術の写実主義を代表する画家クールベ(a)は、美術史上、初めての個展を開きました。クールベの精神はマネや印象主義の画家たちにも引き継がれます。同じく写実主義の画家(A)は、都市の労働階級の人々の暮らしを描写しました。一方、バルビゾン派の1人として知られるミレーも、写実主義の画家として挙げられます。(b)

 

Q.85

下線部(a)について、クールベが代表的な画家とみられる根拠は?

①美術会で初の個展を開催したため

②生涯、社会批判的な主題を描いたため

③「レアリスム宣言」を行ったため

④農民画を得意としていたため

 

《オルナンの埋葬》

315x668㎝ 1849-50年 

オルセー美術館 PD

 

 

 

答え ③

「レアリスム宣言」を行ったため

 

ギュスターブ・クールベ(1819-1877)キラキラ

クールベ

撮影 ナダール PD

 

 

フランス写実主義を代表する画家ビックリマーク

 

身近な現実をありのままに描きましたキラキラ

 

見過ごされる現実をテーマにすることで

社会的抗議の意図も込めています

 

 

この《オルナンの埋葬》

1850年のサロンに出品したもの

 

名もなき農民の埋葬

幅6m以上の大作に仕上げていますびっくり

 

参列しているのは50人ものオルナンの村人キラキラ

リアルな等身大の人々です

 

 

何度も繰り返していますが

歴史画を頂点に位置づけていたサロンです

 

当然ながら画壇への挑発と受け取られ

クールベは批判の的となりますあせる

 

 

 

こちらは 《画家のアトリエ》キラキラ

クールベ 画家のアトリエ

1854-55年 361x598㎝ オルセー美術館 PD

 

 

パリ万博博覧会への出品作品として

《オルナンの埋葬》《画家のアトリエ》

拒否されてしまい…

 

怒ったクールベ

その審査に対する抗議として

博覧会会場のすぐ向いにパビリオンを作りますびっくり

 

作品を公開してレアリスムを宣言ビックリマーク

自らの芸術を世に問いましたキラキラ

 

 

クールベ カタログ

1855年 展示したカタログの表紙 PD

 

 

 

 

 

 

 

Q.86

クールベが個展を開くきっかけとなったのはどの展覧会?

①1850~51年のサロン

②1855年のパリの万国博覧会美術展

③1865年のサロン

④1867年のパリ万博博覧会美術展

 

パリ万博 1855年

 

 

 

答え ②

1855年のパリの万国博覧会美術展ですねビックリマーク

 

この博覧会では「美術宮」が建てられキラキラ

 

当時の画壇の巨匠アングルドラクロワを中心に

2000点もの作品が展示されました音譜

 

他国からの参加作品を加えると

絵画は総数5000点にも及んだようですびっくり

 

 

パリ万博

1855年のパリの万国博覧会の様子 PD

 

 

クールベは 11点の出品

 

先ほどの問いのとおり

《オルナンの埋葬》 《画家のアトリエ》 

が拒否され個展を開催キラキラ

 

入場料(1フラン)も設定しての開催です音譜

 

当時 画家が自分の作品だけを

並べて見せる習慣はなかったので

これが世界初の「個展」といわれていますキラキラ

 

 

巨大な権力に対抗しての個展開催…

実際は大きな反響はなかったようですが

 

クールベの意志と行動力

すごいですね照れ

 

 

 

 

 

 

出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019

参考図書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

増補新装 カラー版 西洋美術史 美術出版社 2021

芸術教養シリーズ6 盛期ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II 水野千依編 幻冬舎 2013