昨日の続きですニコニコ

 

【資料】

19世紀のフランスは産業革命やフランス革命を経験し、市民社会の成立や民族意識の高揚、急速な工業化、近代都市の誕生と、社会システムの大変革がもたらされました。その中で芸術家たちの主要な舞台であるサロンは、伝統的な規範を維持していました。しかし、芸術家たちの中には社会変化を反映した視座から、写実主義や印象主義など、新しい表現に挑戦する層も現れました。

 

 

Q.83

バティニョール街のアトリエにのちの印象派の画家たちが集まったのは、誰のアトリエがあったから?

①ラファエル・コラン

②エドゥアール・マネ

③ギュスターヴ・モロー

④シャルル・グレール

 

マネ

アンリ・ファンタン=ラトゥール

《バティニョールのアトリエ》 1870年 PD

 

 

 

答え ②

エドゥアール・マネ(1832-1883)

 

マネ

撮影 ナダール PD

 

 

「近代絵画の父」キラキラ

 

 

描くマネを囲んでいるのは

ルノワール バジール ゾラ モネびっくりビックリマーク

 

 

19世紀のフランス美術は

サロンのヒエラルキー(序列)や

古典的な技法に陰りがみえつつも

まだその規範は保たれていましたキラキラ

 

 

そんな中マネ

現代生活を題材とした作品を

サロンで発表します音譜

 

 

下の2点は1861年

サロン初入選の作品ですキラキラ

 

真似 スペインの歌手

《スペインの歌手》

1860年 メトロポリタン美術館 PD

フランス・ハルスを思い浮かべながら描いたそう照れ

 

 

マネ オーギュスト・マネ夫妻の肖像

《オーギュスト・マネ夫妻の肖像》

1860年 オルセー美術館 PD

 

 

 

しかし2年後の

1863年に出品したこの作品は落選汗

マネ 草上の昼食

《草上の昼食》 

1863年 オルセー美術館 PD

 

 

その後「落選展」に出品して

物議を醸した作品ですビックリマーク

 

 

斬新な主題

粗い筆致色彩の対比など目

 

従来のアカデミズムの常識からかけ離れて

サロンへ挑戦し続けます

 

その姿勢は

若い作家たちへ強い影響を与えましたキラキラ

 

 

 

マネはパリの北西部バティニョール

アトリエと住居を構えます音譜

 

そこへマネに影響をうけた若い作家たち

集うようになりますキラキラ

モネ  ドガ  ルノワール  シスレー  ゾラなどびっくり

 

彼らがやがて

サロンから独立したグループ展を立ち上げ

「印象派」と呼ばれれるようになった作家たちですキラキラキラキラ

 

よってマネ「印象派の父」とも呼ばれます音譜

 

 

ちなみにマネ

印象派の展覧会には一度も出品せず

 

サロン出品にこだわりましたビックリマーク

 

 

 

《草上の昼食》についてはこちらをウインクキラキラ

 

 

 

 

 

 

 

 

Q.84

下図は当時の現代性を象徴する作品ですが、ルネサンス以来の古典的な伝統と近代絵画をつなぐ1枚でもあります。同作にみる古典的な伝統としてふさわしいものは?

①平面的な構図と描写

②オリエンタルな調度の描写

③鑑賞者を見る女性の視線

④横たわるヴィーナス像の形式

 

マネ オランピア

エドゥアール・マネ 《オランピア》

1863年 207x265㎝ 

オルセー美術館 PD

 

 

 

答え ④ 横たわるヴィーナス像の形式

 

1865年のサロンに出品キラキラ

こちらも議論を巻き起こしますあせる

 

 

マネ《オリンピア》

 

ジョルジョーネ

《眠れるヴィーナス》

1510年


ティッツァーノが描いた

《ウルビーノのヴィーナス》などの

1538年

 

古典的な

横たわるヴィーナス像の形式をふまえて

 

まったく新しい視点で目

現実の女性の裸婦像を描写したものでしたビックリマーク

 

 

 

こちらが

《草上の昼食》《オランピア》

モデルとなった女性キラキラ

ヴィクトリーヌ・ムーラン

ヴィクトリーヌ・ムーラン

美しい~照れキラキラ

 

 

 

サロン

1880年 サロンの様子 PD

 

こんな感じだったんですねー目音譜

 

 

 

 

 

 

 

出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019

参考図書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

増補新装 カラー版 西洋美術史 美術出版社 2021

芸術教養シリーズ6 盛期ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II 水野千依編 幻冬舎 2013