資料を読んで答えよ
1452年 アントワープ王立美術館 PD
ジャン・フーケ(1420-1481)
自画像 1450年 ルーブル美術館 PD
15世紀
フランスでは百年戦争(1337-1453)の影響で
政治不安が続いていましたが
プロヴァンス地方や
ロアール渓谷などの宮廷では
優れた画家たちが活躍しました
ジャン・フーケもその一人
イタリアに旅して
その初期ルネサンスを
フランスに持ち込み
調和と均整のとれた理想的な絵を描きました
宮廷人や国王を描いた肖像画も
多く残しています
アルプス以北が「北方」でしたが
ネーデルラントの他に
フランス・ ドイツ も含まれます
この地域では
イタリア・ルネサンスのような
統一された思想背景はないものの
多くの芸術家たちが
各地の宮廷や教会に庇護されて活躍しました
他、フランスで活躍した画家
アンゲラン・カルトン(1410-1466)
《アヴィニョンのピエタ》 1455年
油彩・板 163x219㎝ ルーブル美術館
Enguerrand Quarton, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons
ジャン・エイ(ムーランの画家)
《聖母戴冠》 1500年頃 PD
これはムーラン大聖堂の祭壇画
作者が不明のままで
「ムーランの画家」と呼ばれていましたが
後に宮廷画家のジェン・エイと確認されています
《騎士と死と悪魔》 アルプレヒト・デューラー
1513年 銅版画 24.6x19㎝ 国立西洋美術館 PD
砂時計は死神をあらわすアイテム
作者は
アルブレヒト・デューラー(1471-1528)
自画像 PD
16世紀のドイツに登場したデューラーは
「版画」というものを
芸術の1ジャンルに押し上げた作家です
印刷技術の発展で
大量の複製が可能なった当時
ヨハネの『黙示禄』の出版で
デューラーの名前がヨーロッパ中に広まります
そこに掲載されたのが上の版画
《騎士と死と悪魔》
「アトリビュート」とは
西洋美術でその持ち主を特定したり
ある概念や教訓を暗示するアイテムのこと
たとえば
リンゴ → アダムとイブ
カーネーション → 婚約
天秤 → 正義
一角獣 → 純潔 など
人物では
赤いバラや仔羊 → キリスト
(聖人後は 茨の冠や十字架や赤い衣)
青いマントや百合 → 聖母マリア
銀貨の入った袋 → ユダ とか
たーくさんあります
こちら
アトリビュートとは関係ないですが
デューラーのサインっ
どれもオシャレなんですよね~
(これは横に頭蓋骨ですが…)
《メランコリアⅠ》
1514年 PD
《書斎の聖ヒエロニムス》
1514年 PD
これら
デューラーの3大銅版画です
出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019
参考図書
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018
増補新装 カラー版 西洋美術史 美術出版社 2021
芸術教養シリーズ6 盛期ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II 水野千依編 幻冬舎 2013