資料を読んで答えよニコニコ

 

【資料】

16世紀になるとルネサンス美術の中心はフィレンツェからヴェネツィアに移っていく。当時のヴェネツィアは、激化するトルコとの対立や新航路の開拓による東方貿易の衰退から経済的には下降に向かった。しかし、出版業者の集中などによる知的サークルが形成され新しい人文主義が栄え文化的には黄金期を築く。

 

Q.25

以下のうち、ヴェネツィア派の絵画の特徴を説明したものは?

①自然と古代美術を手本とした、均整化・理想化を加えた描写

②人体の比率をデフォルメした誇張表現や、冷たく鮮やかな色調による描写

③中世ゴシック美術の伝統に従いながらも、人間的で現実的な物語描写

④描画の自由度が高い画材による、色彩と筆触を重視した詩情豊かな描写

 

『聖愛と俗愛』 ティツィアーノ 

油彩・カンヴァス 1515年 ボルゲーゼ美術館 PD

 

 

 

答え ④ 

描画の自由度が高い画材による、色彩と筆触を重視した詩情豊かな描写

 

16世紀に入ると 絵画の中心

フィレンツェからヴェネツィアへ移りますビックリマーク

 

水の都ヴェネツィア

海洋国家として発展キラキラ

地中海貿易で莫大な富を蓄えましたお金

 

早くからフランドルより

油彩技法がもたらされ音譜

 

多湿の気候にも合って

油彩画が発展しますキラキラ

 

港町で

帆布が簡単に手に入ったということもあり

板ではなくキャンヴァスが普及しましたビックリマーク

 

 

15世紀の「フィレンツェ派」

構図やデッサンを仕上げた上で

着色に入りました目

 

フレスコテンペラ画が主流で

下描きをベースに

計画的に描く必要があったので

バランスよい構成のため素描が重視されましたビックリマーク

 

 

一方「ヴェネツィア派」

構成よりも

感覚的魅力の追求を優先しました音譜

 

直接絵具で描き始め

途中で自由に変更しながら完成させていますカラーパレット

 

個人の依頼による

作品制作が多かったこともあり

 

より自然に近い情景

豊かな色彩うっとりとした描き方

描いています照れキラキラ

 

 

 

 

 

Q.26

ジョルジョーネとティツィアーノは同じ工房出身ですが、彼らの師は?

①ジョヴァンニ・ベッリーニ

②アンドレア・マンテーニャ

③ポラウォーロ兄弟

④アントネッロ・ダ・メッシーナ

 

『ヴェネツィア総督ロレダーノ》

1501年頃 油彩・板 

ナショナル・ギャラリー(ロンドン) PD

 

 

 

 

答え ① ジョヴァンニ・ベッリーニ

 

 PD

自画像

 

 

ヴェネツィア派の基礎を築いた画家ビックリマーク

 

上の作品はベッリーニの代表作

『レオナルド・ロレダン』ですが

 

金粉を使わず

綿糸の1本1本を描いていますびっくり

 

 

 

 

ジョヴァンニ

一族で大きな工房を営んでおり

油彩画をいち早く導入ビックリマーク

 

精緻な質感を表現しました目

 

 

工房からはヴェネツィア派の代表画家

ジョルジョーネティツィアーノを輩出しています音譜

 

 

 

ジョルジョーネ

(1477/1478頃-1510)

自画像 1510年 油彩 

 

詩的で豊かな自然を描いていますキラキラ


 

《嵐》 油彩 1505-07頃 アカデミア美術館(ヴェネツィア) PD

 

しかし代表作であるこの作品は

テーマが解読されないままの謎の絵目

 

はっきりとした主題を持たない絵を描いた

最初の画家と言われています目ビックリマーク

 

 

 

《眠れるヴィーナス(ドレスデンのヴィーナス)》

1510年 油彩 国立絵画館(ドレスデン/ドイツ) PD

 

 

 

 

 

ティツィアーノ(1488/1490頃-1576)

 

自画像 1562年頃 油彩

 

 

鮮やかな色遣い

自由な空間構図

官能的な女性描写

国際的な名声を得ていますキラキラ

 

 

《田園の奏楽(詩的な世界)》 1509年頃 ルーブル美術館 PD

 

 

 

《ウルビーノのヴィーナス》 1538年頃 ウフィツィ美術館(フィレンツェ) PD

 

ジョルジョーネ《眠れるヴィーナス》

影響を受けて描かれたヴィーナスキラキラ

 

 

 

 

出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019

参考図書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

増補新装 カラー版 西洋美術史 美術出版社 2021

芸術教養シリーズ6 盛期ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II 水野千依編 幻冬舎 2013

 

 

 

 

コロナの心配があり

お気軽に!とはいえませんが

気になる展覧会情報ですニコニコ

 

ダイヤオレンジ東京国立博物館  1/14~4/3

特別展「ポンペイ」が始まっていますキラキラ

紀元後79年にナポリのヴェスヴィオ山噴火によって埋もれたポンペイの都市。

発掘された壁画や彫像 工芸品の傑作や 様々な日用品が紹介されており 2000年前の都市にタイムスリップできるようですよ音譜

4/21~7/3 京セラ美術館

10/12~12/4 九州国立博物館

 

 

ダイヤオレンジ東京ミッドタウン・ガーデンの21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3にて

「メンズ リング イヴ・ガストゥ コレクション」

男性用のリングに特化した展覧会です指輪キラキラ

古代エジプトのリングから、現代アーティストが手がけたものまで、象徴的な400点ものリングが一堂に会しています音譜

3/13まで