中世美術の続きです
『ご訪問』 西正面中央扉口右側壁 1230/1245-55年頃
DIMSFIKAS at Greek Wikipedia, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/1f/Reims_Cathedral_-_Central_doorway.JPG
ランスのノートル=ダム大聖堂
bodoklecksel, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/e1/Reims_Kathedrale.jpg
黄色い〇のところ
Leon petrosyan, CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c0/Reims_Cathedral-1.jpg
この人像柱の彫刻は
盛期ゴシックの代表的な造形です
古代末期から途絶えていた
丸彫り彫刻が蘇ります
12世紀の半ばになると
経済的に繁栄してきたフランスの都市で
大聖堂がたくさん建てられるようになります
ロマネスク時代は
文化の担い手が修道士や聖職者で
修道院も田舎の方にありました
ゴシックの時代になると
都市に住む裕福な町人や知識人
普通の信徒などが加わり
聖堂も都市の中心部に建てられました
建築技術の向上で
厚みという制限がなくなった壁は
開口部や窓が大きくなり
ステンドグラスが多用されます
ランスのノートル=ダム大聖堂の内部
Mbzt, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c9/F3407_Reims_cathedrale_nef_centrale_rwk.jpg
戸外の光を採り入れて
聖堂内をできるだけ明るく豪華にし
神の栄光を称えようとします
高さもより高く
先の尖った尖塔アーチで
天上のイメージを生み出しています
他の答えの大聖堂もチェックすると
初期ゴシック
サン=ドニ大聖堂 1144年
この大聖堂がゴシック大聖堂の始まりといわれています
Thomas Clouet, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/48/Saint-Denis_-_Fa%C3%A7ade.jpg
盛期ゴシック
シャルトル大聖堂(フランス)
1194-1260年頃
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Chartres_1.jpg
Photo:Nina Aldin Thune User:Nina-no, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/bb/Chartres.jpg
バラ窓 12世紀
Harmonia Amanda, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/74/Cathedrale_nd_chartres_vitraux015.jpg
晩期ゴシック
グロスター大聖堂(イギリス)
Geni, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/26/Gloucester_Cathedral_exterior_2019.JPG
Diliff, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
Diliff, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
映画『ハリー・ポッター』の
ロケに使用された大聖堂です
尖塔アーチ
高い天井
大型窓のステンドグラス
人像円柱 自立した彫刻
自然で人間的な表現
というのがゴシック様式の特徴です
さまざまな建築装飾は
字の読めない人も多かった時代に
目で読む聖書として
大きな役割をもっていました
ランブール兄弟
『ペリー公のいとも豪華なる時祷書』 4月 1413-16年 PD
14世紀には
百年戦争に続き
黒死病の蔓延で
西ヨーロッパは混乱期となります
大聖堂の建築は減り
ゴシック様式は
宮殿や邸宅などに引き継がれていきます
美術家たちの交流は各国で盛んとなり
イタリアやフランスの都市では
国際ゴシック様式とよばれる絵画や彫刻が現れます
その特徴は
写実的な細密描写
宮廷風の優雅で装飾的な表現
複数の地域で共通して現れた様式です
他 国際ゴシックを代表する芸術家
シモーネ・マルティーニ(イタリア)
『受胎告知』 1333年 ウフィツィ美術館(フィレンツェ) PD
ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ(イタリア)
『東方三博士の礼拝(マギの礼拝)』 1423年 PD
ピサネッロ(イタリア)
『エステ家の姫君の肖像』 1435-40年頃 PD
出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019
参考図書
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018
増補新装 カラー版 西洋美術史 美術出版社 2021
芸術教養シリーズ5 古代から初期ルネサンスまで 西洋の芸術史 造形篇I 水野千依編 幻冬舎 2013