Q.294
日本画は、紙の他にどのような素材に描かれることが多い?
① 絹
② 綿
③ テトロン
④ 木材
両界曼荼羅図のうち「胎蔵界」
絹本着色 平安時代 9世紀後半
答え ①
絹ですね
日本画に使われる最も一般的な支持体は
紙で「紙本」(しほん)とよばれます
伴大納言絵巻(ばんだいなごんえまき) 応天門炎上(部分)
紙本着色 平安時代
絹が紙と並んで
絵を描く材料の主流となったのは
平安時代から
絵画制作に使われる平織りの絹布を
絵絹(えぎぬ)または絹本(けんぽん)といいます
当然紙より上質で高価な素材
鎌倉時代までの宗教絵画は
ほとんどが絹本です
「絹本着色」となると
絹布(けんぷ)に絵具で彩色して
描いた絵画のことですね
Q.295
通常、日本画では使用されない画材はどれ?
① 岩絵具
② 膠
③ コンテ
④ 泥絵具
答え ③
コンテは
顔料を極微粒子にして固めたもので
西洋絵画の素描用画材です
発明したのがフランスの科学者
ニコラ=ジャック・コンテ
出典 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cont%C3%A9_crayons.JPG
白・黒・褐色(セピア)・赭色(しゃしょく/赤褐色/サンギーヌ)などの色があります
ちょっと参考までに
あの点描画のスーラですね
他はすべて日本画の画材です
岩絵具も鉱物が原料で
泥絵具は泥や土を原料とします
膠(にかわ)は
動物の皮や骨、腱、内臓膜などを水で煮佛して
抽出したゼラチンを濃縮・冷却して固めたもの
絵具を溶く際に使われるものです
膠の顆粒剤
出典 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Knochenleim_Granulat.jpg
膠の主成分はゼラチン
純度が高いものがゼラチンで
主に食品や医療に使われます
ゼリーとかプリン
薬のカプセルとか
精製度の低いものが膠と呼ばれ
日本画の画材や工芸品など
様々な素材の接着剤として使われます
「膠」ってぼんやりとしていたのですが…
ゼラチンだったんですね…