Q.263
反芸術に関係する次の作家と、代表的な作品の組み合わせで、正しいものは?
① 赤瀬川原平-『洗濯バサミは攪拌行動を主張する』
② 中西夏之-『耳』
③ 三木富雄-『宇宙の缶詰』
④ 工藤哲巳-『増殖性連鎖反応』
答え ④
工藤哲巳(くどう てつみ/1935-90)
作品
『X型基本体に於ける増殖性連鎖反応』
こちらのサイトで確認できます
https://www.cinra.net/column/kudotetsumi2014-report
「反芸術」は
既存の美術への根本的な問いかけや
新たな問題を提起しようとする芸術傾向
日本ではとくに
「読売アンデパンダン」展に出品された
反社会的な表現や
過激化した芸術家たちの
パフォーマンスに対して多く使われます
この作品を
美術評論家の東野芳明が
「ガラクタの反芸術」と呼んだことで
その名称が一般化しました
ほかの選択肢の正しい組み合わせは
赤瀬川原平(あかせがわ げんぺい)-『宇宙の缶詰』
http://hp.yahalab.com/bookclub/yorinuki/akasegawa/akasegawa02.htm
中西夏之(なかにし なつゆき)-『洗濯バサミは攪拌行動を主張する』
攪拌(かくはん)とは かき混ぜることです
https://www.scaithebathhouse.com/ja/news/2012/06/art_43_basel/
三木富雄(みき とみお)-『耳』
出典:『西洋・日本美術の年表』、美術出版社、2009年、P.50
Q.264
ハイレッド・センターの中心メンバーは3人ですが、高松次郎と赤瀬川原平ともう一人は誰?
① 中ザワヒデキ
② 中西夏之
③ 中村政人
④ 中川一政
出典:『西洋・日本美術の年表』、美術出版社、2009年、P.50
答え ②
中西夏之
ついさきほど出てきた洗濯バサミの作家ですね
1963(昭和38)年
高松次郎と赤瀬川原平とともに
「ハイレッド・センター」を結成
その名称は
高松・赤瀬川・中西の
3人の名前の最初の文字を
英語にして組み合わせたもの
奇異な化粧で電車に乗ったり
白衣で銀座の街路を清掃したりと
日常的な場所で
非日常的な行動やイベントを行い
社会的関心を集めました
Q.265
戦後日本の前衛美術の発表拠点として知られてきたものの、1964年に急遽開催中止となってしまった展覧会は?
① 日本美術展覧会
② 現代日本美術展
③ 読売アンダパンダン展
④ 日本国際美術展
答え ③
読売アンダパンダン展
初めの問題の続きです
「読売アンダパンダン展」は
無審査・無償・自由出品だったため
既存の形式に飽き足らない作家たちが
それまでの概念を
破壊するかのような作品が発表され
過激化しました
その行きすぎた過激さによって
1962(昭和37)年に東京都美術館が
「陳列作品規格基準要項」を制定
しかし状況が変わらなかったため
1964(昭和39)年の第16回開催を前に
中止となっています