今日の作品は
セガンティーニ(1858-99)の 《悪しき母たち》
私は初めての作品です
1894年 オーストリア・ギャラリー(ウィーンのベルヴェデーレ宮殿内)
オペラ台本作家ルイージ・イッリカが翻訳した
『ニルヴァーナ』 という詩をもとに描かれてた作品だそうで…
凍てついた大地の枯れ木に
絡みついた半裸の母親…
乳を吸う赤子の顔は…木から生えています…
左奥の木にも…
へその緒のような枝が伸び
その先には赤んぼの頭が…
さらにその背後には女性が何人も並んでいます…
イタリアの画家、セガンティーニは
アルプスの貧しい家に生まれ
幼いころに母は病死
父とミラノに出るも、その父も行方不明
盗みを働いて送られた少年院の院長が
彼の絵の才能に気づいて
美術学校の夜間部へ入れてくれます。
勉強に励んだセガンティーニ
結婚して子供にも恵まれ
アルプスの光景や人々を明るい色彩で描き
やがて「アルプスの画家」と呼ばれるようになります
この作品は、晩年の作品です。
堕胎したり、子を捨てたり、不義の子を産んだりした母たちと
その救済を表しているそうですが…
何といいますか…セガンティーニの
「母」というものへの、長く強い思慕と一緒に
苦しさを感じてしまいます
今夜の作品は衝撃的でした…
画像はWikipediaより