Lito | Nagoya, Japan
「リト」
愛知県名古屋市東区泉1-17-3 第ニオレンジ久屋ビル202
軽井沢Nazの立ち上げメンバーでもある窪田理人シェフ。

レネらによるニュー・ノルディック宣言は世界中に広まって久しいですが、食材豊かな日本での表現をぜひ経験したく、名古屋訪問に合わせてSeason special lunch(17,600円)を予約して訪問。
入店後、カウンターに通して頂きますが、キッチンの真ん前のまさにChef's tableで嬉しくなります。

ガス有無の希望を聞いて下さり、いつも通りガス無しのお水を。
ノンアルのドリンクも豊富なので、アペリティフとしてエルダーフラワースパークリング(1320円)をオーダー。エルダーフラワー自体も入っており、美しく美味しい。期待が高まります。

「玉蜀黍(とうもろこし)」
とうもろこしに発酵させたパイナップル。ローストしたトウモロコシのジュレに、マリーゴールドとオシェトラキャビアまで。いざ頂くと、脳を揺さぶる美味しさ。

このレベルの多層的な美味しさは、なかなか出会えないので、もうこの時点で一気に引き込まれてしまいます。

「岩牡蠣」
オーブン焼きで、セミドライトマトのソース、発酵させたフランボワーズ(ベリー系)、ンドゥイヤ(豚肉のソーセージ)、新鮮なオレガノ。温度での揺さぶりも。超熱々。この熱さが料理を一気に高めます。自家製のチャバタももっちり豊かで、ソースと一緒に頂くともう至福。

この熱々感を20席を超えるお店でしっかり出されるのも、調理の様子を拝見していると良く分かります。ちゃんと提供先に合わせて、時間差で仕上げている。さらに2種のコースがありますが、皿数の差に合わせて、間をあまり開けないような工夫も。

テーブル席ではなかなかわからないお店の工夫も、カウンターだと拝見できるので、細部にまで様々な工夫をされているのが分かります。
「鱧」
朝締めの鱧のフリット。沖縄県産のオクラ、レタス、ライムの泡、マスタードソース、発酵レタスのパウダー。

こちらも熱々。鱧は骨切りだけであれば、相当丁寧に行われていると感じられる滑らかさ。フリットの油と酸味が綺麗な相性。玄水さんの鱧の力強さには衝撃を受けましたが、こちらは逆方向に美味しい。ちなみに、後でシェフにお伺いしたところ、やはりこの温度感もかなり意識されているとのこと。
「雲丹」
北海道の紫雲丹のリゾット。イタリアでは出会えない極上。雲丹とスジ青のりの香りが綺麗に融合し、発酵の山葵菜も良く合います。これも美味しい。

「甘海老」
香川小豆島の素麺。昆布オイルでマリネした甘海老。花穂紫蘇。乳酸発酵のトマトと大葉のオイルを最後にサーブ。まさに冷製パスタですが、これも美しく美味しい。アクセントとしてのルバーブの使い方も良いですね。

「太刀魚」
鹿児島の釣りの太刀魚(2kgサイズ)の炭火焼きに、いんげん豆、柑橘のオイル。下には、トロットロの熊本の赤茄子。これが同じくトロットロの太刀魚と融合し、発酵キノコのパウダーでフレイバー豊かに。

「愛知牛」
これは初めての表現で一段とテンションが上がりました。藁で燻した香りつつ、火入れの途中も見せてくれますが、キッチンを見ていると、火にかけては、休ませながら余熱での火入れを繰り返しています。

サーブされると、きれいな赤身と脂のバランスで本当に美しい身質。驚いたのが周囲。
焦げているように見えて、素晴らしいメイラード反応。なぜこれが実現できるのかとシェフにお伺いしたところ、黒ニンニクやベリー系のソースを塗りながら、焦がしバターで火入れをしているからとのこと。そのままだと焦げ感が出るところを、むしろ豊かな旨味に。


繊維の方向も意識されてサーブされているので、ナイフも綺麗に入りやすい。粒胡椒のアクセントも素晴らしく、これは脳に刻み込まれる美味しさ。こういう牛であれば、ヨーロッパの鶏とも戦える気がします。やはり技術は料理の可能性を高めてくれます。

「剣先烏賊」
目の前でパスタを打つところから。打ったパスタも見せてくれて、量の希望も聞いてくれます。ここまででもかなりのボリュームだったのですが、思わず多め(60g)でお願いしてしまいました。

剣先烏賊はポーションごとにカット、火入れを変えているので、コントラストが本当に美味しい。発酵レモンの酸味がしっかり効いているので、夏にぴったりの味わい。カラスミで旨味も加えられ、これも他では頂けない一品。

「メロン」
メロンソーダとのことですが、これも超美味しい。特に、メロンソーダ。炭酸ガス入りのエスプーマにはたまにしか出会えませんが、自家製ヨーグルトとも良く合っていて、後半までテンションが上がります。

「マンゴー」
ペルーのアマゾンカカオのフィナンシェは自家製の柑橘のジャムが塗られ、マンゴーの甘みと高め合います。最後までインパクトを与える美味しさ。

コーヒーも完全に計算された仕上げで、しっかり美味しい。
窪田シェフとも途中と最後に少しずつお話させて頂きましたが、やはり何を聞いても明確に答えが返ってきます。熟成はもちろんのこと、温度感へのこだわりにも素晴らしいものがあります。オペレーションも一朝一夕では到達できないレベルで、随所に工夫が見受けられます。
高く評価されるお店には、その理由があります。季節ごとにメニューも変わるとのことですので、ぜひ再訪させて頂きたいお店。
【Season special lunch(17,600円)】
・玉蜀黍
・岩牡蠣
・鱧
・雲丹
・甘海老
・太刀魚
・愛知牛
・剣先烏賊
・メロン
・マンゴー






