御座石神社(秋田県) | yampoo 御朱印集めの旅 

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御朱印を集める旅を始めました。

秋田県は唯一、一之宮が無い県です。

出羽国の一之宮である鳥海山大物忌神社は山形県側に鎮座されています。

明治になって、面積の大きい出羽国は羽前、羽後に分割されます。これが現在の山形県と秋田県のベースとなっています。

この羽後にも新一之宮を制定してもおかしくはないと思うのですが、それに相応しい格式のある古い神社が当地には無かったということなのでしょうか?

 

そこで、一之宮ではなくても秋田県内にある人気の神社ということで、田沢湖畔の御座石神社にお参りしました。

田沢湖は日本一深い湖で、湖面はコバルトブルーのきれいな色をしています。新緑や紅葉の時期は、鳥居の朱色がアクセントにもなって、このあたりの景色は一段と美しくなるだろうと想像しました。

御座石神社の名前の由来は、慶安3年(1650年)に秋田藩主だった佐竹義隆が田沢湖を遊覧した際に、社頭の岩に腰掛けて休んだことに因んでいますが、その前は「龍神社」と呼ばれていたそうです。

 

御座石神社には「辰子姫伝説」があります。

昔、この辺りに辰子という美しい娘がいました。いつまでも若く美しくありたいと願った辰子は院内岳の大藏観音に願掛けをすると、観音様からお告げがありました。それに従い、山の北の泉を飲んだところ龍に化身し田沢湖の主となったというお話しです。

御座石神社は美のパワースポットとして、女性に人気のお社です。

 

この地を訪れたのは3月の中旬です。

湖畔に立っている鳥居の写真を撮ろうと思っていたところ、ある女性が鳥居のそばにいたので、離れるのを待っていました。しかしながら、その美しい女性はいくら待っても立ち去ろうとはしません。ずっと湖を眺め、湖畔に佇んでいます。どう見ても連れがいるような気配がなく、小さなバッグを持っていたので、自家用車やレンタカーで来た感じでもありません。もしか、路線バスでここまで来たのならば、あと少なくとも2時間はここで時間を費やさなければなりません。

 

失恋を癒すための女性の一人旅なのでしょうか?

もしかしたら辰子姫の化身?

いや、これは神様のお導きで私とご縁のある人なのか?

と、このシュチエーションを自分勝手に解釈しつつ、意を決して心臓バクバクの状態で、その女性に「湖面がきれいですね」と声をかけました。

彼女はとても気さくな方で、今朝東京から新幹線とバスを乗り継いで田沢湖まで来たそうです。そして、宿泊せずに日帰りで東京に戻るとのこと。

神社仏閣巡りが好きだということで、話しは大いに盛り上がりました。

しかし、せっかくの一人旅の楽しみを邪魔してはいけないと思い直し、30分ほどの会話で打ち切りました。

 

彼女にとっては見知らぬおじさんから声をかけられて迷惑だったと思いますが、私にとっては良い思い出となった御座石神社の旅でした。