Between The Sheets ~夢への抒情詩~ -9ページ目

Between The Sheets ~夢への抒情詩~

寝る前にちょこっと読んでほしい、素敵な物語をあなたにお贈りします。

 って、ご存知です?

 トリノ五輪も終盤戦。
 今の時点で、唯一メダルを獲得した日本人選手と言えば・・・。



 そう、荒川静香さん!
 本当におめでとうございます!
 午前3時からLIVEでずーっと見てました。
 
 金メダルを獲れて、本当によかったなぁと思います。
 


 フィギュアスケートに関して薀蓄を垂れるほどあまり詳しくないのですが、
 滑らかなスケーティングと、ひとつひとつの技の確実性が素晴らしかった!
 冷静な判断力や抜群の集中力は然ることながら、
 しっかりしたスケーティングの基盤を築き上げたのはやっぱり
 日々の練習の積み重ねという努力の賜物でしょう。

 技が決まるごとに湧き上がる、観客からの拍手と歓声。
 そしてガッツポーズの代わりに、「よし!」とでもいうような荒川さんの笑顔。
 最後はスタンディング・オベーション。

 演技が終わって、コーチと一緒に得点・順位を待つ荒川さんは、
 力を出し切ったことにホッとしたような笑みを浮かべていました。



 この、滑走の結果を待つ場所が「Kiss & Cry」です。
 
 素敵な名称だと思いません?
 晴れ舞台での演技を終え、ひと息つく間もなく息を呑んで結果を待つ・・・。
 そしてようやく電光掲示板に表示された得点に、歓喜し、コーチとともにkiss & cry・・・。

 すごくドラマチックな由来なので、気に入ってます。



 今回の荒川さんも「kiss」まではいかなかったけれど、
 素晴らしい結果にご本人も驚き、支えてくれた周りの方々と抱き合って喜んでいました。

 その姿を見て、月並みだけど、
 「ああ、いいなぁ」と目頭が熱くなりました。



 「Kiss & Cry」での選手の表情が、全てを物語る。
 
 満面の笑顔と、「信じられない!」といった驚きの表情。
 そして何より、ご自分のスケートを楽しんでできたという満足感を得た彼女に、
 心から賞賛の拍手を送りたいです。
 鍵を見つけた。
 
 って言っても、「ない、ない」と思ってずっと探していた、そんな類の鍵じゃあなくて。
 たまたま鍵を拾った、 ってだけの話。
 ただ、拾った場所があたしと彼の住む部屋のドアの前だから、鍵を落としたのはあたしか彼の可能性が高い。



 「ねえ。鍵、落とさなかった?」
 冷蔵庫に買ってきた食料品を詰めながら、あたしは彼に尋ねる。
 「鍵? いや、落としてないと思うけど?」
 昼前のニュースを見ている彼は、欠伸交じりの声でそう答える。休みの日の彼は、いつもお寝坊。

 「そっか・・・。じゃあ誰のなんだろ?」
 キーホルダーもついていない、何の変哲のない鍵を見つめる。
 「どれ、見せて」
 伸ばした手に鍵を渡すと、彼も「うーん」と首を傾げた。
 「やっぱ、俺のじゃないよ」
 「でも、うちの玄関の前に落ちてたのよ」
 「じゃあ俺かお前の、どっちかのってことか?」
 「でも、どっちも違うんでしょ」
 あたしも首を傾げる。
 
 このマンションの構造からして、あたしたち以外の住人がこの部屋の前を通る必然性はない。
 わざわざここまで来て、そしてたまたま鍵を落とすとも考えられないし。

 一体、どっから降って沸いてきたんだろう?
 この鍵の出所は謎に包まれている。
 


 鍵。
 大切なものを守備し維持するための、重要な存在。
 幸いこの鍵は、家や車といった用途のものではなさそうだから、持ち主にとっては失くしても大事には至らないと思うけれど。
 だけど鍵の役目は、それだけじゃあない。
 明るみに出したくないものを封印し、人目につかないようにもする。
 言わば、秘密を知った唯一の共犯者。

 そう考えると、だんだんおかしな感覚に陥ってきた。
 もしかしたらあたしは、ただ、忘れているだけじゃないのだろうか?
 何らかの秘密を隠そうと鍵をかけて封じ込め、そしてその鍵を落としてしまった、そんな成り行きを・・・。

 ・・・バカげてる。
 そんなわけないじゃないの。



 「管理人さんとこ、持ってってくる」
 あたしは一言、彼にそう言って部屋を出た。
 落し物は、きちんと届けないと。
 ま、届けたところで「鍵の落し物、〇〇号室前」なんて張り紙が出されて、全く関係ない人が「その部屋の人間が落とし主に決まってるだろ?」とでも訝しく思ったりするのがオチだろうけど。
 そんなシチュエーションを想像して、あたしはひとりで吹き出した。



 エレベータに乗る。
 管理人室はエントランス横にあるから、1階のボタンを押すはずだったんだけど。
 なぜかあたしは、4階を押した。
 「4」を押したのは、いわゆる無作為というヤツ。
 別に意図があってやったわけじゃない。そもそも4階に誰が住んでいるかなんて、全く知らない。

 40X号室前で、あたしは鍵を落とした。
 落としたって言うよりも、置いたと言った方が正しいかもしれない。
 何でわざわざこんなことをしているのか、って?
 わからない。
 けど何か、突発的にあたしを突き動かすものがある。

 鍵。秘密を知る共犯者。
 あんたは一体、何人と、こんな秘密を共有してきたの?


 
 あたしはエレベータに乗り込み、部屋に帰る。
 相変わらず彼はソファーに横たわったまま、いろんなチャンネルを巡っている。
 「お帰り。渡してきた?」
 「ん・・・。持ち主、すぐには見つからないかもしれないけどね」
 あたしはそう返事して、含み笑いをする。

 鍵はきっと、誰にも知られたくない秘密を持つ人間が手にすることになる。
 突然舞い降りてきた共犯者を、野放しにしたくないがために。
 それまで、あたしみたいな人間が、秘密のつなぎの役割をする羽目になる。
 大した秘密もないけれど、ちょっとしたユーモアを理解できる、そんな人間が。

 ・・・なんて自分のこと言ってりゃ、世話ないか。

 少しでも欠けたところを見つけると


 すぐに愛着が失せちゃって


 そんなふうに簡単に捨てることができるんだね




 そんなことを繰り返していたら


 いつかは捨てるものすらなくなっちゃうよ



 を、yura*さんからいただきました!


 1.今やりたいことは?
   →お菓子作り。
     単に作ったものを食べたいだけです(笑)。
     でも、後片づけが大変なんだよなぁ・・・。


 2、今欲しいものは?
   →ピアノ。
     スタンダードなものでも電子でもOK!
     とにかく音が出ればいいんです。
     あ、でもキーは多めの方がいいな。


 3.現実的に考えて今買ってもいいものは?
   →まだ読んでない伊坂さんの本。
     できればハードカバーがいいなぁ。
     ジャケットがきれいなのが多いので。


 4.高くて買えないものは?
   →軽くて性能のいいノートパソコン。
     今使ってるのは、重すぎる!


 5.タダで手に入れたいものは?
   →ゆったりくつろげるバーでの VIP待遇。
     ・・・く、くだらない。
     ま、タダより高い物はないです。


 6.恋人からもらいたいものは?
   →望んじゃダメ。
     なんてね。
     あえてお願いするなら・・・、
     「無茶なことしないでね」。


 7.恋人にあげたいものは?
   →素直な気持ち。
     あと、おいしい料理。
     ・・・半人前なので、まだあげられてないんです(涙)。


 8.このバトンを回す人(5人)は?
   →ご関心のある方、どなたでも☆




 自分が今、何を必要としているかがわかって、
 新たな発見になりました!

 yura*さん、回してくださってどうもありがとうございます!
 ムシャクシャする。
 気分が優れない。
 そんな時は飲むに限る。

 仕事から帰るなり、俺は台所に置いてあるウイスキーのボトルを手に取った。
 「ちょっと、どうしたの?」
 ちょうど風呂から出てきた彼女が、バスタオル一枚という姿で目を丸くする。
 「グラス、取ってくれ」
 ネクタイをするりと外しながら、早く早くと言わんばかりに俺は手を伸ばし催促する。
 戸惑いながらも彼女は、8オンスのタンブラーを俺に手渡した。

 

 琥珀色の液体を3分の1くらいまで注ぐ。
 オーク樽のほろ苦い匂いがすぐに空気を伝って、鼻先を掠める。
 相変わらずいい匂いだ。

 液体を少し口に含み、舌で転がすようにそれを味わうと、苛立つ気持ちも静まってくるから不思議だ。
 「・・・うまい」
 家に入るや否や酒を嗜み始めた俺を、彼女は訝しげな目で見つめる。
 「・・・何だよ」
 「もしかしてアル中なの?」
 彼女の質問に、俺は苦笑する。
 「そんなわけないだろ」
 確かに今の行動はアルコール依存症っぽかったかもしれない。



 「嫌なことがあったんだよ、今日、会社で」
 少し落ち着いてから、俺はグラスを置き彼女にわけを話した。
 「そうなの。お水、いる?」
 彼女は相槌をひとつ打って、冷蔵庫からペットボトルを出す。
 そして俺が「うん」と言う前にはもう、新しいグラスになみなみと水を注いでいた。
 「サンキュー」
 俺は彼女の、こういう何気ないところがけっこう好きだ。

 よく冷えた水を、アルコールで少し火照った喉に流し込む。
 清涼感とはまさにこのこと。



 調子に乗って、俺はウイスキーのおかわりを注ぎ足す。
 いつもなら香りを楽しみながら一杯やるところだけれど、今日はすぐにでも腹の中に溜め入れたい。
 空きっ腹にアルコールはますます空腹感を増長させるけれど、今はそれよりも腹立たしさを浄化したい気分だ。
 
 次々と酒を体内に流し入れる俺を、じっと見守る彼女。
 表情は、落ち着いている。と言うより、無表情。
 だけど、侮蔑だとか嘲罵だとかそういったマイナスのオーラはちっともなくて。
 だから俺は、彼女の側にいると安心する。



 「このウイスキーってさ」
 フェイスタオルで濡れた髪を拭きながら、彼女は俺に話しかける。
 「樽の中で10年、寝かされてたのよね」
 彼女の言葉に、俺はボトルのラベルを確認する。
 お気に入りのシングルモルトは、確かに「10 year」と表記されていた。
 「そのようだな」
 舌のろれつが少し、怪しくなっている。

 「10年もかけて熟成されたんだぁ・・・」
 彼女はしみじみとそう呟く。
 10年。それってけっこう大した年月だよな。
 あらためてボトルを見ると、もう半分なくなっている。
 ちょっともったいない、かも・・・。



 俺はボトルのキャップを閉めた。
 憂さ晴らしのために飲む酒じゃないな。
 ここで打ち切るには、ちょっと後ろ髪を引かれるけれど。
 「今日はおしまい?」
 彼女がやわらかく微笑む。
 「また落ち着いてからにするよ」
 酔いをさますため、そしてウイスキーへの思いを断ち切るため、俺はしこたま水を飲む。

 「シャワーでも浴びてきたら」
 長い髪をタオルで巻き上げた彼女は、そう言って目で浴室を指し示す。
 その手にはしっかりと、あのボトルが握られていた。

 彼女の方が俺より、一枚上手か。
 外したネクタイをぶらぶらと振り回しながら、俺は陽気な足取りで浴室に向かった。


 きみが手の届かないところに行ってしまって


 もう2ヶ月が経とうとしているね


 どうしてだろう、最近夢を見るんだよ


 ゆったりと伏せをしてこっちを振り返っているきみ


 なぜか潤んだ目で 私を見ている


 その夢を見るたびいつも思う


 きみはいなくなったはずだよね?


 私に会いにきてくれたのかな?


 だけど夢の中でのきみは


 いつもじっと動かないまま


 まるでそこに根を張っているかのように動かないまま


 昔みたいに私の足元にやってきてしっぽを振ってはくれないね


 

 はっと目が覚めたとき



 思い出すのはきみの瞳


 記憶の中にあるきみのいろんな瞳


 はじめてうちにきたときのあどけない瞳や


 私が下の世話をしているときの申し訳なさそうな瞳


 最後、君の目は真っ暗な洞窟みたいになって


 永遠に私のことを映さなくなった


 それが一番悲しいきみとの思い出




 できることなら


 もう一度あのやわらかな毛並みに触れたい


 側にいって抱きしめたい


 でも今、きみは土に還っていく最中にいる


 だから私は記憶の中できみの名を呼び


 たくさん、たくさん


 頭をなでる


 たくさん、たくさん・・・


 

 引き続き、ギリシャ哲学もどきなつぶやきをひとつ。


 
 「魂は何でも知っている」。
 
 言わずと知れたソクラテスのお弟子さん、プラトンの「イデア」論です。
 でもこれは、「無知の知」とは、ある意味逆説的な観念かもしれません。

 人間の魂は永久不滅であり、ありとあらゆるものを見てきている。
 すなわち、既に全てのものを学習して知っている。

 一見、人間を無知の存在だと自覚することが知の始まりであるとしているソクラテスの考えとは、相反するものであるかのように見えます。



 確かに魂は、何でも知っているのかもしれません。
 でもそれらは、欲望や本能といった肉体に基づくものによって、忘却させられている。
 そして私たちは、そのことすら忘却している。
 だから学習し、忘れていたことに再び出会うことで思い出す。

 そうやって知を習得するのだ、という理論です。



 ・・・と、何だかんだ言って彼らは結局、知と向き合うための動機づけをしているようにも聞こえますが。
 


 最近、プラトンの言ってることが少し、わかったような気分になりました。
 


 わたしは(ただの素人ですが)詩や小説をブログで発表しています。
 継続してものを書くとなれば、それなりのネタが必要となります。
 これってけっこう大変なんですよね。
 引き出しの中身が尽きてしまうと、書くことができなくなってしまうんですから・・・。

 で、日々、ネタについていろいろ考えているわけなんですが・・・。
 ふとしたことで、「あ、これいいかも」と思いつくことが多いのです。
 そう、本当に些細なことで。
 寝床でかじったリンゴだとか、風で飛び散った落葉だとか。
 「だからお前の作品はショモいんだよ!!」
 とか言わないでくださいね(笑)。

 こういう些細なことでの発見が、もしかしたらプラトンの言う「学習」ではないかと思うのです。
 「学習」、だなんてそんな大層なものではないのかもしれませんが。
 
 朝日を浴びながら散歩をし、テレビや本を読み、スーパーやコンビニに買い物に行き、家の掃除をし、家族や友人はたまた職場の人と接し、ゆっくりとお風呂に浸かり・・・。
 こういった日々の生活の中で、ふと出会うこと、思い出すことって、多々あると思います。
 気付くことで、知(智)は増える。
 もっともプラトンは、「理性」によって捉えられるものを「イデア(形相)」としていますが。
 そのへんは、ご関心のある方ご自身でお調べください。



 「肉体は魂の牢獄である」。
 プラトンはこのようにも言いました。
 確かにそれは正論かもしれません。
 
 だけど、肉体(例えば五感)によってはじめてわたしたちは世界のあらゆることを習得しえます。
 肉体は牢獄であると同時に、イデアと魂の窓口であるのでは、と考えるArcでした。


 話したって誰もわかってくれないから



 私はひとりでそれを抱える


 
 流せない涙に喉が圧迫され



 いつしか話したくても話せないようになってしまった



 ひとりよがりの悪循環



 「晴れ渡る夜空」。

 真っ暗なのに「晴れ」っておかしな表現だけど、群青色の中にまん丸いお月様がぽっかり浮かんでいる空を見て、あたしはそう思った。
 仕事帰り。疲れた足取りで、空を見上げる。 

 夜道には、犬を連れて歩いている人が多い。
 遅い時間のお散歩だろうか。はたまた、ちょっとそこまで用事を済ませに行くためのボディーガード代わりだろうか。
 昼でも夜でも、犬たちはリードで飼い主と繋がれているにもかかわらず、無邪気にトコトコと歩いている。


 
 空は、明るい。
 太陽が幅を利かせている昼間と打って変わって、夜は月がこの空間を支配している。
 満月は真南よりも少し東に位置し、数時間後には頂点に立つ。

 星は、見えない。
 月の光が眩しすぎて、細微なあの輝きを飲み込んでいる。
 
 満月は欠けた所ひとつない、自信と驕心の象徴。
 まさに天上天下唯我独尊。
 藤原道長が歌詠みの題材にするわけだ。



 月を見て、そんなふうに思えるほど人生が充実していたらなぁ・・・。
 生憎あたしはそんな歌を披露できるほど、恩恵に与っているわけでも自信過剰でもない。
 ま、だからと言って特に不満や不足もないけどね。

 ただ、広がった暗闇に恐れを感じることはある。
 あたしは明日もこんなふうに生きていくの・・・?
 何も変わらない、未来も見出せない、いつまで続くかわからない、そんな毎日。

 行き先の見えない暗闇が、あたしを不安にさせる。



 目の前で、薄汚れた犬が空を見上げている。
 リードはつけていない。飼い主らしき人物も、側にいない。
 雑種と思われるその犬は、歩道の脇でお座りしたままじっと静止している。
 
 精神統一。
 そんな高尚な言葉がピッタリなくらい、その見かけとは裏腹に、凛とした姿をしている。
 その様子に惹きつけられ、あたしは無意識に犬の背後に立つ。
 そして同じように、空を見上げる。

 開かれた出口のように、輝かしい月。
 


 そうか。
 あれは出口なんだ。
 眩しい外の世界へ繋がっている、暗闇からの出口。
 
 今、あたしはきっと真っ暗な穴の中にいるんだ。
 


 犬が低く、遠吠えをした。
 出口に向かって、「いつかそこに行ってやる」と意思を表明しているかのように。
 「あたしもあんたを見習わなきゃ」
 犬の黒い鼻先を見つめながら、あたしは呟いた。
 
 さあ、穴から脱出しよう。
 未来が見えないのなら、自らその未来を作ってやる。
 
 私はちっぽけな人間だから


 許すという行いができない



 仕返しや報復は


 許すという行いができない者たちの


 利己的な悪あがき



 だから私は許されることを求めても


 許すという行いができない我侭の塊である己を


 いつも蹴っ飛ばしたいと思ってる



 そんなことできもしないくせに