Between The Sheets ~夢への抒情詩~ -6ページ目

Between The Sheets ~夢への抒情詩~

寝る前にちょこっと読んでほしい、素敵な物語をあなたにお贈りします。

 春爛漫。
 ・・・という割には、まだまだ気温が低い。

 だけどせっかくお天気もいいので、あたしは彼と、のんびりお散歩に行くことにした。

 「さっぶ! 今日、寒くね?」
 彼は身を縮めながら、あたしに問いかける。
 「うん。かなり寒いかも」
 あたしも、両手の甲を擦りながら答える。
 「春はまだか!?」
 どこかで聞いたような台詞。演技がかった口調に、あたしは思わず笑いだす。



 近所の公園にたどり着く。
 桜はまだ、4分咲き。
 だけど淡いピンク色を見ると、今年もまた春がやって来たんだなあと実感する。

 「お、咲いてる咲いてる」
 寒いと言ってしかめ面をしていた割に、桜の花を見ると急にご機嫌になった。
 「ちょっと早いお花見しよっか」
 あたしはそう提案して、すぐ側にあった自動販売機でコーヒーの缶をひとつ買う。
 ブラック無糖。もちろん、ホット。


 
 ベンチに腰を下ろし、目の前の桜並木を眺める。
 「日差しはあったかいのにな~」
 「風がまだ、冬の風ね」
 代わる代わるにコーヒーを飲みつつ、缶の熱で手を温める。
 
 ふと、花だけでなく茶色い幹にも目を向けてみる。
 桜の幹は、春に花を咲かせるため、ずっとここに立っていた。
 人一人、虫一匹いない寂しい冬を越え、ずっとこの場所に・・・。
 
 だから桜は美しいのかもしれない。
 ひとりで耐えてきた努力は、今、ここで満開になる。



 「あのさ」
 ふと、彼が口を開いた。あたしは「何?」と言って顔を向ける。
 「よく、桜の木の下に死体が埋まってるって言わない?」
 「ええ?」

 怖がらせようと、わざとそんなことを口にする彼。
 「うそでしょ?」
 気持ち悪いなぁと、あたしは付け足す。
 「いや、だってさ」
 「だって?」
 「こんなにきれいな桜だけど、夜見たら、すっげー不気味じゃん。
  なんつーの、幽玄? 気持ち悪いくらいきれいというか・・・」
 「だからって死体なんか埋まってるわけないじゃない」

 あたしはごくっと音を立て、コーヒーを飲み干す。
 「あっ! 全部飲みやがった」
 「だって、わざと怖いこと言うんだもん」
 彼は膨れっ面をしてあたしをにらむ。



 「んじゃさ、本当にあるかどうか、試してみない?」
 「どうやって?」
 「掘って探すんだよ」
 あまりにもくだらなさすぎて、あたしはぷっと吹き出した。
 「何それ。スタンド・バイ・ミーみたいに、死体探しでもするつもり?」
 「そういやあれは死体を見つけたっけなぁ」
 昔見た映画だし、その時半分眠っていたから、どうしても結末が思い出せない。

 「どっちにしろ、死体なんか埋まってるわけないの」
 あたしはそう言い切った。
 彼もいいかげん冗談に飽きたようで、
 「それもそうだな」
 と大きく伸びをする。



 春爛漫。ちょっと寒いけれど、桜がきれい。



 どこからともなく、春の風に誘われて野良犬がやって来た。
 「ポチ」
 「何言ってんの? 花さかじいさんじゃあるまいし」
 「だって桜と犬って言ったら、やっぱりポチじゃん」
 何がどうなったら、「やっぱりポチ」になるのか。

 「おいでおいで、ポチ」
 彼の呼びかけを無視して、ポチは桜の根元に向かう。
 「ボクはポチなんかじゃない、だって」
 あたしが冗談めいてそう言うと、彼は苦い顔をした。

 ポチは桜の根元に鼻先を当て、ふんふん嗅いでいる。
 そして、前足で地面を掘り始めた。

 「げっ」
 あたしと彼は、顔を見合わす。



 あいにく地面が固くて、土は思うように掘り起こせない。
 それに気付くとポチは、さっとどこかへ行ってしまった。

 「見た?」
 彼が目を丸くして言う。
 「やっぱり死体があるんだって」
 「そんなわけないじゃない・・・」
 かろうじてあたしは、そう否定するけれど。

 ポチは、何を掘り起こそうとしたのだろう。
 それが気になって仕方ない、春の日だった。


 っていうとみなさん、どんなイメージがありますか?

 わたしには
 「静か」
 「勉強」
 「文学の園」
 というイメージがあります。



 今朝、県紙のオンライン記事を見ていたら・・・。

 『中学校図書館様変わり 漫画など主役』

 ええーっ・・・。

 何でも、
 純文学なんて置いても生徒は読まないので
 その代わりとっつきやすい漫画やライトノベルを置こう!
 ということらしいのです。



 ああ可哀想に、太宰も芥川もみんな端っこに追いやられて・・・。
 
 別に漫画やラノベが悪いとは言いません。
 でも、わざわざ学校の図書館にそれを置くのはどうかと。
 置いている本の内容も一応、歴史など勉強に役立つものではあるらしいのですが。

 

 そういや私も、中学生のときは
 純文学ってなかなか手を出しづらかった記憶があります。
 いまでこそ、昔から読まれている文学のおもしろみが
 だんだんわかってはきましたけれど・・・。

 そういう現場の状況を見かねて
 学校側は生徒に身近な書籍を集めたというのも、
 わからなくはないです。

 だけどなぁ・・・。



 図書館はあくまで図書館。
 漫画やラノベを増やすのは百歩譲って結構だとしても、
 日本の偉大な文豪たちの作品が排除されていくってことは
 文化の継承がそこで途絶えていくような気がしてなりません。

 そういう貴重な文化財に触れる一切の機会を
 子供たちから奪っていいものなのでしょうか・・・。
 生徒の意思ばかり尊重した、サービス重視の学校。
 それって何か、違う気がします。

 まあ生徒のほうも、
 自分から進んで文学に触れようという意思を持っている子は
 少ないみたいだから、学校側だけを責めてはいけないのですが。



 これからどんどん、教育の場から
 日本の名作が消えていくのでしょうか。

 なんだかとってもさみしいです。

 すなわち、「超現実主義」。
 現実を逸した非現実という意味ではなく、
 ものすごく過激なまでに現実、という意味です。



 ついこの間まで、近所の美術館で特別展をやっていたんです。
 『ダリの宇宙とシュルレアリスムの巨匠』展。
 シュルレアリスムの世界を大きく開拓した
 サルバドール・ダリ の作品をメインにした展覧会だったのですが、
 これがけっこうよかったです!

 一見、わけわかんなくてグロテスクで、
 だけどよく見ると、それぞれに意味が与えられているんですね。
 とろけた時計や燃えるキリン、妙にでっかいパンなど、
 ダリの特徴ともいえるそれらのモチーフは
 美術ファンならずとも惹きつけられるものがあります。



 で、ダリもよかったんですけど。
 そういや昔、美術の授業で習ったな・・・という絵に、
 久しぶりに対面したんです。

 ルネ・マグリットの『白紙委任状』 です。
 初めて見たとき、気持ち悪いというか落ち着かないというか
 とにかく、インパクトがありましたね。

 今回、再び見ても、
 やっぱり不思議な感覚は健在でした。
 
 当時はタイトルなんていちいち覚えてなかったのですが、
 この、「白紙委任状」っていう言葉に
 なぜかすごく惹かれまして・・・。

 で、昨日の記事ではその言葉を借りて、詩を作っちゃいました。



 「見えないものは何も隠してないが、見えるものは隠すことができる」。
 マグリットはそう言っています。
 「私たちの思考は、見えるものと見えないものの両方を認める」。
 思考を目に見えるものにするため、マグリットは絵を描くのだそうです。

 そんなコンセプトのもと、できた絵が
 森の樹の間を通り抜ける馬に乗った女の人、というわけです。
 


 もともと、「白紙委任状」という言葉は法律用語みたいですね。
 
 ある人に一定の事項を委任した旨を記した書状を「委任状」といい、
 受任者の氏名や委任事項の記載がない委任状を「白紙委任状」というようです。
 わけわかんないですね。
 とにかく、条件をつけずあなたに全てお任せします!
 っていう書面のことでしょう、平たく言うと(ホントか?!)。
 
 わたしはこの、
 「全てお任せします」にインスピレーションを感じまして(?)、
 拙作『出せない白紙委任状』ができたわけです。
 


 さて、展示会の話から一転して、
 ここからは詩『出せない白紙委任状』の解説になります。
 なんでそうなる!!って突っ込んでくれて、ありがとうございます。





 恋愛をし始めた頃のわたしは、本当に何も知らない子供でした。
 だから、「好き」=「全てを捧げる」っていう方程式が
 当然のものと思っていたんですね。

 でも、彼のことをもっと好きになり、
 もっといろんなことを知りたくなり、
 過去にあったことも本人からほぼ全て聞かせてもらい、
 そうして、わたしと出会う前の彼の姿を思い描いたとき、
 ものすごく、悲しくなったんです。

 もっと早くに出会えていればよかった。
 そうすれば、彼がかつて誰かと未来を歩こうとしていた事実など
 存在するはずもなくて・・・。
 バカみたいだと、自分でも思うんです。
 これってただ、昔の彼女に妬いているだけなんですよ。
 今ではもう、何の関係もないのに。本当にバカみたいです。
 
 

 ただ純粋に、目の前にいるその人を見つめていた頃、
 確かにわたしは「全てあなたの意のままに」と
 堂々と白紙委任状を差し出していたはずなのに。



 彼に対する想いはもちろん、今もずっと変わらず、です。
 でも、時々こうやって葛藤に苦しみます。
 もう存在しないライバル。
 でも、彼女は彼の中に
 どんな形であれ、ずっと残っている。
 
 実際にそこに存在しない人間の方が、
 存在する人間よりも超えにくいハードルなんだなって
 初めて思いました。
 


 彼の全てを知ってしまえばしまうほど、
 わたしの全てを任せることが怖くなる。

 臆病なんでしょうか。
 潔癖症なんでしょうか。
 
 でもなぜか、かつてわたしの知らなかった彼のことが
 時々、憎くて仕方がないのです。



 今、目の前にいる彼だけを見るべきなんでしょうか。
 それとも、全てを受け入れることが本当の愛なんでしょうか。

 今はまだ、その答えを見つけられずにいます。




 
 何だか恋愛相談みたいな話になってしまいました。
 どうやら超現実主義は、
 そういう「恋の現実」も教えてくれたみたいですね。


 もしもあのとき出会えたなら



 今とはちがう未来が待っていたはず



 だけど過去が戻ってくるはずもなくて



 ないものねだりばかりしている



 あなたが悪いわけじゃないのに



 別の誰かと未来を歩こうとしていたことを知って



 何より 何よりかなしいと思ってる



 すべてをあなたに任せることができるなら


 
 わたしはこんなに苦しまなくてすむのに



 コチコチ コチコチ



 自分の動く音で目が覚めた



 まるい時計盤の上で



 1分間に60秒を



 1時間に3600秒を刻みながら



 コチコチ コチコチ



 休む暇もなく



 息をつく余裕もなく



 ただ ひたすら 



 人間は時計を見てこう尋ねる



 「今、何時?」



 「今、何分?」



 だけど決して



 「今、何秒?」とは聞かれない



 いちばんがんばってるのになぁ



 それでもただ ひたすら



 秒針は時計盤の上を駆け回る



 未来へつながる一歩を刻むため





 ↑ は、yura*さんにいただいた詩のバトン
 『ある朝、僕(私)は〇〇になっていた』です。

 作っててすごく楽しかったので、ぜひ、みなさんもどうぞ☆


 nabyさんから「連想バトン」をいただいたので、
 やってみようと思います。
 nabyさん、どうもありがとうございます!
 
 注)コピペのやり方がいまいち上手くないので、
   ちょっと読みにくいかもしれません~。


 
 

 ●受け取ったキーワード


 中島みゆき→わかれうた→失恋→涙→青春→ドキドキ→初対面

 →学校→初恋→同級生→幼なじみ→親友→心の友→大切→家族

 →旅行→出会い→春→桜→ピンク→桃→岡山→奈良→堂本剛→堂本光一

 →F1→光一のオレファン→カーキチ→ 足フェチ→ミニスカート→相葉雅紀

 →嵐→「one」→「PRESIOCE ONE」(綴りに自信ないけど)→王様コン→絆

 →「8→1」→大倉忠義→ドラム→よでぃー→より(藤家和依)→Question?

 →感じてみろ!→8⇒1→最強で最高→コンサート→「大阪ロマネスク」→ダンス

 →バックダンサー→辰巳君&こっしー(辰巳雄大&越岡裕貴)→TOP SECRET

 →Lucky Man→No.1→ホスト→甘い言葉→もう君以外愛せない→紫→夕暮れ時

 →オレンジ→千石清純→ばか→平井堅→ゲイ→レイザーラモンHG→M字開脚

 →インリン様→愛のエプロン→錬金術士→進化の秘宝→熱海→読めない

 →月極駐車場→猫→宅急便→歩いちゃいけない→青春→くさい→野原ひろし

 →戦国時代にタイムスリップ→未来からやってきた男→アーチャー→英雄

 →H2→H20(水)→普賢真人→K1→グランプリ→シャンパン→クリスマス

 →プレゼント→もうすぐ→会える→解剖→器官→人造人間→未来→ドラえもん




 ●自分がイメージしたキーワード


 ドラえもんと言ったらやはり、「ポケット」でしょう。

 安直ですね(笑)。 




 ●バトンを渡してくれた友達へ


 nabyさん☆

 かわいい写真と素敵な言葉で、いつも和ませてもらっています。

 一度、猫のハチ君に会ってみたいなぁ~。

 これからもどうぞよろしくお願いします!




 ●次にお願いする3人 


 う~ん。有志を募ります!どなたでもどうぞ☆



 

 人は生きているかぎり



 いくつもの分かれ道に立つことになる



 その先へ進むためには



 それまで共に過ごした仲間と別れ



 またひとりで新たな道を歩き始めなければならない



 それは喜ばしくも切ない瞬間



 だけど人は生きているかぎり



 離れた仲間ともう一度出会えるチャンスがある



 進むべき道はいくつにもつながっているのだから


 明日は卒業式!

 なので、たぶんPCさわってる時間はないでしょう。
 何しろ式は、10時開始。
 それに間に合うように起きて、身だしなみ整えて、
 朝ごはんとかも一応作れたら作って・・・。

 で、式が終わったら終わったで卒コンがありまして。
 ま、コンパは夜からですが、
 きっと昼間も忙しい・・・でしょう(?)。



 唯一、他の大多数の女の子たちと比べて楽なのは、
 袴や着物じゃなく、スーツで参加すること。
 
 ああいうのすごく綺麗だし、一度は着てみたいなとは思うんです。
 でも、面倒くさい・・・。

 何が面倒って、着付けだけじゃなく
 髪の毛や化粧、果てはネイルまでご丁寧に飾り立てること。
 しかも、予約によっては朝6時とかから。
 あー、もういいです~・・・って、
 お洒落じゃないわたしは諦めちゃいそう。

 

 でも!
 一応、自分で夜会巻きを研究しました!
 シャツも大好きなPaul Smithでゲットしました!
 ちょっとだけ、ウキウキしてます。



 あれ?
 なんだか気分は卒業式じゃなく、
 ファッションショーになってる??

 すみません。
 こんなわたしですが、明日、4年間の学び舎を旅立ちます!


 鳩が集まっている。
 それは川沿いの公園でよく見かける、いつもの光景。
 
 散歩がてら近所のスーパーまで買い物に行く途中だったあたしは、橋の上から何気なくそれを眺める。



 この辺で一番大きいとされる川の、すぐ側には公園が広がっていて。
 そこでは梅の花が咲き並んでいたり、野良猫が昼寝をしていたり、お母さんと子供が楽しそうに遊んでいたりする。
 そういった光景は川の流れに沿って、ずっと向こうの方まで続いている。 
 特に、暖かくなってきたこの頃は、こうしていろんな人やものが太陽の下で活発に動き出す。

 だけど、動きが目立つようになるのは、そうしたプラスのイメージのものばかりじゃなくて。

 鳩の群れの中心にいるのは、ひとりのおじさん。
 薄汚れた格好をしているから、一目見てホームレスだとわかった。
 遠目なのではっきりとはわからないけれど、パン屑か何かを鳩たちにやっているみたいだ。
 なけなしの食料を、鳥に食べさせても大丈夫なんだろうか。
 それとも、彼らのことを友達のように思っているから、こうして食べ物を分け与えているのだろうか。

 おじさんに対するいろんな推察が、頭の中を駆け巡る。



 橋の下での生活は、一体どんなものなんだろう。
 最近よくホームレス問題をニュースで聞くけれど、この人たちの生活が実際、どんなものであるのか、あたしは知らない。
 偏見。差別。貧困。失業。不十分な社会福祉。
 そんな辛い面ばかり、思い浮かぶ。
 かと言って、あたしに何かできるかと言えば疑問だし・・・。

 誰もが和気あいあいと過ごしている公園の中で、どうしても人々は、あのおじさんのような人を特別視する。
 じっと見ちゃいけませんよ、って。母親は子供に、そう教える。
 
 だけど当のおじさんは、そんな周囲の視線などまったく気にすることなく、ただ、鳩と向き合っているだけ。



 そろそろ行かなくちゃ。
 そう思って足を踏み出そうとした瞬間、それまで地面に落ちたエサをつついていた鳩たちが、いきなりぶわあっと飛び出した。
 おじさんを原点に扇型を描きながら、鳩たちは一羽も残ることなく、あたしに向かって飛んでくる。
 その勢いに圧倒されて、あたしは息を呑む。
 放射状に空へ羽ばたいた鳩たちは、ちょうどあたしの上空を通り過ぎていく。
 そこだけ空は、鳩の色。

 呆然と、あたしはその様子を眺めていた。
 ・・・まるで手品みたい。
 


 さっき鳩たちがエサを食べていた場所に、目を移すと。
 おじさんは、いつの間にかいなくなっていた。
 本当に、種も仕掛けもない手品を見せられた気分。

 「やられたぁ・・・」
 わけもなく、あたしはそう呟く。
 


 そういや鳩は、平和の象徴だったっけ。


 無造作に脱ぎ捨てられたジーパンは



 中身のスカスカな人型をしてる



 そんなに急ぎ足でどこ行くの?



 問いかけてみたところで返事はない


 
 ああそうか



 持ち主を追いかけようとしているのね



 だったらわたしも



 いっしょに追いかけてもいい?