昔、昔

子供達がまだ小さかった頃

ある人から言われた事がある

あなたはまるで観音様みたいね…と


それは良い意味だったのか

単なる皮肉だったのかわからない


夫が不倫しているなどとは

夢にも思っていなかった頃

自分の幸せを疑いもしなかった頃のこと



そして現在

占いのサロンで私の師匠に言われた

あなたを守ってくれているのは観音様よ、と。


だけど…

私は観音様とは程遠く

神や仏が守ってくれているとも思えない


何年経とうが

どんな神仏であろうが

私の祈りは通じていない


夫はやはり変わらない

私が善意でした事も平気で無碍にする


たとえば今日

夕飯どき


いつも通り私一人がバタバタ

夫の晩酌からの…

サラダにスープ

冷たいものは冷たく温かい目でものは温かくと

夫と娘にステーキを焼き、付け合わせを

盛り付け

それらを二人に食べさせる


次に時間差で次男(次男は気を利かせ、自分は後で良いと言ってくれた)

彼の分に取り掛かった時

食事をいち早く終えた夫が

キッチンにやって来て

冷凍室を開けアイスを物色しだした


今日はたまたま私が

暇に任せてデザートを作っていた日でもあり…

「あっ…

ごめん。デザート用意してた。

(ケーキとフルーツを盛り合わせたプレート)

今すぐ出すね」と言った私に

夫は思いきり舌打ち

(だったらもっとタイミングよく出せよ!って事だと思う)

おまけに冷凍室のドアを

バチンびっくりマークびっくりマーク


いや、足で閉めた?って位の行儀の悪さ


いやいや…

いつものアイスで良いなら

ご自由にどうぞ…なんだけど、と思い

「アイスの方が良ければどうぞ」と

言った私


「いや…いい。そっち、食うわ」

と返してきた夫


本当、おまえ何様だよ…と

私にも限界ありますけど…

そう思いつつも堪える


そんな

自分が嫌になる


何でだよ私…と思う

もうこんなヤツ捨てちまえ

潮時だろ…と


本当、馬鹿


だからナメられるのだとわかってる





こちらは、水晶の観音様とお地蔵さん

リビングの一角に祀っています下差し



家族皆をいつも見守ってくださっています

神棚、仏壇の他に

こちらにも毎日お水をお供え


ですが…


本当にごめんなさいお願い

私は観音様には見合いません


私は善悪

その示しもつけられない単なる馬鹿者です


結婚以来

義母の罪も義父の罪も

全て水に流し

恨みもせずに義実家に尽くし

自分は二の次にして子供達を育て上げ

ここまでやってきたのに…

(これは本当にね…私の人生そこだけは誇れる)


なのに

最後の仕打ちはこれ

人生最後のステージでこれ


虎視眈々とこの時を

ずっと日陰から狙い

夫に擦り寄ってきた

あんな寄生虫女に夫を寝取られ


最期はシングルになるのだと



病気になっても

あの女は最期まで何の心配もなく

ふんだんにお金を遣ってもらい

夫に看取られながら人生の幕を閉じ


一方私ははてなマーク


私は子供達には看取られるかもしれないけれど

伴侶はいない

お金も搾取され

カッパとは雲泥の差

そして、どこかで死んで行く絶望十字架


私の人生

本当、虚しい


確かに子供はいる

いるけれど、何人の人が

それだけで幸せだと心底思うんだろう

私の何がいけなかったのだろう

もし、私が悪くなかったのなら

これは何の罰なのだろう


どんなに頑張っても

結局は報われなかった


それはやはり哀しい



本当、アイス一つでそこまで考えて

泣きたくなった



馬鹿らしいかな

私、変かな




うん…




確かに変だし



馬鹿らしい





でも、今日はそんな日







ただ、それだけ