長男の婚約者との食事会は

無事に終わりました


いつもと変わりなく午前10時に帰宅して来た夫

これまたいつも通りに家中の掃除を済ませると

何か支度を手伝う事もなく、TVを観ていました


約束時間丁度にピンポン音譜

チャイムの音を無視する夫

「今手が離せない。出迎えてやって」

と私に言われ、渋々玄関まで


彼女から手土産を渡されて

初めて少しだけ笑顔を見せた夫

後は徹頭徹尾、強張った表情のまま無言

結局、ただそこに居ただけでした

話にもほぼ加わらない


次男がずっと場を盛り上げてくれました

彼女も場の雰囲気を察して

私や次男の振る話に乗ってくれて

和やかに食事は進みました


昔のままの夫なら

フレンドリーに接し

彼女に気遣い、緊張を和らげる為に

笑いもとってくれたでしょう

それが…


お酒も乾杯のシャンパンを形だけ

(グラスに注ぐ私に「ほんの少しだけ。

そんなには要らない」と、顔をしかめ

その後は一切口にせず…

そのくせお開きの後の夕食の時には

いつも通り一人晩酌をしていました)


食事会も一通り食べ終わると

会話には加わらず、二階の寝室に

一人だけ籠ってしまったり

娘を近くの公園に連れて出て行ったり


結局、そうする事しか出来ないのでしょうね

私とその時だけ家族ごっこをするのも憚れる

かと言って、長男の顔を潰す訳にもいかないので出席する

単なる帳尻合わせ

宙ぶらりんの夫には

それしかできないのでしょう


不倫をしながら、家では開き直ってきた夫

子の父ではあるが、夫ではない

もはや紙切れ一枚と言い切った成れの果て

結局、不自然な家族の形

無理を通すという事は

こういう事です


誰も幸せにはなりません

勿論、私は幸せではありません

でも、夫も決して幸せとは言えないだろうと思います

結局、家族の誰もが

心から血を流し続けている今の状態

無傷なのは何も持たない不倫女だけ

(自分が一番辛いと勘違いしているかも、だけど)


だったら離婚すれば良いのに…

不倫している人達はそう言うでしょうか


他人の家庭に土足で入ってきて

家族の幸せを根こそぎ奪う略奪(泥棒)行為

挙句の果てには

「嫌なら離婚すれば良い」

どの口が言うのでしょうか



20年以上も不倫を継続しながら

三人の子供達の晴れの日に(入学式、卒業式)

一度も欠席をした事のなかった夫

どの写真にも晴れやかな顔で

写真に収まっていた夫


いずれもバレていなかったから

できた事です


バレさえしなければ

恐らくこれまで通りに

この良き日にも

夫は笑顔で写真に収まっていた事でしょう


全ては

辻褄が合わなくなってしまった

だから開き直るしかないのです


自分を正当化する為には

不自然を自然にしなくてはなりません

離婚してリセットするのが一番簡単

自分を早く「悪者」のポジションから解放したいのです

目を背けているだけで

本当は自分の行ってきた行為が

下劣な事も罪深い事もわかっているのです


全てを妻が離婚してくれないから…

に落とし込み、私を憎むことで

自分を保っているのでしょう

すべてを中途半端に続けていく


約束だからじゃなく

それがまだ一番楽だから



婚外恋愛?

楽しいのは最初だけ

夫には恐らく

居場所はもうどこにもないのです


家庭にも

別宅にも

女のところにも


どこに居ても

満ち足りない


どこに居ても

安らげない



ぽっかり空いた穴は

結局どこに行っても完全には塞がりません


女は、

夫は自分といればずっと幸せだ…と

心底言えるでしょうか

そう思っているでしょうか



長男の良き日に

私はそんな事を考えていました