すごく久しぶりに

夫の夢を見た



「寒い…寒い…」と言って

私の寝ている布団の横に来ると

所在なげに座りこみ

尚も「寒い」を繰り返す


私がスペースを空けてあげると

夫はそこに収まり

「あー、やっぱり暖かい」と言った


ただそれだけ…


特にその後何かあった訳でもなく

夫はただおとなしく私の横にいただけ

本当に寒くて

ただ、温まりたかったのかもしれない



夢の中でも私の認識は

現実と一緒だった


不倫が分かった直後は

まだ現実が追いついていかず

夢の中の夫は優しいままで

目覚めてから私はしょっちゅう泣いていた


そんな事を繰り返し

夢さえも現実とは変わらなくなり

そして、今では

夫の夢をみる事などなくなっていた



それなのに

また、突然に…



夢の中で

私はクスクスと笑っていた

「馬鹿ね」と言った気がする


何故か

夫も困ったような顔で笑った


「結局、こうなっちゃうんだよな」

「参ったな…」と夫は繰り返した


夫の体は冷えておらず

そこから暖かさが広がっていった



何故か亡くなった義父が

階段を上がってくる気配がした

夫を呼んでいる

一緒にゴルフに行くらしい

周りを見ると

そこは、今はもう取り壊されて

今では跡形もなくなった私の実家


変な夢

だけど…

リアルな夢だった


目覚めると

夫は既に起きているようだった


ゴルフに出かけて行く気配



もちろん義父ではなく



タヌキ一派との接待ゴルフ



どうせタヌキの事だから

また性懲りもなく

飲み屋の女の子達に声をかけ

同伴させているかもしれない


ガチャリ…



ドアに鍵をかける音がして



夫が出て行った