あの時も

そしてまた、あの時も

夫には

あの女がいたんだ


やはりそう思う

私達の歴史の半分以上


あの女は居た事になる


愛してる…と口にしなくなったのは

いつからだっただろう


突然、帰って来て

強く抱きしめられて

「ごめん!俺はもっとお前を大切にする。

本当になんて俺は馬鹿なんだ!」と

訳のわからない激情に

飲み込まれた事もあった


車を買い替えても

助手席側でで揺れ続けたマスコット


沢山のお守り


気づく機会はきっとあった


信用し過ぎていた


あの日も

あの時も


ずっとあの女が居た



やはり、前に夫が言っていた

お前には出来ないよ

忘れる事なんかできないし

許せる訳がない


お互い不幸になるだけ…

知られた以上はもう無理なんだ




そうだね

知れば知ったで苦しむ


偽りの結婚生活だった

砂上の城だった



私は…

もう一生戻れない場所を


探して死ぬまで彷徨い続けるのかな




https://youtu.be/iIIkPUj_wXs