あの日、夫は言いました。


「そうだな、その通りだな」


カッとしたものの、自分がしでかした事の重大性を考えれば、自分が今ここで怒る立場にない事をわかっています。


あらためて私は言いました。


「女には慰謝料請求かけます。

場合によっては、ご実家、勤務先その他にこの件すべて話します。

次にあなた。

あなたの会社にも、関係先にもこの件は報告します。

社会的地位、信用を落とす事になるけど、構わないわね。あなた達がやっている事はそれくらい下衆な事なのだから」


夫は私の言葉の一つ一つに黙って頷いていました。

「良いよ、それで…仕方ない」


ただ、私はそうは言ったもののそこまでするつもりはありません。


女への慰謝料請求までに留めておきます。


彼等にも人権はあり、どこかに逃げ場は作っておくべきだろうな、と感じるからです。


それは夫にも女にも。


どうか、この先正しい選択をしてほしい。

甘いかもしれませんが…


たぶん、夫もそれをわかっているのかもしれませんね。私がそこまでやるはずがないと…