夫が告げました。
もう家には帰らない。
浮気がバレた以上、もう一緒にいる事はできない。
随分と自分勝手な言い分です。
これを聞いた息子達もこの身勝手な主張には驚いた様子でした。
コロナ対策と称して家を出て、
俺が帰るまでの間、姉の面倒と母のフォローを頼む…そう言っていた父。それを信じて、特に次男は頑張って、家庭不在の父の代わりを務めていました。パニックを起こし、手当たり次第に引っ掻き噛みつき暴れまわる姉を抑え、傷だらけになりながらも、ただただ母の盾になってくれました。
「自分の娘に傷だらけにされたら、母ちゃんの心は傷の痛みよりよっぽど痛いよ。俺は鍛えてるし、大丈夫」
今年の1月に家を出て独立した長男も信じられない…という面持ちで、父の主張を聞いていました。
4月になれば、次男も社会に出る。大学生と違い責任も伴う。いつまでも姉の世話を手伝わせる訳にはいかない。だから、4月にコロナがどのような状況であっても俺は家に帰るから。安心してお前は家を出ろ。そう長男に話していた夫でした。
それを信じて、長男は全てを次男に託し、通勤に便利な現在の住まいに1人引っ越したのです。
それをこんなにも簡単に約束を反故にしてしまうとは…
突然の父の言葉に、2人とも愕然としていました。