Cocktail September Morn
シーズンごとにカクテルを選ぶのが私のカクテルの楽しみ方。
今月は9月のカクテル。長年9月になると毎年いただくカクテル”September Morn”。
9月の朝。ラムベースに卵白。非常に滑らかで淡いピンク色が美しいクラッシック·カクテルです。
ホワイト·ラム、フレッシュ·ライム、グレナデン·シロップ、卵白、そしてハード·シェイク。
このカクテルは、1912年フランスの画家、Paul Émile Chabasの名画九月の朝(September Morn)に由来。
この絵画は、「9月の冷え込む朝、うっすらとした霧が立ち込める湖に、一糸纏わぬうら若き女性が寒そうに佇んでいる」様子を描いた私の大好きな美しい絵画。
1913年この絵の複製画がアメリカ·シカゴの美術商の窓に飾られていた際、そのあまりの美しさの裸体表現が「不道徳だ」として当時の検閲官や市長などの目に留まり裁判沙汰の大スキャンダルと発展してしまいました。
結果として、この騒動が絵画の知名度を爆発的に高め、社会現象となりました。
この流行に乗る形でニューヨークなどのバーテンダーが「冷たい湖の朝(ライムの酸味)と、うっとりするような白い肌(卵白の泡)、そして仄かに色づくピンクの頬(グレナデン)」を表現して作ったのがこのカクテルです。
1916年から1917年のアメリカのカクテル·ブックにはすでにその名が記録されてます。
Raymond Chandlerの有名なハードボイルド小説「The Long Goodbye(長いお別れ)」の中でも絶世の美女の裸体を比喩する表現として、この「September Morn」という言葉が登場します。
私はこの絵画の女性がどこか遠くを見つめて物憂げに佇んでいるセンチメンタルな雰囲気の美しい絵画を頭に想い描きながら、このカクテルをいただく………。
そして心の中で聴こえてくるBGMは、
Earth, Wind & Fire “September”。
今年の9月は何杯この美しいカクテルをいただけるのかしら………。
今宵のカクテル”September Morn”は、こうもと杉浦社長が作ってくださいました。






