うちにマイケルオワーみたいな選手が居る。

オワーは、映画・ブラインドサイドの

主人公になったNFL選手だ。





初試合の前日ラインみんなで集まって、

カーボディナーをやろうって言った時、

彼女だけなぜか連絡取れず・・・




「どうしたんだろ、彼女」




「冬眠しちゃったのかな」




大爆笑!




だけどそんな感じの選手なのだ。


シーズン前のお試しで、

私がタックル、彼女がガードだった時は、

1プレー、1プレー

「私どうだった?」って聞いてくる。



こっちだってプレーしてるんだから

そう毎回は見てはいられない。

適当に返事してると

「ほんとうに見てた?」と聞かれる。


今は、私がセンター、モーがガード、

彼女タックルなので、

モーが全て面倒をみている。



えらいな、モー!




で、初練習試合前の練習で、

彼女が私のところに寄って来た。

「ベティ、土曜日の試合、準備はOK?」

などなど、私の心配をしてくれるのだ!




そして試合の後も

「ベティ、怪我してない?大丈夫??」

とめちゃ優しい。




それってフットボール歴20年の私が

新人のあなたに言ってあげる言葉じゃん?





もう一人、今年から始めた選手は

ぷよっと太ってて、色白で、

かわいらしいのだけど、

毎回フルメイクでやってくる。




なかなかポジションも取れないけど

練習も休まず、走りこみにもついてくる。




試合前半はスターター選手が出場した。

そして毎年怒られる

ラインバッカーの選手が、

今年もまた怒鳴られまくっている。




めちゃアスリートなんだけど、

なぜそこまで?っていうくらい

プレーが覚えられない。



じゃあ、外すかと言いたいところだけど、

フィールド上で、プレーを教えさえすれば

大活躍なのだ。




でも、モーションが入って来たりすると

どうしても、彼女は対応できなくなる。



なので、いつもいつも

コーチに怒鳴られているのだ。




それを聞いた「ぷよっとちゃん」

オフェンスコーディネーターに

つかつかと歩み寄り、

「彼女、出来てないようなので、

私が換わりに出ます!」

普通そんなこと言ったら

怒鳴るようなコーチだが、思わず失笑!



「今はディフェンスだから、

ディフェンスのコーチのそばについて

出場チャンスを狙いなさい。」



とアドバイス。



オフェンスラインで試合に出られないのに

よくもまあラインバッカーに手を挙げました!




そう、アメリカは子供の頃から

平等に育てられているので、

こういう人が生まれるのだ。




スターター選手の出場機会が終わって、

バックアップの選手を出して、

ヘッドコーチに「これで全員出たかなあ」

と確認する。




あ、いかん、一人、

ディフェンスラインの選手が出てない!




ディフェンスコーディネーターに

確認にいくと

「しまった!でも今、みんな

選手交代したばかりなんだよね」

というので、いたしかたない、

オフェンスラインで出すことにする。




もちろんプレーはわからないので、

「ハドル(プレー前のフィールド上での作戦会議)の中で、私が教えるから」

と言ったけど、あまり気にしてないようで

妙に張り切ってる。




そして最初のプレー、

ハドルの前に私に聞いてきた。

「ね、私、どうすれば良いの?」

いやいや、まだプレー決まってないから。

「ハドルの後でね」




そしてハドルが解けた瞬間、

彼女、私ではなく、

一番近くに居たレシーバーに

「私、どうすれば良いの?」



えええええ、彼女、あんなほっそいし、

どう見ても違う仕事する人でしょうが!!



スカウティングオフェンスには

入ったことあるはずなのに~




だけど入ってみると意外とやるぅ!のである。