さて、今回は欧米において起きている銀行の破綻騒動についてです。
金融機関が破綻するとはどう言うことで、何が悪いのかを理解していますか?金融機関は非常に重要な役割を果たしていますが、その内実をそれなりに知っていれば、今起きていることの状況の危うさを理解できます。
今回はまず基礎的な話から。銀行などの金融機関は、大抵の場合国の承認が必要で、その資格なしに運営することは許されていません。というのも、銀行が潰れると言うことはその銀行に預金がある人、組織が自身のお金を引き出せなくなることを意味するからです。勿論現在は、銀行が破綻きた時に預金を守る法律が整備されていますが、必ずしも全額が返ってくるわけではありません。
銀行は預金者のお金を組織や企業に貸し出し、その利息で儲けています(他にもやっていることはありますが今は主にこれが仕事だと思ってください)。この貸出ができるのも、預金者が預金してくれるからであり、預金者ありきの仕事といっても間違いないでしょう。銀行は預金されている以上のお金を企業などとの取引で扱うことはできますが、自身が本当に持っているお金以上を無限に貸し出せるわけではなく、取引は日銀に預けている「日銀当座預金」と言われるものへの預金の量によります。すなわち、一定の率の金額を日銀に預けなければならないので、貸し出し量にも縛りがあるわけです。
さて、とはいえ銀行は日々かなりの金額の取引をしています。端的にいえば、お金が余っている人が預けたお金を、他の誰かに貸しています。
ここで、銀行への不信感が募り、多くの人が預貯金が引き出してしまうケースを想像してみて下さい。銀行にほとんどお金がなくなり、取引ができなくなります。取引できなくなると誰が困るのか?まず、企業がお金を借りることができなくなり、事業がはかどりません。さらに、引き出し損ねた人は、銀行の倒産と同時に資産を失います。国の補償があっても、全額は戻っては来ない場合も多いです。
厄介なのは、一つの銀行が潰れると、類似したタイプの銀行をはじめとして、銀行というもの自体に不安が生まれることです。A銀行が破綻して、一方ほとんど関係のないB銀行にも不信感が抱かれ、金融機関という産業全体からお金が引き上げられると、これは世に言う金融危機です。
今起きているのは、金融機関の倒産から始まり、人々が自身の資産を守るために大量のお金が引き出され、金融機関がやっていけなくなると言う状況です。厳密にいえば、株や債券価格の急落などが2次的に起こったりするのですが(あるいは、その急落が逆に金融危機の原因になる)、なんにせよ、金融システム自体への不信感がこのような事態を引き起こします。
金融自体、とても便利で必要なシステムですが、このようなリスクがあることも頭に入れなければなりませんね。
なので、投資にも事前に準備をして参加した方が望ましいですね。投資も金融システムの一部ですから。個人的には、投資で儲けるという発想よりも、投資により資産を分散させて自分資産を守るという発想の方が安全だと思います。
それでは、読んでいただきありがとうございました!
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