乙好き女性vs店主 | 熱血店主のスクラムな毎日

熱血店主のスクラムな毎日

1981年池袋東口創業のBETTAKOは、2018年JR埼京線板橋駅徒歩2分ほどで
古家を改築再び頑張らせてもらう事になりました。

満席の店内。
お袋に援護電話を求め駆けつけてくれた。

カウンターには1つだけ空席が生まれた夜。
運良く暖簾をくぐり、越しに腰を下ろしたのは…。
容姿端麗な女性客。
「いらっしゃいませぇー」とお袋の通った声。

女性客が暖簾をくぐって腰を下ろすのは、
別に珍しいことではない。
酒の肴を2品に、小鹿の本にごりを
湯割りで合わせた。

「ん?」

女性客が焼酎のお湯割りを頼むのは、
これまた珍しいことではない。

次から次へと注文票が届き、落ち着いたのは、
9時を回る頃だろうか。
自家製の日干しの焼き目を見ながら、
いい塩梅の焼き目の頃合いの仕事をする。

「すみません。マスター」
突然話しかけられる(^^;)

「はい!何でしょう。」

「先日、マスターのブログを見ました。」

「あっ…ありがとうございます。で何の記事?」

三杯嗜んだ湯割り、酔い心地のせいだろうか、
結構ハキハキと話す女性客の印象だった。

「伊勢吉どんの記事です。」

「あーーあっ、参考にしないでください。
自考察で勝手に書いてますから。」

「あのー。質問なんですけど、あの数式は
何を書かれてるんですか?」

「焼酎お好きなんですか?」

「大好きです。」

「焼酎を好いて貰って、銘柄達も嬉しく
思ってますよ。で…あの数式は、個人で
弾き出してる数式なもので、答えは自分の
頭の中にあるんですよ。」

「どうしてあんなに細かくかけるのかな…と
思って、酔ったついでに聞いてしまいました。」

「いえいえ。ありがとうございます。」

「普段の自分は、一切焼酎もお酒も
口にしませんで、ふと気になった銘柄を
利き酒し、その銘柄の分岐変化を
研究してるんです。焼酎の場合、ストレートで
飲んだからといって、100%リンクしませんから」

「100%リンクですか?」

「えー。生で嗜み、ふくよかな甘みが
例え口の中で広がっても、嗜む時間と空間で、
180度味は変化します。だから、個人的に
考察研究してるんです。」

「へー面白いですね」

「えー。それが焼酎本来の魅力です。
蔵元が丹精込めて作っても、時間と空間で、
吉と出るものもあれば、凶と出るものもあります。」

「焼酎お詳しいんですね」

「いえいえ。単なるカテゴリー違いのヲタです」

そんな会話、日干しに丁度いい塩梅の
焼き色がついてくれた。

たぶん…。たぶんだが…。
喋りかけられた女性客は、その玄人な嗜み方と、
論点突く会話の端々は、何処で焼酎を担当する
売り子さんなのだろう。

しかし焼酎の考察は得意だが、女性の考察は、
むずかしいね…俺もまだまだだなぁ。