先週の事ですが大阪の買い取り業者から営業の電話がかかってきました。

空家の中を見て買い取れる服、食器、家電製品などを査定して納得したら売って下さいと・・・

幸い敷地内の築120年の空家は押し買いとかされるような高級な物はないの雨漏りが酷く解体工事を考えているので昨日の査定を申し込んでおりました。

午前10時に女性の査定担当者が訪問してきて査定が始まりましたが食器も服もメーカーが解る物でないと殆ど駄目との事で期待外れで買い取り不能でした。

しかし、確実に買い取れる物の1つがミシン・・・

おふくろが独身時代から使っていると言っているので多分70年ぐらい前のミシンである。

当然、説明書も無いので自分は使えないし、かなり大きいミシンだ。

しかし、ミシンに関しては海外で売れるのでどんなに古くても買い取りますとの事だった。

家屋解体する時には粗大ゴミとして捨てなければいけない物だが、おふくろが生前、使っていたミシンなどで当然、思い出はある。

体操服の名札、野球のユニフォームの背番号、ズボンの裾上げと、このミシンでおふくろが自分を育ててくれた。

一瞬、やっぱりミシンだけは売るの止めますと喉まで出かけた。

しかし、止めた。

以前、家屋解体の営業をしていたから自分は解る。

家族の思い出の品は他人から見れば、ただのゴミ・・・

自分が契約を取ってきた家屋の解体前にダンプで搬出される残存物を見送ってきた。

1つ1つが家族の思い出の品なんだろうけど業者から見れば1車いくらのゴミなんです。

そんな事を思いながら全ての買い取り価格は合計で1200円・・・

ゴミとして捨てる物に対してだから依存は無かった。

そして、買い取った物の車への搬入が終わり査定員が挨拶をして帰ろうとした時に気づいた。

ミシン忘れてる・・・

大阪の業者だけに取りに来る事は無いだろうという葛藤が胸の中で過ぎった。

しかし、微々たる金額としてもお金を貰った以上は、それは卑怯だろうし悪銭身につかずだ。

査定員の方に「ミシン忘れてるよ」と呼び止めて持って帰ってもらった。

その後に一人になると物凄い罪悪感に襲われる。

部屋の片隅にでも置いておけば良かった・・・

でも、家族の思い出のミシンでも何時か誰かにゴミとして処分される。

これで、良かったんだと思いながら昨夜は少しほろ苦い酒を飲みました。

人生において断捨離は大事。

あのミシンも遠い外国で、その家族の思い出の品となってくれるのでしょう♪

これから家屋解体をするまで時間をかけて色んな物を整理して捨てていきます。