新版『鬼平』にややガッカリ | きるろいの快刀乱麻

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主に近世日本と落語ネタを綴っていくことを目標にして開設。最近は食いもん系が多いです。2024年はちょっと慎重に動きます(`_´)ゞ

この正月にBS「時代劇専門チャンネル」で放映された当代松本幸四郎主演の2024年版『鬼平犯科帳』

それがこの間のGWに嬉しいことに地上波フジテレビで再放送された。もともと吉右衛門版を長く放送していたこの局の唯一私が評価出来る点です 苦笑


『本所・桜屋敷』は原作で私が最も好きな話のひとつ。全体としてはまずまず。

重箱の隅をつつくと、平蔵の若かりし頃、鐵次郎と呼ばれていた(当代染五郎)時代の殺陣

まだ斬りかかっていないのに反転、タイミングがズレていた。斬りかかり忘れたか。


平蔵の妻久栄の言葉「本所は私も生まれ育ったところ」

子役上がりでベテランの割にはアニメ声のような高い声、「本所」は平板のアクセントのはずだが京言葉のようで、ホンジョ。まったくのミスキャスト


岸井左馬助がハマっていました。お房には平蔵も淡い恋心を抱いていたはずだが、左馬助の方が強い思い、今も独身はそれを裏付けるかのよう。


お房役はもっと中年太りでもいいと思うが、毒吐く所に色気もあるこの人は適役でしょう。個人的には好きな女優さんだが、時代劇のイメージはあまりない。しかし今ではこの役を原作のイメージ通り出来るような女優はいないんじゃないかしら。なので及第点(←えらそ〜に^ ^;)


相模の彦中も味は出ていましたが、原作のイメージとは違和感がありました。


中村吉右衛門版が好きだったので「前のイメージを壊して欲しくない」と言う気持ちは正直ありました。ただ、似せる必要は無いとも思っていました。原作を読んでいる者の立場から言わせれば、やっぱり池波正太郎先生の描いた江戸の雰囲気を大切にしてほしい。


監督は山下智彦氏。中井貴一主演のNHKドラマ『雲霧仁左衛門』を手掛けた人なので期待したが。

気になるのは、いろいろとチャンネルや番組のHPを確認した限りでは殺陣、時代考証、江戸言葉指導等のスタッフの記述が見当たらないのです。まさか、いないとか? 苦笑


【鬼平関連 過去ログ】