損害保険会社は保険金算定基準としての
『指数』(指数×対応単価)
自動車事故修理業は修理代算定基準は
『工数』(工数×レバーレート)
*『指数』 =『工数』ではない

指数とは
(アジャスターマニュアル乗用車編参照)

指数の定義
指数とは
「事故車の修理に関し、
一定の作業方法と範囲における
標準的な復元修理の作業時間」を
基にしたものを
数値化して表したものであり

指数(1.0)=標準作業時間(1.0)考える事ができる
       *すなわち=ではないということ

指数の基本的な考え方
指数作成においては『基表』がベースとなってる。
その基表はボルト・ナット溶接などの
車両の各接合要素最小単位ごとの
脱着を前提とした標準作業時間(これを基表値とする)を求めておき
新車が出てもその都度の作業時間を観測することなく
合理性のある作業時間が求められる

   *新車など新しい車尾実測はしてないということ
また、塗装や外板板金では修正の必要な単位面積
基準とした基表が設定されてる。
  *単面積のみなので車の車格などによる
  グレードの価値に対するリスクなどは考慮されてないということ

 基表方式による指数の作成方法
(脱着・取替指数)
要は新型車のボルトなどの数を数え
「基表」と呼ばれるものにその本数を掛け合わせ、
さらに必要な作業要素(合わせ作業など)の基表値を加算する。

こうして求められた数値が標準正味作業時間にあたり、
これに余裕率30%を付加し
標準準備作業時間その他要素を加算しして指数は作成される。
  参考:余裕率30%はワークサンプリングか
  実施結果から得た数字である
 *以上アジャスターマニュアル参照

この稿に記載されてる
標準作業時間(1.0)指数(1.0)ということで有ります
*この時点で標準作業時間1時間は指数1.0ということに転換されており
読む者は指数1.0は作業時間1.0と思い込まされます
この指数1.0は、いわゆる正味作業時間1時間と勘違いしてしまいます
標準作業時間(指数1.0)は標準正味作業時間+標準準備作業時間+その他要素

この標準時間の考え方は
工数を求めるに当たっても
使用する考え方で有ります
工数の標準作業時間は下記の方法で標準作業時間工数を決めます
したがいまして
正味作業に1時間かかる作業は
正味作業時間(60分)+準備作業時間(18分)
+その他要素(任意に6分)となり、

これを工数とするなら84分となり、
これを工数として変換すれば
工数は時間ですので1.4工数
となります。

もし指数1.0を工数1.0として捉えるなら指数1.0の正味作業は
43分の作業時間(標準正味作業時間)となります

現在指数を修理基準の時間と捉え
なお正味作業時間と捉えているなら
その作業は43分以内に終了させねば成りません
それも作業経験の浅い標準作業者レベルでです

この様に指数方式では指数1.0の作業は
正味作業で43分以内に
出来なければならないことになります
ベテランでも出来ない作業工数と成ってる事は否めません

 

工数とは

工数=工賃を求めるために工場レバーレートと共に用いる
     1時間あたりの標準作業時間である。

工賃工数×個々の工場レバーレート

対応単価とレバーレート

対応単価とは指数と共に用いる支払保険金算定のために
損害保険会社が独自に決めた
修理費算定基準です


現実の料金(修理代)が
自動車事故修理市場のなかで
同じような事故の修理において
修理工場により価格に差が生じないように
また不当に修理代が高騰しないように
修理品質は余り考慮せずに
決めた保険会社都合の修理代予測。

指数×対応単価=損害保険支払基準のための修理費予測

またこの対応単価を据え置くことで
支払保険金を抑制できる


物価上昇率や技術者給与アップを無視した
自社基準の自動車事故修理業界への押し付けが
最近特に顕著になってきており

社会的責任を履行する
優良企業が適正価格で修理できない状況に有ります
 
そのため公平な市場競争が出来ないという現状となってます。

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