my foolish days... -2ページ目

少しだけ、雪

snow

日曜日の明け方に、初雪が降りました。

朝起きて、家の前から撮影。


誰の小説だったか、忘れたけど(海外の古典だったと思う)、こんなエピソードがあった。


あるパーティーで、その男は、ある女性と出会う。

殆ど、決定的な出会いで、お互いに運命を感じずにはいられない。

現代の話ではないので、すぐに寝たりはしないけど、

当然、二人の未来が頭をよぎる。

女性(たしか未亡人だったような気がする)は、こう尋ねる。

<いつ、またあなたにお目にかかることができるでしょか?>と。

(かなり上流階級の話だったような気がする。)

それに対して、男はこう答える。

<あなたに僕は恋をしている。あなたのような女性には、人生の中で、そう多くは会えないでしょう。

でも、もう僕はあなたには会わないでおこうと、思う。なぜなら、

あらゆる絆は、悲しみへとつながる絆なのです、、、>



金曜の夜。ハロウィン前夜。(本当の前夜ではないけど。)

今週末はハロウィンだけど、仮装パーティーとか、全然テンションがついていけないから、ちょっと苦手なイベントだなあ、、、ただ、ハロウィンって、もともとの起源は、ケルト民族の儀式で、その日に蘇る悪霊に取りつかれない為に仮装して身を守るっていうことらしいけど。でも、仮装は興味ないけど、ヴェネチアの仮面 は何故か昔から惹かれるんだな、、、危険で、エロい感じがいい。キューブリックの遺作で、トムクルーズが紛れ込んだ仮面パーティーとか、いい雰囲気だったなあ。でも家にこんなのがあったら、ちょっと気味が悪いかな?

夜。

office office2

先日、オフィスで席替えがあって、ここに移ってきました。

こっちのほうが夜景がきれい。


ニューヨークは一週間以上、ずっと雨です。



アカルイミライ

坂本龍一の指摘によって知ったのだけど、前大統領クリントンによるこんな指摘 がある。

英語だけど、全文を読んで欲しいけど、一部を抜粋すると、、、、


"What Americans need to understand is that ... every single day of the year, our government goes into the market and borrows money from other countries (Japan, China, the United Kingdom, Saudi Arabia, and Korea) to finance Iraq, Afghanistan, Katrina, and our tax cuts,"

イラク戦争にしろ、アフガニスタン侵略にしろ、ハリケーンの救済にしろ、税金カットにしろ、それらを可能にしているのは、日本を初めとした、他の諸国からの援助による。


"...tax cuts that benefited just the richest one percent of the US population"

例えば、そういった税金カットにより恵みを受けるのは、富裕層トップ1%のみ。


つまり、坂本龍一の言葉を借りれば、「日本人が働いて貯めたお金が郵貯・簡保へ行き、アメリカ国債に姿を変え、その金でアメリカはイラクやアフガニスタンで戦争ができる。」


日本人一人一人が戦争に加担しているということを自覚したうえで、アカルイミライについて考える他ない。

グリム兄弟。

週末はテリーウイリアムズ(そう、あの12モンキーズの!)のグリム兄弟を見に行ってきた。

マットデーモン主演。


いろいろなグリム童話が散りばめられつつも、テリーウイリアムズ的な謎かけと、グロいシーンの連続で、

今回も12という数字がキーになっていた。


あとは家でビデオでインファナルアフェアⅠとⅡ

警察に入り込むマフィア、マフィアに入り込む警察。

もう日本ではⅢも公開したみたいだねー。

こういう警察、マフィアものは、日本の若い俳優だとスカスカになっちゃうだろうけど、

香港の俳優は体が屈強だし、顔も成熟してるからハマるねえ。


青山真治「レイク サイド マーダー ケース」

青山真治の「レイク サイド マーダー ケース」をDVDで買った。


この監督のものは映画も小説も評論も大好きなので、期待して見たけど、これはとても怖いサイコホラー。

ある湖畔で受験合宿中の子供とその親達の間に起こる殺人事件を巡る物語だけど、

普通ならば、犯人がわかった後は徐々に物語は終結に向かい、見ている側は落ち着くし、ただただ犯人が意外な人物ならば、出来のいいサスペンスで、ある種の爽快感があるけど、

この話はその辺りのことも含めて後味がとても悪い。

ラストシーンの役所広司の台詞なんて、それに追い討ちをかけるよう。

誰も湖の引力から抜け出せないのだから。


このDVDにはボーナスとして、メイキングや、監督自身による全編音声解説が付いていて、

それは面白かった。「映画はもともとシュールレアリズムに近い考えかたで作られてきたから、

カットとカットのつなぎが普通に考えればとても不自然でもそれは映画のなかでは自然に見える。」

とか、「ここの喧嘩のシーンは俳優さんがフレームにはまってなかったりしてますけど、こういう

フレーム割れの撮り方って、アメリカの映画では結構最近よく使われているんですよねー。」とか

いろいろ言っていて、俺の場合そういうコメントも、ついつい建築に引きつけて考えてしまう。

Broken Flowers

ジム ジャムッシュのBroken Flowersを見に行ってきた。

(残念ながら、彼のコーヒー&シガレットはまだ見ていないけど。)


ビル マーレイは相変わらず、人を食ったような演技でいい感じ。


独身の彼のもとに、ある日怪しい手紙が届き、それは昔に関係があった女かららしく、

実は貴方の子供を19年前に産み、育て、今その子供があなたを探していると書いてある。

でも具体的にそれがどの女なのか、もしくは単なるいたずらなのかはわからない。

しかし、彼は友人の勧めもあって(ここのやりとりは、かなりの笑い所)、

花束を手に、思い当たる昔の女を一人一人尋ねていく。


それぞれの女が、アメリカの郊外に独特の寂しさを抱えつつ生きているなかを

ビル マーレイが深く介入するわけでもなく(セックスはするけど)、通り過ぎていく。


一人一人訪ねていくごとに、その寂しさとむなしさが自分に跳ね返ってきて、どんどん

足取りが重くなっていき、涙に崩れる。


そういえば、この映画はカンヌでグランプリみたいだったけど、

前回(だったけ?)グランプリを獲ったマイケルムーアの描いた911とはまた別の、

つまり、ブッシュとは全く無関係のもう一つのアメリカの現実がこの映画にはあるように思う。


アメリカって、コンテンポラリーで、現在進行形のトピックをすぐに映画として発表できる機敏さがあるよね。

それもただ社会問題に乗っかるだけじゃなくて、

しっかりと独特の現実認識を盛り込んであるところはさすが。

水村美苗「本格小説」

を昨日から読み始めた。

同じ筆者の「私小説」が凄くよかったので、

これも楽しみ。

どうやら「嵐が丘」的、恋愛小説らしい。


<娘のころの私は男の外観----男の容姿の美醜や性的魅力の有無などというものにひどく鈍感であった。女の外観は気になり、自分も美しくありたい、魅力的でありたい、とせつせつと願ったが、男というものは、それこそその精神しか見えなかった。精神というのは志の高さである。何をもって志が高いというのか自分でも判然としなかったが、遥か彼方に茫然とあるものを大きく雄々しく望む心である。>



もしも我々が夢見ていることを夢見るならば、我々は目覚めているのに近い--ノヴァーリス

なんか、最近の政局の展開は、漫画みたいだなあ、、、