大棗の効果の基礎知識 (39):PTPに関する総説⑧ | besselwegのブログ

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 本日は図
Cの勉強をしてゆきましょう。
この反応はTCR T cell receptor)の反応系です。
図の一番上にMHC2 (major histocompatibility complex class 2、抗原提示細胞上に表現されています)TCRと結合しT細胞内へのシグナル伝達が起こります。
 CD3分子はTCRのすぐ横に存在し、TCR-CD3-CD4複合体を形成し、TCRα鎖とβ鎖の周囲に CD3δ鎖とCD3ε鎖があり反対側にCD3 ζ鎖が配置されています。
 CD3δCD3ε鎖の細胞内ドメインはFYN蛋白と相関します。FYNはチロシンキナーゼで、TCR鎖の活性化により活性化され、次にZAP70蛋白のリン酸化を誘導します。
 TCR複合体はCD4蛋白も含有し、TCRの活性化が起こると、CD4の細胞内ドメインのC末でLCKと相関します。LCKとはチロシンキナーゼで活性化チロシンキナーゼはZAP70の活性化を誘導します。
 上記のようにCD4CD3δCD3ε鎖の活性化はCD3 ζ鎖の細胞内のC末に位置するチロシンキナーゼZAP70の活性化を誘導し、さらなる細胞内シグナル伝達へと続きます。
 LATThe Linker for Activation of T cells)は情報伝達分子でZAP70によりリン酸化されます。同時にチロシンリン酸化されたZAP70PLCγ(phospholipase Cγ)を活性化します。さらにLATの活性化はSOS/Grb2の活性化を誘導します。以上の結果、SOS/Grb2Ras→→ERKと細胞分裂を誘導し(この場合T細胞のクローン性増殖でしょう)、LATPI3KAKTとこれも細胞分裂(むしろT細胞性リンパ腫のような変化でしょうか)、PLCγ→DAG (diacylglycerol kinase)NFkBの活性化(サイトカイン放出や細胞反応の経路でしょう)、PLCγ→IP3Inositol trisphosphate)→NFATと反応を惹起します。
 以上がT細胞受容体を介したT細胞の反応なのですが、チロシンリン酸化脱リン酸化酵素であるLYPLCKFYNZAP70のすべて(T細胞受容体の最上流のシグナル電脱分子のすべてですね)を脱リン酸化することにより一連のT細胞反応を抑制します。
 さらに脱チロシンリン酸化フォスファターゼであるCD45LCKを脱リン酸化により機能抑制することによりLCKZAP70という経路を抑制します。
 T細胞は免疫系で抗原認識という最も重要な機能を果たす細胞ですので、この生体の中心的認識系でのチロシン脱リン酸系の重要性がわかるようですね。
 本日は以上です。