BMW iX3 キャンプ❹電費と充電性能を検証 最大400kWh対応でも90kW環境でどうか | ベルトーネ★BMW X3と輸入車レビュー、キャンプブログ

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所有のBMW X3 G01に関するメンテナンスやチューニング、輸入車やSUVの試乗記、過去に所有していたシトロエン、最近はじめたキャンプなどをトピックにしています。ジャパンモビリティショーについても速報をあげています。

2泊3日の長期試乗では、キャンプへの高速道路、一般道、秩父周辺のワインディング走行や、日常的な市街地走行、そして車中泊まで、普段の短時間試乗では試せない使い方をしてみた。


今回はその中から、電費と充電性能を整理する。


iX3は108.7kWhの大容量バッテリーを搭載し、800Vシステム、最大400kWの急速充電に対応する。スペックだけを見ればかなり強力だが、日本の道路と充電環境で実際に使うとどうだったのか、レポートする。


  高速経由でキャンプ場へ。電費は5.2km/kWh

キャンプ場までの往路走行距離は80.7km。高速道路と一般道、山間部を含むルートを走行したところ、電費は5.2km/kWhだった。

エネルギー消費の内訳は、

  • 駆動システム:  51.4%
  • エレクトロニクス:15.2%
  • エアコン:    33.4%

気温は真夏ほど高くなかったものの、エアコンが全体の1/3を占めていたのは意外だった。


今回残念だったのが、レクサスRZで確認できたような瞬間電費計が見当たらなかったこと。

RZでは高速道路で80km/h、90km/h、100km/hと巡航速度を変えながら電費の違いを確認できた。iX3でも同じ比較を試したが、速度ごとのデータを取れなかった。


そのため、往路区間全体としての数値印象になるが、5.2km/kWhという数値では、電費はあまり良い印象ではなかった。過去に試乗車で表示されていた電費数値は、無理な加速や長時間のエアコンによるものとは無さそうだ。

  ワインディングを含む復路では6.6km/kWh

復路では数字が改善した。

キャンプ場から秩父周辺のワインディングを経由して一般道のみを97km走った復路では、電費は6.6km/kWhだった。その内訳は、

  • 駆動システム:53.4%
  • エレクトロニクス:15.8%
  • エアコン:30.8%
復路は、空気抵抗の大きい高速区間もなく、秩父からのワインディングでは下り基調の区間も多かったことから、往路と比較してエネルギー消費が少なく、Bモードによる回生の恩恵も大きかった。

iX3の電費が常に5km/kWh台前半というわけではないことは確認できた。回生をうまく使える一般道での長距離移動では、WLTC電費に近い水準まで伸びるようだ。

  往復走行データ比較

これらデータをカタログ公式値と比較してみた。
往路では高速道路電費と比較しても約15%以下、一方で復路ではWLTC電費とほぼ同じであった。

⚫︎往路:高速道路・一般道
  • 走行距離:.        80.7km
  • 平均速度:         35.4km/h
  • 電費:               5.2km/kWh
  • エネルギー消費:25.4kWh
  • エネルギー回生:4.6kWh
⚫︎復路:ワインディング・一般道
  • 走行距離:         97.0km
  • 平均速度:         27.5km/h
  • 電費:               6.6km/kWh
  • エネルギー消費:18.4kWh
  • エネルギー回生:11.8kWh
⚫︎カタログ公式値:iX3 50 xDrive M Sport
  • 一充電走行距離:835km 
  • WLTC電費: 約6.67km/kWh
  • 高速道路電費:約6.13km/kWh
  • 郊外電費:  約6.99km/kWh
  • 市街地電費: 約7.19km/kWh

  気になる電費性能の乖離

キャンプ旅行を含む3日間の電費実績は5.5km/kWhだった。アプリで見る限り、iX3ユーザーのコミュニティ平均値5.4km/kWhと大きな乖離はなかった。

  • 走行距離:         197.7km
  • 平均速度:         25.2km/h
  • 電費:               5.5km/kWh
  • エネルギー消費:49.4kWh
  • エネルギー回生:18.8kWh
この電費を見る限り、BEVとして電費が悪いとは言いにくいが、カタログ公式値との差は17%と大きい。

また、アプリ上で区間別に見ると、長距離では6km/kWh台まで伸びる一方、短距離の市街地走行では3〜5km/kWh台まで落ちる区間もあった。

以前試乗したRZ350eは、WLTC 8.33km/kWhに対し、佐野旅行で7.8km/kWhと約6%の乖離にとどまった。

条件は異なるため単純比較はできないものの、試乗全体を通しても、iX3ではカタログ公式電費との差が大きく感じられた。

RZ350eはFWDという電費性能で有利だはあるが、秩父のワインディングの数値だけをみても、効率の高さで、RZの方が上という印象が残った。

  90kW急速充電でもRZが優勢

最後に試したのが急速充電。

iX3をSOC38%から90kW急速充電器へ接続した。


以前、RZ350eでもSOC37%から同じ90kW級の充電器で試している。開始SOCがほぼ同じなので比較しやすい。

25分間の充電量とSOCの変化は、以下結果。
  • RZ350e:28.13kWh(37%→73%)
  • iX3:       26.2kWh(38%→60%)
最大出力は、RZが約80kW、iX3が約76kW。途中からどちらも50kW前後まで出力が下がったが、25分で実際に入った電力量はRZの方が多かった。

その差につながったのは、出力制御が入ったタイミングだ。iX3ではSOC50%台半ばから出力が50kW前後まで低下した一方、ほぼ同じSOCから充電したRZ350eは、より長く高出力を維持した。条件によって充電カーブは変わるため一般論として言うことはできないが、少なくとも今回の実測では、iX3の方が早い段階で出力制御が入ったように見えた。いずれにしても、充電電力量でRZが上回ったのは興味深い。


なお、SOCの上昇率はバッテリー容量が違うため直接比較できない。

  実走行で見えたiX3の電費と充電の実用性

iX3は800Vシステム、最大400kW急速充電対応という非常に高いスペックを持っている。しかし今回のように90kW充電器を使う限り、その能力はほとんど活かせなかった。

走行電費数値については、想定の範囲内で、RZの数値が記憶に残っていたこともあり、期待を超えるものでもなかった。ただし、109.1kWという大容量は、車中泊で一晩空調を使ったても、実用上の航続距離に不安を感じる場面はなかった。

今回の結果をまとめると、
  • 電費はRZの方が優秀。充電も90kW環境ではRZが大健闘
  • iX3は大容量バッテリーと将来性の高い800Vシステムで余裕がある
そして、日本で普段使う上で重要なのは、スペック表の最大値よりも、実際に使う充電器でどれだけ入るかだと改めて感じた。

今回、ノイエクラッセiX3の電費と充電性能を確かめるために借りたはずなのに、最後にはまたRZの効率の良さを再確認することになった。少し皮肉な結果だった。

今回、長期試乗で最も大きな発見だった。