今月 読んだのは…
本格ミステリー
「 あなたがいない島 」 石崎幸二
幻想系・短編集
「 その昔、N市では カシュニッツ短編傑作選 」
マリー・ルイーゼ・カシュニッツ
マンガ・鬼太郎
「 決定版 ゲゲゲの鬼太郎 猫町切符 」 水木しげる
本格ミステリー
「 サロメの夢は血の夢 」 平石貴樹
の4冊。
読みたい「 ミステリー 」が増えるばかりですが、熱くて 集中力が 続かないので 今月も 軽く読めそうなのをチョイス。
まずは「 本格 」2冊。
今回は 2000年ごろの作品を 選んでみました。
「 あなたがいない島 」 石崎幸二
本格ミステリー。
「 ミステリィ 」に “まったく 興味のない”、櫻蘭女子高校
「 ミステリィ研究会 」所属の生徒、ミリアと ユリ、
2人の「 特別( 外部 )顧問 」で 「 ミステリィ 好き 」の
サラリーマン、石崎幸二。
3人は ひょんなことから 無人島「 古離津( こりつ )島 」で
行われる「 心理研究 イベント 」に参加する事に。
そのイベントは「 無人島に 持ち込める物は ひとつだけ 」と
いう条件で 五日間、島で過ごすというものだった。
だが、島で イベントが始まって しばらくし、石崎が持ち込んだ
パソコンが壊され、他の人が 持ち込んだ CDや ノベルズ新刊、携帯電話が なくなってしまう。
「 行方不明者 」が出る事態になり、さらには「 殺人事件 」も起きてしまう……。
「 メフィスト賞 」を取った『 日曜日の沈黙 』( 未読 )の
続編※らしいって事で 結構 前に 古本で購入。
( ※ 調べると この「 ミリア&ユリ 」シリーズ 自体、結構
出てた )
著者作品の レビューを読んで「 ユーモア多め 」の作風というのは 分かっていましたが、思った以上に 多かったですね。
とにかく 女子高生の ミリアと ユリが ボケまくるんですよ。
それに 石崎が ツッコむんですが、それに対しても 石崎を茶化したり、辛辣な表現で ボケ返したりするし、
さらに 石崎自身も「 ミステリィ夢想 」で ボケるので、
舞台の 無人島に着くのも「 上下段 全260ページほど 」中、
「 80ページ 」を過ぎたあたりと かなりの スローペースで
進むんですよね。
ですが、3人のボケや ツッコミが くだらなくも 個人的には
結構 ハマり、読んでいて 楽しかったです。
「 ユーモア 」の方向性としては その “くだらなさ” をみると
蘇部健一( 超くだらないけど 好き )が近いのかな。
( ユーモア系のミステリーは 苦手だと 思っていたけど、単に 好みと合わなかっただけ、だったのかも…と 最近 思い始める )
そんな風に ボケ倒しながら「 話 」が進むんですが、中盤に
行方不明者が出る事態になると さすがに 緊張感が出てきます。
「 消えた CDや 携帯電話 etc.… 」、
「 よく考えてみると 不自然な イベント条件 」、
「 刃物がないのに 刃物による殺害 」( 凶器の謎 )などなど、
ミステリー的な「 お膳立て 」にも 興味をそそられ、期待感も 高まったんですが、
肝心の「 本格 」部分が “浅く”、それなりに フェアではあるんですが「 納得感 」も 乏しいんですよね。
「 終盤 」には ミステリーらしい展開が あったものの “浅め” の印象は拭えず、物足りなさを覚えましたよ。
「 消えたモノ 」とか「 目的 」等々※は とても 良かっただけに
少々 惜しい気持ちに。
( ※「 ネタバレ 」になるので 書けないが 面白くなりそうな
要素が多い )
とはいえ「 ユーモア 」部分は かなり楽しめたので 面白く読めたとも言えそうです。
「 サロメの夢は血の夢 」 平石貴樹
本格ミステリー。
1990年 5月。
中野で 会社社長が殺される事件が発生。
その死体は「 切断された首だけ 」を 皿に載せられた状態で、
さらに 現場の壁には「 全集 」から切り取った ビアズリーの
『 サロメ 』が貼られていた。
もう一枚、ミレーの『 オフィリア 』が切り取られた後があったが、しばらくし 軽井沢にて 画家である 社長の娘が それを模したように川で死体となって発見される……。
本作は 各人物の「 内的独白 」( 心の中と 会話の受け答え )
だけで 構成されているところが特徴。
「 試み 」としては 面白いんですが「心の中」の他に「 会話 」もあるものの「 説明文 」的なモノはないので
「 各人物の関係性 」や「 その他 状況 」など「 全体像 」を
捉えにくく、
さらに 頻繁に「 人物視点 」も替わるので 読み進め難いです。
( サクッと読むつもりが 読めなかったって事。
今回「 本書 」を選んだのは 失敗だったかも… )
100ページくらいまで読めば ある程度「 情報 」も出揃うので マシになります( 慣れてきます )が、人によっては 挫折しそうですね。
中身としては 意味深長な「 タイトル 」とは異なり
「 社長の横暴 」「 会社経営のゴタゴタ 」「 恋愛のもつれ 」
などが描かれており、
一応「 見立て殺人 」ではありましたが 表面的には「 火曜サスペンス 」チックな「 話 」でした。
「 本格 」としては「 内的独白 」( 心の中 )なので 犯人が
そのまま「 心に思えば 」すぐバレてしまうため、
そこらへんの著者の表現( 心象描写 )が「 読みどころ 」になってます。
まあ、私は ライトな「 浅読み 」派、このような 微細な表現を 読み解く「 深読み 」は 不得手なので「 内的独白 」からの推理は ダメダメでしたけどね。
冒頭に書かれた「 著者敬白 」によると、
「 内的独白 」にとらわれずとも 終盤ごろには 犯人は推測できるようになってるとの事ですが、コチラの方も 全滅 だったり。
一応、擁護しておくと「 伏線・手掛かり 」は しっかりあったので 単純に「 読み進め難さ 」の影響が 出たのだと思います。
( …って 擁護になってるか? )
アッチの( たぶん 読めばわかる )「 動機 」と「 殺害方法 」が 少々気になったものの「 納得感 」はあったので、
「 試み 」も含めて 読めて良かった作品ではありましたね。
でも、オススメは しづらいかな。