berobe 映画雑感 -96ページ目

berobe 映画雑感

「 映画 」と「 本 」の感想

 

 

 

今月 読んだのは…

 

 

本格ミステリー

 「 あなたがいない島 」  石崎幸二

 

 

幻想系・短編集

 「 その昔、N市では カシュニッツ短編傑作選 」

マリー・ルイーゼ・カシュニッツ

 

 

マンガ・鬼太郎

 「 決定版 ゲゲゲの鬼太郎 猫町切符 」  水木しげる

 

 

本格ミステリー

 「 サロメの夢は血の夢 」  平石貴樹

 

 

の4冊。

 

 

読みたい「 ミステリー 」が増えるばかりですが、熱くて 集中力が 続かないので 今月も 軽く読めそうなのをチョイス。

 

 

まずは「 本格 」2冊。

 

今回は 2000年ごろの作品を 選んでみました。

 

 

 

「 あなたがいない島 」  石崎幸二

 

本格ミステリー。

 

 

「 ミステリィ 」に “まったく 興味のない”、櫻蘭女子高校

「 ミステリィ研究会 」所属の生徒、ミリアユリ

 

2人の「 特別( 外部 )顧問 」で 「 ミステリィ 好き 」の

サラリーマン、石崎幸二

 

3人は ひょんなことから 無人島「 古離津( こりつ )島 」で

行われる「 心理研究 イベント 」に参加する事に。

 

そのイベントは「 無人島に 持ち込める物は ひとつだけ 」と

いう条件で 五日間、島で過ごすというものだった。

 

だが、島で イベントが始まって しばらくし、石崎が持ち込んだ

パソコンが壊され、他の人が 持ち込んだ CDや ノベルズ新刊、携帯電話が なくなってしまう。

 

「 行方不明者 」が出る事態になり、さらには「 殺人事件 」も起きてしまう……。

 

 

 

「 メフィスト賞 」を取った『 日曜日の沈黙 』( 未読 )の

続編※らしいって事で 結構 前に 古本で購入。

 

( ※ 調べると この「 ミリア&ユリ 」シリーズ 自体、結構

出てた )

 

 

著者作品の レビューを読んで「 ユーモア多め 」の作風というのは 分かっていましたが、思った以上に 多かったですね。

 

とにかく 女子高生の ミリアユリが ボケまくるんですよ。

 

それに 石崎が ツッコむんですが、それに対しても 石崎を茶化したり、辛辣な表現で ボケ返したりするし、

 

さらに 石崎自身も「 ミステリィ夢想 」で ボケるので、

 

舞台の 無人島に着くのも「 上下段 全260ページほど 」中、

「 80ページ 」を過ぎたあたりと かなりの スローペースで

進むんですよね。

 

ですが、3人のボケや ツッコミが くだらなくも 個人的には

結構 ハマり、読んでいて 楽しかったです。

 

「 ユーモア 」の方向性としては その “くだらなさ” をみると

蘇部健一( 超くだらないけど 好き )が近いのかな。

 

 

( ユーモア系のミステリーは 苦手だと 思っていたけど、単に 好みと合わなかっただけ、だったのかも…と 最近 思い始める )

 

 

そんな風に ボケ倒しながら「 話 」が進むんですが、中盤に

行方不明者が出る事態になると さすがに 緊張感が出てきます。

 

「 消えた CDや 携帯電話 etc.… 」、

「 よく考えてみると 不自然な イベント条件 」、

「 刃物がないのに 刃物による殺害 」( 凶器の謎 )などなど、

 

ミステリー的な「 お膳立て 」にも 興味をそそられ、期待感も 高まったんですが、

 

肝心の「 本格 」部分が “浅く”、それなりに フェアではあるんですが「 納得感 」も 乏しいんですよね。

 

「 終盤 」には ミステリーらしい展開が あったものの “浅め” の印象は拭えず、物足りなさを覚えましたよ。

 

「 消えたモノ 」とか「 目的 」等々※は とても 良かっただけに

少々 惜しい気持ちに。

 

( ※「 ネタバレ 」になるので 書けないが 面白くなりそうな

要素が多い )

 

とはいえ「 ユーモア 」部分は かなり楽しめたので 面白く読めたとも言えそうです。

 

 

 

「 サロメの夢は血の夢 」  平石貴樹

 

本格ミステリー。

 

 

少し前の「 ミステリー 」も 読みたいんですが、新しいのが
ドンドン出て来るんで なかなか読めないんですよね。
 
コレも 結構 前から気になって( リスト入りして )いた作品の1冊。
 
ちなみに 本書は 2002年、「 南雲堂 」から発行です。
 

 

 

1990年 5月。

 

中野で 会社社長が殺される事件が発生。

 

その死体は「 切断された首だけ 」を 皿に載せられた状態で、

さらに 現場の壁には「 全集 」から切り取った ビアズリーの

『 サロメ 』が貼られていた。

 

もう一枚、ミレーの『 オフィリア 』が切り取られた後があったが、しばらくし 軽井沢にて 画家である 社長の娘が それを模したように川で死体となって発見される……。

 

 

 

本作は 各人物の「 内的独白 」( 心の中と 会話の受け答え )

だけで 構成されているところが特徴。

 

「 試み 」としては 面白いんですが「心の中」の他に「 会話 」もあるものの「 説明文 」的なモノはないので

 

「 各人物の関係性 」や「 その他 状況 」など「 全体像 」を

捉えにくく、

 

さらに 頻繁に「 人物視点 」も替わるので 読み進め難いです。

 

 

( サクッと読むつもりが 読めなかったって事。

今回「 本書 」を選んだのは 失敗だったかも… )

 

 

100ページくらいまで読めば ある程度「 情報 」も出揃うので マシになります( 慣れてきます )が、人によっては 挫折しそうですね。

 

 

中身としては 意味深長な「 タイトル 」とは異なり

 

「 社長の横暴 」「 会社経営のゴタゴタ 」「 恋愛のもつれ 」

などが描かれており、

 

一応「 見立て殺人 」ではありましたが 表面的には「 火曜サスペンス 」チックな「 話 」でした。

 

 

「 本格 」としては「 内的独白 」( 心の中 )なので 犯人が

そのまま「 心に思えば 」すぐバレてしまうため、

 

そこらへんの著者の表現( 心象描写 )が「 読みどころ 」になってます。

 

 

まあ、私は ライトな「 浅読み 」派、このような 微細な表現を 読み解く「 深読み 」は 不得手なので「 内的独白 」からの推理は ダメダメでしたけどね。

 

冒頭に書かれた「 著者敬白 」によると、

 

「 内的独白 」にとらわれずとも 終盤ごろには 犯人は推測できるようになってるとの事ですが、コチラの方も 全滅 だったり。

 

 

一応、擁護しておくと「 伏線・手掛かり 」は しっかりあったので 単純に「 読み進め難さ 」の影響が 出たのだと思います。

 

( …って 擁護になってるか? )

 

 

アッチの( たぶん 読めばわかる )「 動機 」と「 殺害方法 」が 少々気になったものの「 納得感 」はあったので、

 

「 試み 」も含めて 読めて良かった作品ではありましたね。

 

でも、オススメは しづらいかな。