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berobe 映画雑感

「 映画 」と「 本 」の感想

 

 

 

「 ボーはおそれている 」(米/2023)

 

 

アリ・アスター監督の 不条理系(?)・ホラー。

 

 

書く気は なかったけど、後半の “アレ” を載せたいがために

書く事に。

 

なんで 内容は 薄め、「 考察 」とかも( それっぽいのは 少し

あるが… )特に無し。

 

ちなみに「 本編 」では “アレ” は 暗くて よく見えませんでしたが 明るく補正してるんで

 

「 もう少し ハッキリ見たい… 」という「 怪物 好き 」の方は

それだけでも 見て行ってください。

 

 

まず、感想から。

 

不条理かつ ナンセンス、少々「 幻想怪奇 」風味もある(?)
「 話 」は 好みで 面白く観れました。
 
特に 恐怖と不安が 蔓延する “精神ホラー” な「 前半 」は すごく
良かったですね。
 
あと『 オオカミの家 』の人が参加している「 演劇 」場面
( 映像 )も 素晴らしかったな。
 
 
それでも 長いとは 思ったし、内容的にも「 宗教モチーフ 」で「 結局それかよ… 」とも なりましたけど。
 
( とはいえ、前の2作も「 宗教 」絡みだったので 作家性と
しては 理に適ってはいる )

 

 

ここから 脈略無く「 画像 」を絡めて 感想。

 

「 ネタバレ 」してるんで 注意。

 

 

〔『 ボーはおそれている 』

冒頭に出て来る「 MW社 」ロゴ と、その後の「 タイトル 」〕

 

 

のっけから コレだもんな。

 

最初に「 母・モナの会社( MW )」の ロゴが出て来る事で

彼女ボーを支配している、そして「 すべて 企て 」である事を示唆。

 

「 アブラハム宗教 」の要素もあるらしいので それを 当て嵌めると、母・モナは「 神 」で「 ボーの “世界” を作った 」って事でもありますね。

 

冒頭の「 出産 」の暗闇は「 光あれ 」モチーフっぽいし。

 

 

〔『 ボーはおそれている 』

ホアキン・フェニックス 演じる ボー

 

 

強い不安や 恐怖を抱え、カウンセリングに通っている ボー

 

その ボーの 不安の根源は 母・モナにあるらしい…が 本人には ( そして モナ自身にも )自覚無し?

 

ボー自身は 母・モナに「 生活支援 」してもらっているし、

愛しているが モナが 支配的なためか、頻繁に 会いに行く気には なれないっぽい。

 

 

…という「 神 」を信じ、恐れてもいるが 普段は ないがしろ、必要な時しか「 神 」を 頼らないという「 信者あるある 」な

母息子の関係性。

 

ちなみに「 ないがしろ 」なのは 終盤間近の「 プレゼント 」

場面でも 伺えます。

 

 

内容としては「 ボーの( 見ている )“世界” 」「 家族ドラマ 」といったところですが、

 

個人的には 基本的に そのまんま、「 恐怖・不安 」の寓話

( 不条理劇 )として観てましたよ。

 

 

〔『 ボーはおそれている 』

あなたが 私にくれたもの~ 路上で買った マリア像~ 〕

 

 

ボーは「 キリスト属性 」もあるらしい( 後述 )ので、

 

おそらく を生んだ モナにも「 マグダラのマリア 属性 」が

付く。

 

モナの 豪邸の前にも「 巨大なマリア像 」※があったし

「 出産 」絡みの エピソードも 多いしね。

 

 

( ※「 そういえば 母への 手土産を 買ってねぇ…

実家の前に マリア像があったから 同じマリア像でいいか… 」

 

という、ボーの安直、テキトーな思考? )

 

 

〔『 ボーはおそれている 』  “誕生日の男“

 

 

「 裸で人を刺しまくっている 」“誕生日の男”

宗教要素 + 男の割礼で ユダヤの暗喩。

 

「 ユダヤ教と キリスト教の対立 」※も 描いてるっぽい…んだけど、今観ると 別の意味で 意味深な場面…。

 

 

〔 ※「 ユダヤ教、キリスト教の 対立 」

 

あまり関係はないが、近年のアメリカの 学校図書における

「 禁書 」を描いた ドキュメンタリー、『 禁書のイロハ 』

 

「 子供には 不適切 」( 主に 暴力 )というのを理由に

「 制限 」「 問題 」「 禁止 」と分けて 子供から意図的に

本を遠ざけているんだけど、

 

その中に グラフィックノベル版の『 アンネの日記 』(禁止)、アウシュビッツを描いた『 マウス 』と、ユダヤ関係のも 含まれているんですよね。

 

さらに『 ハンドメイズ・テイル 』として ドラマ化もされた、

キリスト教原理主義・ディストピア『 侍女の物語 』も “禁止”、

 

「 LGBTQ 」も やり玉に…と「 キリスト教 寄り 」の恣意的な運用になってるみたい。

 

ちなみに『 ホビットの冒険 』が “制限” になってました 〕

 

 

〔『 ボーはおそれている 』

昔撮った、初恋相手・エレインの写真 〕

 

 

まさか アレが映っていたとは…。

 

エレインの 非倫理性?( あと ここでは 写真のコメント )は

高い倫理性を 求める「 宗教 」と相反する。

 

って事で エレインは 後半、エライ目に遭ってましたね。

 

 

〔『 ボーはおそれている 』  何も音を出してないのに… 〕

 

 

個人的には「 前半 」の 不条理感が( 皆、オカシクて )すごく好き。

 

ここなんか 幻聴とはいえ、理不尽で( そして 悲しい )怖面白かったな。

 

 

〔『 ボーはおそれている 』  ボーの住まい 〕

 

 

ボーの 住む場所が やたら 混沌・殺伐としていた( と、ボーに 見えていた )のは、

 

その地区が「 問題を抱えた人達を支援する 」地区だったから。

 

モナは「 不安 」を煽り「 安心 」を謳って 大儲けしていたが、

社会貢献もしていた?

 

ここらへんも「 キリスト教圏( 米国 )の大企業 」っぽかった…ような。

 

 

〔『 ボーはおそれている 』  クモ男 〕

 

 

あまりに以外で「 オオッ!」と 感動してしまったのが、

この「 風呂の天井に 張り付く男 」の場面( 演出 )。

 

なぜ 天井に?と思ったけど、たぶん、くだんの “毒クモ” からの 妄想 o r  擬人化表現 なんじゃないかな。

 

それはさておき、わざわざ 撮った「 張り付き男 越し カット 」の 異常な構図( 上画像 )に シビレましたね。

 

 

〔『 ボーはおそれている 』

“誕生日の男” 登場「 そうです、私が ヘンなおじさんです 」〕

 

 

ニュースだけだと 思っていたら ボーの目の前に “誕生日の男” が 登場。

 

前半は「 不安が ことごとく 現実化する 」不条理な展開で 楽しかったですよ。

 

 

〔『 ボーはおそれている 』  車に轢かれる ボー

 

 

ボーは 丸腰( というか 丸裸 )なのに “誕生日の男” と重なり?

 

パニックになる警官(「 撃たせないでくれ 」)は アメリカらしい 皮肉を込めた笑いでしたね。

 

同じく パニックになり 全裸で逃げる ボーも 切なくて良かったな。

 

 

〔『 ボーはおそれている 』  「 キリスト磔刑 」モチーフ 〕

 

 

その後、ボー“誕生日の男” から「 脇腹 」と「 掌 」を刺されているのは「 キリストの磔刑 」モチーフ。

 

ボーが「 2日間 眠って目覚めた 」のは「 亡くなった キリストが 3日目に復活した 」からかな。

 

本作は「 キリストの受難 」ならぬ「 ボーの受難 」の話でも

ある…と思う。

 

まあ、この画像は 主に「 残酷描写 」として載せてますけど。

 

 

〔『 ボーはおそれている 』

グレースの慰め( 助言 )」と、後半の「 MW社 社員 」〕

 

 

その次が「 ロジャーグレースの夫婦と 娘・トニ 」のパート。

 

夫妻に関しては ロジャーの方は「 MWの社員 」だと 後半の

「 写真 」で 判明。

 

(「 写真 」には 他でも 見かけたっぽい顔が チラホラ? )

 

ロジャーに バレないように ボーに助言していた グレース

「 企て 」を よく思っては いないらしく「 監視映像 」も暴露。

 

( 最後には「 トニの錯乱 」で 後悔してるが )

 

でも その「 監視映像 」もまた、不条理 極まりなくてね。

 

 

〔『 ボーはおそれている 』

テレビに映る “早送り” された 終盤の「 裁判 」場面 〕

 

 

ここでの「 おっさんに 両親を奪われる 」と思い込んでいる

( 不安に 陥っている )トニ の「 エピソード 」も 好きなんですよね。

 

( フツーに「 おっさんの養子 」エピソードとしても イイ )

 

この トニは たぶん「 神に愛されている 人間に 嫉妬する天使 」が モチーフかな?

 

「 天使が 堕天した( 悪魔になった )」理由のひとつに「 人間への嫉妬 」※があるんですが、

 

トニも 両親に心配される ボーと 今も 愛されている に嫉妬、

グレかかってもいて、さらに ボーを 悪の道に誘ってもいましたし。

 

でも これは 少々 考えすぎかも…。

 

 

( ※ 堕天の理由には「 嫉妬 」の他、「 傲慢 」「 自由意志 」なんてのもあるらしい。

 

「 愛されたい 」神も そうだけど 天使も スゲー人間臭いんですよね… )

 

 

〔『 ボーはおそれている 』  「 劇中劇 」場面。

下画像、テーブルの上に 飛び込んでくる カエルが カワイイ 〕

 

 

次の「 演劇 」パートは「 劇中劇 」の映像は イイんだけど、

 

これにより「話」としては 撮っ散らかった( 盛り込み過ぎな )印象を覚えましたね。

 

ちなみに「 劇中劇 」に アニメーション部分があるのは 予算の都合らしいですよ。

 

 

その「 劇中劇 」で 主人公の男( ボー )は 童貞なのに 息子が3人いる事になってますが、アレは「 マリアの処女懐胎 」の

逆バージョン。

 

おそらく 視点を変えて「 処女懐胎 」を揶揄した 笑いどころ…と思ったけど( 実際に 笑った )、

 

監督の「 宗教的な立ち位置 」が わからないため 意図は不明。

 

 

ちなみに ユダヤの キリストの解釈は「 私生児 」らしく、

神秘性を付与された キリスト教のとは 意見の相違があったり。

 

 

ここからは「 イイ画 」もないんで “早送りボタン” ピッピッ。

 

…で メインの「 画像 」へ。

 

 

〔『 ボーはおそれている 』  “父親”と 殺られた ジーヴス

父親は「 歯 」の細部も しっかり作られていて 完成度 高し 〕

 

 

これが 載せたかった「 巨大な男性器・父親 」。

 

( 載せておいて なんですが「 アメブロ 」的には これは

ダイジョブなんすかね? )

 

父親からは「 アブラハム宗教 」における「 男性中心主義 」や

「 暴力性 」の暗喩みたいのが 思い浮かぶのかな。

 

最後も 元兵士・ジーヴスと 戦ってたし。

 

ちなみに ここは、A・ズライスキー監督『 ポゼッション 』

(81年)の アレを思い出しましたね。

 

 

そういえば『 ポゼッション 』、リメイク されるらしいですよ。

 

他にも『 バトルランナー 』リメイク とか、

『 エクソシスト 』仕切り直し、ドラマ版『 13金 』など、

「 焼き直し 」案件が さらに 多くなってきている 印象。

 

まあ、今までも こんな感じだった気もするけど。

 

 

という事で 目的は 果たしたんで ここで 終わってもいいんですが、ついでなんで「 最後 」の方も ちょこっと。

 

モナが “死を偽装した” のは「 ボーの 母への愛を試す 」ため。

 

モナも 息子が 愛してくれない事を「 おそれていた 」って

事ですね )

 

神が アブラハムに「 息子・イサクを 捧げろ 」と言ったり、

ヨブを「 不幸の 連続コンボ 」で 苦しめたりと、

 

「 聖書 」には「 神が 信仰心を試す 」※ エピソードがありますが それと同じですね。

 

( ※ 信者的には「 試練 」らしいけど、無神論者からしたら

それは ただの詭弁だよな )

 

ちなみに「 神は 人を試すが、 人は 神を試してはいけない 」

ようですよ。

 

 

で、「 ボーを試した 」後の「 裁判 」で モナボーの行動の

「 映像 」だけを見て 彼の「 胸の内 」( 恐怖・怯え その他 )を まったく考慮せず「 ボーを責めた 」のは、

 

「 神は 全能だが 人間の 神への愛( 心 )だけは わからない 」

( だから 人間を試す )という解釈からだと 思いましたね。

 

 

( ここに限らず「 聖書 」には いろんな解釈があって ほんと

メンドイ )

 

 

〔『 ボーはおそれている 』

「 意義あり!」したら落とされた ボーの弁護士

 

 

結局 長くなってしまったな。

 

最後は ボーの弁護士の「 墜落死 」( 明るさ補正したら 結構

グロかった )で締めときますよ。