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berobe 映画雑感

「 映画 」と「 本 」の感想

 

 

今月 読んだのは…

 

 

歴史モノ・ミステリー

 「 伯爵と三つの棺 」  潮谷験

 

 

本格ミステリー

 「 雷龍楼の殺人 」  新名智

 

 

香港ミステリー

 「 13・67 」 陳浩基

 

 

の3冊。

 

 

まずは 新しいの2冊から。

 

 

「 伯爵と三つの棺 」  潮谷験

 

歴史モノ・ミステリー。

 

 

 

18世紀の欧州、継水半島※ の小国。

 

( ※ 作中の説明によると、

中欧から スカンジナビア半島に 向かって 突き出ている半島 )

 

大貴族・D伯爵の「 政務書記 」を務める クロと、

令嬢の妊娠を知って 国外へ逃げ出した 吟遊詩人を父に持つ、

クロの親友の 三つ子の兄弟

 

その 三つ子D伯爵の「 古城の改修 」を請け負い、さらに

その城を任されることになるが、

 

そこに フランスに渡り 議員の後援者を持つまでになった くだんの父親、アダロが帰国するとの話がもたらされる。

 

そして訪れた、伯爵も同席する事となった アダロ三つ子

「 城 」での再会の日。

 

気晴らしに外に出た 三つ子が なかなか帰ってこない中、

商人のニルグルと 一緒にいた アダロが射殺されてしまう。

 

偶々現場を目撃した 伯爵たちが見た 犯人は「 三つ子の顔 」であったが、当の三つ子は 小屋で休んだ時「 薬 」で眠らされて

おり……。

 

 

 

今までに 読んだ『 時空犯 』『 ミノタウロス現象 』は 現代を

舞台にした「 SF系・ミステリー 」でしたが、

 

本作は「 フランス革命頃の ヨーロッパ 」を舞台にした「 時代ミステリー 」。

 

個人的には「 話の転がし方 」が面白く、そこを楽しみにしているんですが、今回は「 歴史モノ 」だからか「 意外な展開 」は あるものの、わりと オーソドックな流れ。

 

ですが、代わりに「 三つ子のひとりが 犯人? 」となるところに「ミステリー」を強く感じたので 変わらず楽しく読めました。

 

 

内容は「 三つ子兄弟の 城の改修 」と「 父親殺害事件 」に

「 フランス革命の波 」が絡んでくる感じでしょうか。

 

それと タイトルに「 伯爵 」とあるように「( 理想の )リーダシップ 」の要素が 加わってきます。

 

この「 リーダー 」要素は『 ミノタウロス現象 』の主人公にも通じてましたね。

 

で、この伯爵には 家臣の探偵たち「 公偵 」がいるものの、

優秀な 主任公偵が「 療養で不在 」のため、伯爵自身が 実力を示すのを兼ねて「 事件を担当する 」展開をみせたりします。

 

あと「 書き手 」である政務書記・クロと(「 クロの手記 」という設定 )「 三つ子との友情 」の話でもあったり。

 

この クロ三つ子兄弟伯爵、三者三様( 五者五様? )の

歩み方・生き方や、「 時代の波に 飲まれる様 」を描いた

「 人間ドラマ 」としても 面白く読めましたね。

 

そういう意味では 普通に「 歴史ミステリー 」としても 楽しめたのかな。

 

 

で「 本格 」の方はというと、「 謎 」「 空気感 」は良かったものの、“ベタな感じ” もあって 比較的「 サラッとした 」印象。

 

「 伏線 」っぽいのもあったので( 子爵婦人のヒント、シンプル過ぎて 逆に わかり難くかった… )納得は 出来ましたけど。

 

問題なのは アッチの方。

 

そちらは「 伏線 読み逃したかも…? 」が ぬぐえないんで 保留としときます。

 

( 流石に アレだけじゃ「 手掛かり 」不足のような… )

 

 

という事で、「 本格 」としては 少々 物足りなかった印象ですが「 歴史ミステリー 」としては 面白く読めましたね。

 

 

 

「 雷龍楼の殺人 」  新名智

 

本格ミステリー。

 

 

 

2年前、油夜島( あぶらよ じま )に建つ 外狩家の屋敷、

「 雷龍楼 」の別棟で 4人が亡くなった 変死事件。

 

その事件で両親を亡くし、高森家に引き取られた 外狩霞

( とがり かすみ )が 何者かに拉致され 一室に監禁される。

 

その拉致犯から 外狩家の長男・英一郎の持つ “ある資料” を盗む

よう 要求された 高森穂継( たかもり ほつぐ )は、雷龍楼で

行われる 外狩家の法要に参加し その機会をうかがう事に。

 

だが翌朝、本来 穂継だけに あてがわれた別棟で、急遽 寝る事になった 英一郎の息子の康弘が「 別棟の浴室 」で 殺されているのが発見される。

 

さらに 諸々の状況から 穂継に殺人の容疑が掛かってしまい…。

 

一方、拉致犯から 互いのために 事件解決を持ち掛けられた は 事件解明に挑むが……。

 

 

 

『 虚魚 』( 未読 )の人でしたね。

 

ブログ記事では イマイチな反応だったので 不安を感じながら

読み始めたんですが、

 

前半で いきなりアレが出て来るものの、その後は 結構 フツーな感じで展開。

 

でしたが、しばらくして 小説家が出始めた事で「 ムムム…  」と イヤな予感が。

 

中盤頃には 気になった描写( あと ブログの感想も考慮 )など

から「 たぶん、アレかな? 」と推測、少し テンションも下がってしまいました。

 

で、結果的には 当たってはいたんですが、“その先”が ちゃんとあったんですよね。

 

読んでる途中「 なんか…だよな… 」( ネタバレに 軽く触れるので ボカす )にも理由があったし、

 

“たどり着けるように” と 一応「 誘導 」もしていたりで 個人的には 納得感( フェア感 )は ありましたよ。

 

ただ、もう少し「 手掛かり 」があっても 良かったような気も。

 

( いろいろと書きたいけど ネタバレに触れちゃう )

 

まあ、最後は「 手掛かり 」の大盤振る舞いでしたけどね。

 

( それでも アレに気付かぬ 自分に 心底 アキれた… )

 

肝心な部分が・・・なので ガッカリする気持ちも わかるけど、それも しっかりと言及、念押ししてますからね。

 

( それとは関係なく「 ムリのある設定 」なのが問題? )

 

そもそも 好き嫌いは別にして「 本格 」の楽しさ、奥深さって “こういうの” も含めてだと思うんで 個人的には アリでしたよ。

 

ちなみに “あの顛末”も かなりヒドいとは思うけど キライじゃないです。

 

 

というわけで 賛否が分かれそうな内容でしたが 個人的には 普通に 楽しめました。