「 PIGGY ピギー 」(スペイン/2022)
人間( 青春 )ドラマ系・サスペンス。
「 Amazon配信 」100円セール枠。
「 肥満体型 」を理由に 女子3人グループに からかわれている
サラ。
その日、プールで 3人から 手ひどいイジメを受けた サラは
帰宅途中に プールにいた ”ヒゲ男” が その3人を 車で誘拐している現場に遭遇。
そのヒゲ男は なぜか サラには手を出さず、サラも 恐怖から車を黙って 見過ごして( 見送って )しまう。
帰宅した サラは 3人に殺されかけた事もあって その誘拐を
「 通報しない 」事を選択するが、プールで 監視員の遺体が発見された事で 事件化、さらに 3人の親たちも 心配し出し……。
って事で「 リベンジ 」みたいな 惹句だったので、てっきり
「 いじめられっ子の 復讐ホラー 」かと 思っていたんですが、
そういう要素も 少しあるものの 基本「 サスペンス 」でした。
その内容も「 サラの葛藤と 自己保身 」と「 心理ドラマ 」寄りで 少々意表を突かれましたよ。
他にも「 “かつての” 親友 」「 “毒母” から受ける ストレス 」
「 子を思う母親 」など 多様な要素があったりで 思いがけず
見応えがありましたね。
テーマみたいなのも「 許す、許さない 」ではなく、
「 自分を蔑んだヤツの 命を助けるか、助けないか 」
という あまり見かけない アプローチなのも 良かったです。
パッと見「 重め 」だし「 道徳 臭さ 」※も あるんですが、
( ※ 未読だけど『 僕たちはどう生きるか 』を思い出した )
サラの 10代らしい 浅はかな行動に ハラハラするし、
追い込まれて テンパっていく サラも 結構 笑えたり(?)するので サスペンスとしても ちゃんと面白いんですよね。
「 ジャンル感 」、直接的な「 残酷描写 」がないので
「 人間サスペンス 」として 普通に オススメしたいんですが、
「 イジメ 」や「 コンプレックス 」が題材だし、イライラ要素もあるので ダメな人も 多そうです。
ここから「 画像 」。
〔『 PIGGY ピギー 』 タイトル 〕
画面比率は 近年よく使われる?「 4:3 」。
ベタに 孤独感や 息苦しさの表現ってところでしょうか。
〔『 PIGGY ピギー 』 主人公・サラ 〕
主人公の サラは かなりの肥満体型の「 肉屋 」の娘。
その体型からか 内向的で「 髪を噛む癖 」がある。
「 噛み癖 」は おそらく「 自分の体形 」や「 人間関係 」からくる ストレス反応による クセっぽい?
〔『 PIGGY ピギー 』 娘に キビシイ 母のアスン 〕
サラの母親・アスンは「 勉強しろ 」と 強く言うなど
高圧的で それもまた サラの「 ストレス要因 」のひとつ。
そんな サラは 隠れて オカシを食べる事で ストレスを緩和しているらしく( ストレス過食 )、それが 肥満の原因にもなっているようだ。
ちなみに、サラは ちょっと前まで 父親と「 狩猟 」に行っていたりと活発だったらしく、体型も ここまででは なかった模様(「 写真 」が写る )。
〔『 PIGGY ピギー 』
プールにはヒゲ男が… さらにサラを からかう3人組も現れ… 〕
サラは 母が寝ていたため 勉強をやめて こっそり プールに行くが、そこには 先客、ヒゲの男がおり 身体を見られてしまう。
さらに 間が悪い事に サラの体型をからかう、マカ、ロサ、
クラウ( クラウディア )の 女子3人グループも 登場。
〔『 PIGGY ピギー 』 からかう3人組。
左から ロサ、リーダー格のマカ、サラの元親友らしい クラウ 〕
サラを からかうマカをしり目に ヒゲ男は プールから離れる。
人がいなくなった事で マカたちの からかいは エスカレート、
網を使い サラを沈めて おもしろがり始める。
そんな中 3人のひとり、クラウだけは 浮かない表情を見せていた。
どうやら クラウは かつてサラと 親友だったらしい。
〔『 PIGGY ピギー 』 水中に退避 & 監視員の死体 〕
溺れそうになった サラは 水中に逃れる。
プールの底には 監視員の死体があったが、必死の サラは それに気づかず。
〔『 PIGGY ピギー 』
アヤシイ車を通り過ぎるサラと 這いつくばる マカ 〕
マカたちに すべての荷物を 盗られた サラは 水着のまま家を
目指す事に。
その途中、アヤシイ車が停まっているのを見つけ、訝しんでいると…
〔『 PIGGY ピギー 』 サラに助けを求める クラウ 〕
走り出した 車の バックドアに クラウの姿が。
上画像、クラウの手首の「 ブレスレット 」は覚えておこう。
〔『 PIGGY ピギー 』 サラを見つめて沈思する ヒゲ男 〕
3人を誘拐したのは プールにいた ヒゲ男。
サラに気付いた ヒゲ男だったが 何故か サラには手を出さず、
それどころか サラに「 タオル 」を置いていく。
サラ自身も 恐怖で なにも出来ず、ただ見送るだけ。
この犯人( シリアル・キラー )の ヒゲ男は 描写が少なくて
行動原理が よく分からないんですよね。
サラに 同情や 共感を覚えているらしいので おそらく 彼もまた「 イジメられていた 」( それに 類する扱いを 受けていた )と推測は 出来そうですけど。
ちなみに ここで 渡される「 タオル 」は クラウの持ち物で、
また出てきます。
〔『 PIGGY ピギー 』 見捨てる決断 〕
家に帰った サラは 隠し持っていた お菓子を もしゃもしゃ
食べたあと( ストレス緩和 )、
マカたちが 自分と家族をからかう SNSを見て 自己正当化、
通報しない( クラウを見捨てる )事を決める。
ここの「 隠してた お菓子を食べる 」描写、
「 サラのストレス 」=「 サラの葛藤 」を表現していて 地味にイイんだよな。
あと ここで、
「 自分を蔑んだ( あまつさえ 殺そうとした )相手を
助けるか、助けないか 」
という命題が 観客にも突き付けられるんですね。
〔『 PIGGY ピギー 』
クラウとの思い出の(?)ブレスレットを捨てた サラ 〕
その後、父親から お使いを頼まれた サラは 雑貨店で ふと 手首の「 ブレスレット 」に気付き 急いで 切って外す。
どうやら そのブレスレットは クラウと 仲が好かった頃に
クラウと お揃いで付けた( 作った?)もののようだ。
この「 ブレスレット 」( “親友の証し” であり 切ない )は 終盤にも 出て来るんで まあまあ重要だったりする…かも。
ちなみに このブレスレットは この後、ヒゲ男が拾ってます。
〔『 PIGGY ピギー 』 ウソを吐いた サラ 〕
復讐も込めて「 誘拐 」を黙っている事を決めた サラだったが、プールで 監視員の死体が発見され 事件化してしまう。
水着での帰宅を見られていたため サラは 問い詰められるが
川へ行ったと ウソを吐いてしまう。
あの時、水中で死体を発見していたら さすがに通報していた…
よな?
個人的には こういった「 もしも( if )~してたら 」要素も
結構 楽しかったですね。
〔『 PIGGY ピギー 』 イジメ告白 〕
さらなる 母からの問い詰めに サラは 自分が 体型でイジメられている事を吐き出す。
〔『 PIGGY ピギー 』 ダイエットにも手厳しい母 〕
その日から 母による「 サラの ダイエット・メニュー 」が開始される。
だが それは「 サラダだけ 」と 駄目ダイエットの見本のような内容だった…。 ( 一応、食卓に肉もあったけど )
毒母気味な アマンですが ここに来て 彼女なりに 娘を想っている事も 分かってくるんですよ。
〔『 PIGGY ピギー 』
捜索しだす マカ・ロサ・クラウの家族 〕
連絡が取れなくなり心配する、マカ・ロサ・クラウの親たちも
独自に捜索を開始。
一方、スマホを( マカたちに盗られて )失くした サラは
自分のスマホを追跡するが……。
ここまでが 中盤チョット 入ったあたり。
あと 端折ったけど「 ヒゲ男が 侵入した家で 女性を殺し 」たり
( 通報していたら 被害者を救えたかも… )、
ヒゲ男に 異性の魅力を感じた(?)サラが 自慰する場面もあったりします。
と、こんな感じで 前半の終わり頃に 親たちが出て来ることで
「 人間ドラマ 」としても「 サスペンス 」としても 活気が出て
来るんですよね。
「 サラの葛藤、誤魔化し・サスペンス 」が A面だとしたら、
「 親たちの心配 」は B面になるのかな。
本来 B面になりそう(?)な シリアル・キラーのヒゲ男は
描写が少ないため※「 ボーナストラック 」扱いでしょうか。
( ※ ヒゲ男が持っていた “ドレス女性”の「人形( 置物)」や
「 カード 」?が よくわからん… )
この後はというと…( サクッと 最後までネタバレ )
〔『 PIGGY ピギー 』 ヒゲ男との再会 〕
またしても ヒゲ男と遭遇、さらに ロサの死体が発見されたり…
〔『 PIGGY ピギー 』 ロサの彼氏 & クラウ母 〕
サラの ウソがバレて 追及が深まる展開になったりします。
ちなみに 上画像の場面でも 母・アスンが サラを守りに来てます。
〔『 PIGGY ピギー 』 侵入していた ヒゲ男と アスン 〕
で、ついには ヒゲ男が「 サラの下着を盗むために 」(?)
サラの家に侵入、発見した 父親が ボコボコにされ、
半ば さらわれる形※で サラが ヒゲ男に付いて行く展開に。
( ※ サラが 付いて行ったのは 弟を守るためでもあった。
あと ボコられた 父親も 命だけは 無事っぽい? )
〔『 PIGGY ピギー 』 吊るされた マカと クラウ 〕
その後、2人が乗る車が 事故を起こし※ 最終的に サラは
「 食肉工場 」にたどり着く。
サラは そこで、生きて吊るされている マカと クラウを発見。
( ※ 事故は まさかの「 牛 」が伏線。
「 豚 」に対する「 牛 」?で なんかありそうな気もするが… )
この「 吊るされた マカと クラウ 」の場面( 展開 )は、
冒頭の「 吊るされる豚( の頭 )」( 画像はカット )と
対応する描写になっていて、
何となく「 豚なのは 人を蔑む 3人の方 」という製作側の意図を 感じるんですよね。
( それだと「 タイトル 」の意味合いも ガラッと変わって 効果的だし )
たまたま、こじつけかも しれませんけど、
『 世界サブカルチャー史 欲望の系譜 』の「 アニメ篇 」※ で
押井守 が「 作品を 誤読してもいい 」みたいな事を言ってたので コレくらいは いいでしょう。
( ※ ちなみに「 ゴシック編 」「 ゲーム篇 」も観た。
この間の「 ポップス編 」も 手堅くまとめていて 面白かった )
〔『 PIGGY ピギー 』 イラつく クラウ 〕
2人を助けようとする サラだったが ロープを切る物がなく
モタモタ。
2人も「 サラが通報していない 」事を知った事もあり 声を荒げる始末。
ここの「 モタつくサラ 」や「 2人の態度 」の イライラ演出も よかったな。
〔『 PIGGY ピギー 』 ヒゲ男の提案 〕
そうこうしているうちに ヒゲ男が帰還。
ひと悶着あったあと ヒゲ男は サラに「 一緒に 2人を殺ろう 」と提案、彼女にナイフを渡す。
どうやら ヒゲ男、サラへの同情・共感が「 愛 」へと変わった
らしい…?
〔『 PIGGY ピギー 』
2人は憎いけど 殺しはダメよ~ダメダメ 〕
さすがに殺すのは勘弁…と思ったのかは 分からないが、
サラは 勇気を振り絞って ヒゲ男に ナイフを向ける。
〔『 PIGGY ピギー 』
クラウの 壊れたブレスレット & グチャグチャになった手 〕
いろいろあって サラが ヒゲ男の「 腹 」にナイフを刺すと
ヒゲ男の持った ライフルが暴発、クラウの「 手 」が損壊。
最後は サラが「 首を噛み千切って 」ヒゲ男を殺す。
上画像、クラウの手が損壊した事で 付けていた ブレスレットが落ちる( 壊れる )、意味深な演出があるんですよね。
〔『 PIGGY ピギー 』 ヒゲ男の首を噛み千切った サラ 〕
サラが「 噛み千切る 」ところも「 食べられる側 」
( 蔑まれる側 )からの脱却というような 意味合いを感じたな。
ヒゲ男が死んだので ここで スーッと終わるかと思いきや…
〔『 PIGGY ピギー 』 クラウにライフルを向ける サラ 〕
サラは ライフルを手に取り すかさず マカに向けて 発砲!
すぐに クラウにも ライフルを向けて しばし悩んだ後(?)、
こちらも 発砲!
〔『 PIGGY ピギー 』
Oh!( 生きていた )クラウディア 〕
ついに 殺してしまった…と思いきや、その発砲は ロープを狙ったもので クラウは 生きていた。
同じく マカも 生存。
〔『 PIGGY ピギー 』 そんな友なら捨てちゃえば? 〕
だが、助けるのは そこまで。
サラは 工場をひとりで出ていく。
道を歩く サラは 向こうからバイクで来る ロサの恋人に
「 助けて 」と言い 後ろに乗せてもらう……( 終 )
何だかんだ 制作側は やさしいので(?)
「 2人の 友情は 壊れたけど( ブレスレットが 暗喩的 )、
そして 許しはしないけど、命は 助ける 」
という「 一線は 越えない 」終え方になってるんですよね。
( 通報しなかったので 被害が増えたけど… )
ちなみに 最後、工場を出た サラが ひとりで歩いて帰るところは、前半の「 プールから ひとりで帰る 」と 対称になる場面。
だけど ここでは「 助けを求めた 」事で ラクになるという流れになっていて、
「 困ったことがあったら 相談しよう 」みたいな マジメな
メッセージにもなっています…たぶん。
という事で、意外と「 マジメ系 」な作品でしたが(?)、
個人的には「 サスペンス 」も 感じられたし、「 イライラ 」も 案外 楽しかったりで「 エンタメ 」としても 面白かったんですよね。
































