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berobe 映画雑感

「 映画 」と「 本 」の感想

 

 

残り「 サスペンス系 」2冊。

 

 

 

「 爆弾 」  呉勝浩

 

サスペンス・ミステリー。

 

 

店主への暴行と 器物損壊で 逮捕された男、スズキタゴサク

 

野方署で スズキを取り調べている 警察官・等々力(とどろき)は 店主に 治療費その他を払う 穏便な解決を提案。

 

ズズキからの「 十万円を貸して 」を断った 等々力は 彼から

「 刑事さんの 役に立つから 店主を説得してくれ 」と頼まれ、

 

さらに「 十時ぴったり、秋葉原の方で きっと何かありますよ 」と告げられる。

 

そして 十時、秋葉原で 爆発が起こったと 補助員から報告が入る。

 

“霊感による予知” だと うそぶく スズキ

 

「 ここから三度、 次は 一時間後に 爆発します 」

 

等々力に告げるのだった。

 

等々力は 爆弾のありかを スズキから聞き出そうとするが…。

 

「 でも、爆発したって、べつによくないですか 」

 

「 ~ 誰かが 悲しむんでしょうけど、べもべつに その人は、

わたしに 十万円を貸してくれるわけじゃない。

 

わたしが 死んでも 哀しまないし、わたしが死ぬことだって

止めようとしませんよ、きっと 」……

 

 

 

読みたい本が多いので 読むのやめようかと 思ったんですが、

 

ブログ記事で 本作や 映画の方の感想を読んで やっぱり読むことに。

 

あと『 プレデター:バッドランド 』の時に見た 映画の予告編の影響もあったり。

 

 

で、感想から書くと「 面白かった 」「 読んでよかった 」になるかな。

 

内容としては 取調室を舞台にした「 密室劇 」だと思っていたけど「 爆弾犯の捜査 」や「 爆弾の捜索 」と 外の描写も 多くありましたね。

 

それでも メインとなるのは スズキタゴサクとの「 心理戦 」。

 

これが すごく スリリングで、緊張感も ほぼ 途切れないため

「 エンタメ 」として 読んでいて 楽しいんですよ。

 

ズズキが出す「 ヒント 」も ミステリー的な味わいなんですが、

 

意外と「 本格ミステリー 」的な要素も あったりで そっち面でも 結構 満足感がありました。

 

あと、思っていたよりも「警察モノ」だったんですが、警官たちそれぞれが 人間味に溢れて 描かれているため「 心情描写 」や それによる「 ドラマ 」も面白かったですね。

 

各人に 心が揺れ動く「 見せ場 」があるのも 良かったです。

 

まさか「 75点の男 」に グッとくるとはな~。

 

清宮の「( パズル )ピース 」表現の ベタな感じも 結構 好きだったり。

 

それと、個人的に「 恥ずかしい不祥事 」の アレコレも 好きな話でした。
 

市民を守る 責任と 使命、その重圧を負う 警察官たちが、

 

自らを 卑下する スズキの “揺さぶり” を受けて 精神を徐々に

蝕まれていく( 濁っていく )過程にも ゾワゾワしましたよ。

 

特に「 心の形 」のくだりは 最高でしたね。( 笑った )

 

当の爆弾は「 物理的 」に設置されているけれど、その企みによって 警官たちの「 心 」( その後 さらに 拡大して… )にも

 

“設置されていく” ようにも 感じたかな。

 

スズキの「 それを言っちゃ… 」な あけすけな言葉の数々は

( ネット上に 散見するけど )警官たちだけじゃなく、

 

読んでいる こちらの心にも チクチクと 刺さってきて チョット居心地は 悪いんですけど…。

 

 

というわけで、読もうか迷っている人は 読んだ方がいいかも。

 

あと「 エンタメ性 」も 高めなので フツーに オススメもしときます。

 

 

 

「 誘拐劇場 」  潮谷験

 

サスペンス・ミステリー。

 

 

水倉地区で起こった、子供たちを巻き込んだ 薬物事件。

 

刑事の義永(よしなが)と共に その事件を解決に導いた 俳優の 師道一正( しどう かずまさ )は その後、俳優を辞めて 政治家へと転身。

 

一方、義永は 麻薬常習者に 刺されて 亡くなってしまう…。

15年後、国会議員となった 師道を恨んでいる男、支倉彼方

( はせくら かなた )は、師道に ある疑念を抱いている 義永の娘、真理子( まりこ )に 声をかけられる。

 

その疑念とは 師道が導入した「 位置情報アプリ 」を使って

師道自身が「 薬物の取引 」をしているというものだった。

 

2人は 協力者を募って 別の「位置情報アプリ」“MK2” を

開発して 揺さぶりをかけようとするが「 アプリ 」が完成した

直後、真理子が 何者かに「 誘拐 」されてしまう。

 

さらに 真理子を さらったという犯人から “MK2” を使った

「 ゴール地点探し 」のゲームが出題される。

 

彼方は 義永の同僚だった刑事の 朝雲( あさぐも )に事情を

説明、警察と共に ゲームに参加するが 事件を聞きつけた 師道も ゲームへの参加を表明するのだった……。

 

 

 

「 サスペンス 」目当てで 読んだんだけど そこは イマイチでした。

 

位置情報アプリを使った「 目的地 探し 」と 面白そうではあったんですが、

 

特に「 ヒント 」みたいのは出ず その「 範囲 」を ザックリ知らされるだけなので、

 

タイムリミットはあるし「 推測する 」要素も あるものの、

ほぼ「 人海戦術 」なので サスペンス感が あまりないんですよね。

 

ちゃんと “理由” があるとはいえ、もう少し こちらを揺さぶってきてほしかったな。

 

あと「 国会議員が 薬物売買をしてるかも… 」というところも

現実味が薄くて ノリ難いってのもあったかも。

 

『 序章 』の「 薬物事件 」のくだりが 面白く、テンションも上がっただけに 落胆も 少々大きめでしたね。

 

とはいうものの「 師道の思惑 」や「 犯人の動機 」は 気になったので「 話 」としては 悪くはなかったです。

 

 

「 本格 」要素は 後半・終盤に それなりに “がっつり来る” けど 全体としては “弱め” かな。

 

こちらも 悪くはなかったけど「 本格 」目当てだと 物足りないかもしれません。

 

 

…と、いろいろと思うところが 多く あったんですが、

 

読み終わってみると「 タイトル 」の意味するところがわかり、

 

それにより いろいろと納得も出来たので “まあまあ” くらいの

感想になりましたね。

 

まあ、単純に あまり好みじゃなかったってことなのかも?