「 パラドクス 」(メキシコ/2014)
アイザック・エスバン監督、ループ系・サスペンス・ドラマ。
閉店間近の「 TSUTAYA 」に 最後のレンタルをしに。
すでに なくなっていたのも あったけど、幸い 目当てのヤツが まだ 何本か残ってたんで 3本 見繕って レンタル。
そのうちの 1本が コレ。
エスバン監督の『 ダークレイン 』(15年)は 雰囲気が良く、
作家性が強い “奇妙な味” 系の「 話 」も 好きだったんで コレも 観たかったんですよね。
(『 イビルアイ 』の方は フツー寄りだったな )
エスカレーターに 横たわる、ウェディングドレスの老婆…。
┇
兄・カルロスと 弟・オリバーの家に、犯罪を やらかしたらしい オリバーを追って マルコ刑事がやってくる。
裏口から 非常階段へと逃げた 兄弟だったが、追ってきた マルコが銃を撃ち カルロスが脚を負傷、兄弟は 捕まってしまう。
3人は そのまま 非常階段を 降りるが 何階 降りても 元の階に戻ってきてしまう。
さらに 昇っても 同じで…。
┇
サンドラと 息子・ダニエル、娘・カミーラ、今の夫・ロベルトの4人家族は 車で サンドラの元夫が勤める ホテルへと向かう。
途中、ロベルトが カミーラの ぜんそくを誘発させてしまい、
さらに「 薬 」も こぼしてしまったため 家に戻る事になるが、
「 荒野の一本道 」を進んでも 元の場所に 戻ってきてしまう
奇妙な現象に 遭遇してしまい……。
という、人気の サブ・ジャンル「 ループもの 」の内容。
ただ、雰囲気系で エンタメ寄りだった(?)『 ダークレイン 』の「 不条理感 」と 比べると、コチラは「 ドラマ強め 」な作りでしたね。
でも「 ダブル・ループ 」の構成は「 ミステリー 」っぽくは
あるのかな。
あと、一応「 謎 」も 明かされるけど、所々 判然としないところもあるので、人によっては モヤモヤが残るかもしれません。
それと、ミスリードっぽい「 薬 」のくだりは なくても よかったかも。
でも「 爆発 」も なんかありそうなので「 薬 」も なんか意味
( メッセージや 意図 )があるのかもしれませんが。
という事で「ドラマ寄り」ではあったけど 好みの「 奇妙な話 」で 面白かったですよ。
「 伏線 」みたいのもある「 考察系 」でもあるんで、そういうのが 好きな人は 楽しめるかも。
ちなみに「 ジャケット詐欺 度数 」は まあまあ強めでした。
( 個人的には いちいち気にしちゃいないけど )
ここから「 画像 」で 前半を紹介。
〔『 パラドクス 』 原題タイトル 〕
「 原題 」の意味は「 出来事 」みたいです。
〔『 パラドクス 』
冒頭、エスカレーターの ウェディングドレス老女 〕
冒頭は、まだ 生きているっぽい? 老女。
ここには 映ってないけど、老女は「 ウェディングドレス 」を
着ていて「 赤い手帖 」を持ってます。
〔『 パラドクス 』 冒頭、老女が見る過去( 映像 ) 〕
そこに 老女の「 結婚式の記憶( 映像 )」が 挟み込まれる。
〔『 パラドクス 』
カルロス(右)、オリバー(中)の兄弟と 刑事のマルコ 〕
「 場面 」が変わって、
やらかしたっぽい 弟・オリバーと 彼を追ってきた マルコ刑事。
兄・カルロスは 弟を守るため 弟を連れて「 非常階段 」へと
逃走。
〔『 パラドクス 』 「 非常階段ループ 」発動 〕
カルロスが 銃で脚を撃たれため、結局 兄弟は マルコ刑事に
捕まってしまう。
だが「 非常階段 」を 下に行っても 上に行っても「 ループ 」
してしまう 異常な事態に。
このちょっと前、
マルコ刑事は 首筋についていた「 “短い髪” の塊 」と、落ちていた「 ミニ・トランプ 」を1枚 拾うが そのまま 捨ててしまう。
それと、オリバーの件には ガメンという人物が 関わってるらしい。
〔『 パラドクス 』 兄・カルロス 死亡 〕
非常階段には「 自動販売機 」があり、なぜか 補充もされるので「 飲食 」には困らない。
だが、カルロスを 治療する事はできず 次第に 容態は悪化、
亡くなってしまう…。
〔『 パラドクス 』 サンドラの家族 〕
「 場面 」が変わって
サンドラ、 息子・ダニエル、 娘・カミーラ、 今の夫・ロベルトの4家族。
家族は サンドラの元夫に 子供たちを会わせるため、
ペットのネズミの ガメンも 連れて 車で出発。
道中、ロベルトは 車内で「 竹の部品 」?を拾うが そのまま
捨ててしまう。
〔『 パラドクス 』 ぜんそくを発症した カミーラ(奥左)〕
それからしばらくし、ロベルトが カミーラに ジュースを与えてしまった事で 彼女に「 ぜんそく 」の症状が出てしまう。
吸入薬も ロベルトが ダメにしてしまい 家に引き返す事に。
〔『 パラドクス 』 ループに気付いた ロベルト 〕
しかし、進めど 進めど 一向に 出口は現れず、カミーラの容態も悪化。
同じ看板を見かけた事で ロベルトは「 一本道が ループ 」している事に気付くが サンドラは それを受け入れられない。
〔『 パラドクス 』
自分を ビビビビン( ビンタ )する サンドラ 〕
結局、カミーラは 亡くなってしまい、
サンドラも ガソリン・スタンドで 気が振れてしまう……。
と、ここまでが「 前半 」( 1部と 2部といったところか )。
「 2つの話 」に どことなく共通点を感じて 興味は そそられるんですが、
思ってたより 地味目だったので 気分的には そこまで上がらなかったです。
ですが、その後の展開は 監督らしさ( 奇妙な味 )が出てきて 面白く観れましたよ。
ちなみに、両方に「 爆発 」のくだりが あるんですが「 映像 」はないし、意図も わからなかったんで カットしてます。
ここから「 後半 」を ザックリ紹介。
また「 ネタバレ 」してますが「 考察 」は 軽くなので そこは
他の人のを読んでください。
〔『 パラドクス 』
年老いた マルコ刑事と 中年になった オリバー 〕
35年経過した「 非常階段 」。
マルコ刑事は すっかり老人になっていたが、
オリバーは「 筋トレ 」と「 運動 」に励んでいたらしく、
歳は取ったものの 肉体は健康的。
〔『 パラドクス 』
兄の「 ガイコツ 」を崇める オリバーと マルコ 〕
オリバーは “何度も出て来る”( 中身もある )「 兄のバッグ 」や 兄の死体( ガイコツ )を崇めてもいた。
「 上画面 」、右側に 飾ってあるのが 今までの「 兄のバッグ 」で、その日の「 バッグ 」は 一旦 別のところに飾ってます。
〔『 パラドクス 』 マルコの 本来の?家族や 未来? 〕
マルコは「 本来の家族 」(?)を 壁に描き 慰めにしている
ようだ。
〔『 パラドクス 』 35年後の ダニエルと ロベルト 〕
一方、35年後の「 荒野の一本道 」の 家族3人も ガソリン
スタンドの物資で 生き延びていた。
しかし、ロベルトが 妹を殺したも同然なためか、
ロベルトと サンドラは「 車 」( スタンド?)、
ダニエルは「 荒野 」と 別々に暮らしていたようだ。
その ロベルトは 不摂生と お酒( 禁酒していたが 再開 )で 太った 不健康そうな 老人になっていたが、
ダニエルの方は サボテンなどを 食べているらしく 健康的。
サンドラは あれ以来ずっと 気が振れたままだったが、ついに
亡くなってしまう。
その後 ロベルトが倒れ 自身の死を覚悟した頃、
「 非常階段 」の マルコもまた 死が近づいている事を悟る。
そして 2人は「 ある事 」を思い出す。
それは「 自分は ダニエル だった 」ということだった。
〔『 パラドクス 』
マルコ & ロベルトの「 私は、ダニエル 」〕
マルコは ループの原因が「 カルロスを殺した 自分にある 」と言い、
(「 死 」が ループのトリガーとなる )
ロベルトは「( ダニエルという )名前を書いておけ 」
「 全てを忘れるから 警察の車に乗るな 」と忠告。
「 誰もが ダニエル 」の設定は、この翌年に製作された
『 ダークレイン 』の「 みんな同じ…になる 」へと繋がっていましたね。
〔『 パラドクス 』 竹イカダの「 竹の部品 」 〕
さらに ロベルトは、子供の頃に 指導員と 少年と 自分の3人で
「 竹のイカダ 」に乗り、
そこで 指導員が 少年を誤って殺してしまい、その後の 35年間
「 イカダで 漂っていた 」事を思い出す。
ロベルトは 35年後経った後 車を拾い、その車に サンドラ家族を乗せたという。
〔『 パラドクス 』
本物ではない自分たちの「 苦しみ 」と「 感情 」が
「 現実( 本物 )の自分 」の エネルギーに 〕
さらに 自分たちは「 本物 」ではなく、“本物の自分たち” の
「 エネルギー 」と「 幸せ 」を生むため「 苦しむ 」存在だと
告げる。
マルコが 壁に書いていた「 家族の絵 」が「 本物の自分たち 」
っぽい?
〔『 パラドクス 』 老人は ツライよ 〕
そして ロベルトと マルコは 同じように、
「 最初の35年は 若いため 有意義に過ごせるが
あとの 35年は 歳を取ったため 有意義に過ごせない 」
と 続ける。
〔『 パラドクス 』 老人が持っていた「 赤い手帖 」〕
その後 2人の老人は息絶えるが、その時 オリバーと ダニエルは それぞれの老人から「 赤い手帖 」を見せられる。
〔『 パラドクス 』
「 ループの出口 」の パトカーと エレベーター 〕
ダニエルは 道の先で パトカーを発見、一旦 引き返した後、
荷物と ネズミのガメンを持って戻り パトカーへと乗り込む。
だが、荷物と ガメンは 置き去りであった…。
一方、オリバーは マルコから「 出口は エレベーター 」と訊いていたが 逡巡。
そんな オリバーも ついには エレベーターに乗り込む…。
〔『 パラドクス 』
警察道具と「 赤い手帖 」 と 目標人物? 〕
パトカーには「 警察の道具 ひとそろい 」と「 赤い手帖 」。
その「 赤い手帖 」を開くと「 カルロスと オリバーの写真 」と「 銃での殺害 」を示唆する 書き込みが。
ダニエルは 着替えて 髪や ヒゲを整える。
その姿は マルコ刑事…
前半の マルコ刑事の 首筋に付いていた「 短い毛の塊 」は
たぶん、ここで切った髪。
〔『 パラドクス 』 赤い手帖の「 新郎新婦 」〕
オリバーの乗った エレベーターには「 ホテル・ボーイの制服 」と「 赤い手帖 」が置いてあった。
「 赤い手帖 」には「 新郎新婦の写真 」と
「 ハチを使った アレルギー殺害 」の書き込み。
オリバーは 制服に着替え 容姿も 整えて…
〔『 パラドクス 』
「 脚を撃たれたが 助かった カルロス 」の方の人生 〕
オリバーの脳裏(?)には それぞれの人物の「 上手くいった 」
「 最悪を防げた 」(?)「 幸せな 」「 不幸な 」「 悲惨な 」「 死に至った 」…人生が過る(?)。
〔『 パラドクス 』
元オリバー、今は ホテル・ボーイのカールと 新郎新婦 〕
元オリバーの ホテル・ボーイの カールが乗る エレベーターに
新郎新婦が 乗ってくる。
カールは フェロモン( たぶん )と ハチを使い 新郎を
「 アナフィラキシー・ショック 」にさせる。
新郎は「 アレルギー薬 」を 持っていたが カールが 荷物を
「 故意に落とした 」※事で その「 薬 」は ダメになっていた。
( ※「 荷物を落とす 指示 」も、たしか 手帖に書いてあった )
〔『 パラドクス 』 新たな「 35年 ループ 」の始まり 〕
新郎の「 死 」が 引き金となって「 ホテルの廊下 」は
「 35年間 ループ 」の場所になり……( 終 )
とりあえず「 ループ 」の補足、おさらい。
「 死 」が引き金となって「 ループ 」が起こるらしい。
その ループは 35年後、老人が死んだあとに 若い人だけが
現れた「 出口 」から 抜け出せるものの、
次の場所でも「 死 」が起こって、また「 35年間 ループ 」が
始まり、今度は 老人として 結局は 死ぬ事になる。
( そして おそらく、また 若い姿で 別の場所に現れる? )
そして そこで 生き残った 若い人が また、別の場所で 35年間 老人として暮らし…という サイクル ※ で、
( ※ ループのループ「 ダブル・ループ 」。
記事タイトルは コッチに 掛けていたのだった )
脱出後、次のループ場所で起こる「 死 」も「 故意 」「 過失 」( 無意識 )に関わらず「 必ず起こる 」みたい。
ちなみに 出て来た ループ場所は「非常階段」「 荒野 一本道 」「 イカダ 」「 ホテル廊下 」「 列車 」( カットした )です。
作品内では この「 “ダニエルたち” の苦しみ 」のループを
「 “本物の自分たち” の エネルギーと 幸せを生むため 」
と 説明していたけど、たぶん 何らかの 暗喩でも あるんでしょうね。
ここらへんは 観た人それぞれで 解釈が違うと思いますが、
個人的に パッと思いついたのは「 犠牲で成り立つ社会 」かな。
映画で 例えると『 アス 』(19年)や、
24年製作の「 某・邦画ホラー 」みたいな感じのヤツ。
何にしても「 あらゆる “出来事” 」( 戦争、貧困、堕落 etc. )の「 不幸の連鎖 」を ループを使って 描いているように 思えましたね。
必ず起こる?「 爆発 」や「 死・過ち・過去を 忘れる 」設定
からも「 繰り返される 戦争 」が なんか 思い浮かぶし。
その他、ループとか「 山積み 」の描写からは 隠れた名作(?)
『 トライアングル 』( 09年 ネタバレ要注意 作品 )を想起しましたね。
あと、単純に「 無間地獄・ホラー 」としても 面白かったです。
そうそう、冒頭の ウェディングドレス老女。
〔 一応 書くけど、最後に出て来た 新婦。
新郎が 死ぬので 新婦が ダニエル( 若い人 )のハズ 〕
ネットで「 35年で あそこまで老けない 」との意見があって
なるほど と思ったんですが、
ふと、アレって「 出口 」から “出なかった” って事かも…と
思ったんですよね。
つまり、あそこで 35年+○○年 過ごして あの姿になったと。
( ループしていたら “若い人” の姿のまま あそこまで 歳は
取らないハズ…だけど、手帖は 持ってるんだよな )
出口から出なくても「 死 」という 結果は 変わりませんが、
留まったままだと 次のループで「 人を殺さない 」んですよね。
「 ダブル・ループを繰り返す 条件 」が「 人を殺す事 」なら、
( そもそもの 普通のループの トリガーも「 死 」だけど )
「 出口 」には入らず、つまり 次のループ先で 人を殺さなければ、老人で 死んだ後「 ループから完全に 脱出できる 」
( 死んだ後 再び 戻ってこない )って事になりませんかね。
ロベルトも 何となく それに気づいていて、だからこそ
「 パトカーに乗るな 」( 次のループに行くな = 人を殺すな )と 言ったんじゃないかな。
まあ、「 冒頭の老女 」に関しては 特に 深い意味などなく、
単に インパクトある「OP」にしたかっただけ…かもですが。
とまあ こんな感じで 今回は 終わり。



































