「 蛇の道 」(日/1998)
黒沢清 監督、 高橋洋 脚本の 復讐・サスペンス。
8歳の娘を「 惨殺 」された 宮下は 犯人への復讐を決意。
彼に協力する 新島と共に ある組織の幹部、大槻を 拉致して
監禁するが……。
新島 役、哀川翔
宮下 役、香川照之
再鑑賞。
何年か前に 初めて見た時は かなりの衝撃を 受けたんですが、
2回目なんで さすがに 衝撃はナシ。
それでも「 復讐 」に 協力する目的が わからない 新島は 不気味だし、謎の天才数学少女が 醸し出す「 非現実感 」や、
黒沢清 監督(あと、この時代)らしい? 茫漠とした 不穏な空気も やっぱり良くて 今回も 面白く観れました。
あと、香川照之 の演技が イイんですよね。
ちなみに、セルフリメイク版『 蛇の道 』(24年)は、
悪くは なかったけど、不穏さは 抑えられていたし、
「 最後 」( 真相 )も チョット捻っては いたけど、全体的に 見ると フツーの作品になってました。
( ※「 Vシネ 」と「 外国資本 」の違いでもあるのかな。
近年、商業系?の「 悪趣味( なオチ )」映画も 多く見かけるので、ほぼそのまま リメイクしても 良かったような気も )
というわけで 個人的には かなり好みの作品なんですが、陰惨な要素もあるので 嫌悪感を覚える人も 結構 いそうですね。
「 淡々と進む 展開 」「 雰囲気系 強め 」の内容に ツマラナイと思う人も 多そう。
ですが「 ヘンな映画 」「 イヤな結末 」が 好きな人なら 楽しめるかもしれません。
個人的には「 香川照之 映画 」としても オススメしときます。
ついで。
姉妹編『 蜘蛛の瞳 』(98年)の方も 再鑑賞。
初見時は『 蛇 』が良すぎて まったく 面白いとは 思えなかったんですが、
今回は フラットに 観れたので「 不条理劇 」※として まあまあ 面白く観れましたね。
( ※「 “娘の霊” が 現れる 」場面が 何故か 一番 現実感があるのが 不思議 )
ここから「 画像 」。
時間が経ってるんで「 雑っと 」紹介です。
あと「 ネタバレ 」してますが「 真相 」を知って 鑑賞すると
面白さが 激減するので 注意。
( 本当は 配信が終わる前に 紹介したかった… )
〔『 蛇の道 』 タイトル 〕
「 タイトル 」については 後述。
〔『 蛇の道 』
新島( 左:哀川翔 )と 宮下( 右:香川照之 )〕
「 娘を殺した人物 」への復讐を企む 宮下と、
何故か それに協力する 新島の 2人が主人公。
〔『 蛇の道 』 宮下の娘の「 生前の動画 」〕
「 凌辱され、身体も損壊、生体反応アリ(= 生きたまま… )」
という、無残な遺体となって 発見された 8歳の 宮下の娘。
今だ 犯人は 捕まっておらず 未解決のまま。
〔『 蛇の道 』 組織の幹部、大槻の拉致 〕
2人は 手始めに ある組織の幹部、大槻を拉致、廃工場に運んで
拘束して 監禁する。
「 拉致 」場面、一般人が ハッキリ映ってますね。
〔『 蛇の道 』 大槻に「 娘のビデオ 」を見せる 宮下 〕
宮下は 大槻に「 娘のビデオ 」を見せながら
「 娘の遺体の状況 」を 自らが読んで 聞かせる。
〔『 蛇の道 』 「 扉 」カット 〕
黒沢作品で よく見かける「 扉 」場面( 開いてるけど )も
ありました。
冒頭の「 車内 」場面( その後も 何度かある )も よく見かけるんですが、
インタビューを読んだ限りでは とくに意味は ナイみたい。
( 好きなだけ? )
〔『 蛇の道 』 新島の塾の風景 〕
新島の職業は「 塾講師 」。
その新島には 天才数学少女の教え子がいる。
上の「 画像 」は、男子塾生に 問題を解かせた後、
「 それじゃ 空間が裏返って 時間が 逆に流れることになるぞ 」
「 おまえは 神様じゃないんだから 」
と言って 計算の 間違いを 訂正する場面。
単なる「 ボケ 」セリフでは あるんですが…
ちなみに「 黒板に書かれた 数式 」、テキトーかと思いきや、
『 映画秘宝 7月号 』の「 黒沢清 × 高橋洋 インタビュー 」によると、監督が 数学者に リサーチした「 空気空間 」に関する数式らしいですよ。
〔『 蛇の道 』 新島の教え子、謎の天才数学少女 〕
この 謎の天才数学少女、セリフがなく 現実感は ないんですが、妙な存在感は あるんですよね。
ちなみに「 組織 」( ヤクザらしい )や「 天才少女 」について 詳しい説明は ありません。
〔『 蛇の道 』
宮下と 新島の出会い「 あんたも 興味あんの?」〕
時間を遡って…
娘を殺されて 半ば 放心状態?の 宮下が フラッと 入り込んだ
「 歩道 」。( クネってるようにも見え ヘビっぽい )
そこの路面に「 数式 」を 書いている 男と 少女に 近づいた
宮下は、その男、新島から「 あんたも 興味あんの? 」と 声を掛けられる…
というのが 2人の出会い。
〔『 蛇の道 』 天才数学少女が 書いた「 8 」〕
そこで 宮下に 歳を訊かれた 天才数学少女は 声で 答えず
「 8 」と数字を書くのだった。
〔『 蛇の道 』
檜山の拉致 & コメットさんに “だんまり”? を示す 宮下 〕
今に戻って…
大槻は「 自分は 犯人じゃない 」と 殺人を否定。
そもそも 狙っていたのは「 檜山( ひやま )を売った 」宮下の方だったらしい。
宮下は それを否定、証言を突き合わせるため 檜山を ゴルフ場で 拉致することに。
手下たちに 追われながらも 2人は 檜山を さらう事に成功。
だが、この時 宮下は 組織の女性( 後に コメットさんと判明 )と 何か示し合わせたようで…
〔『 蛇の道 』
拘束された2人と「 犯人でっち上げ 」を そそのかす 新島 〕
2人から話を訊くと、組織は「 幼女殺害ビデオ 」を製作し、
販売していたらしい。
しかし、殺しの実行犯は 今だ わからないまま。
そんな折、新島が 夜中に こっそりと 憔悴する2人の前に現れ
「 おれも うんざりしている 」
「 犯人を でっち上げて 終わらせよう 」
と そそのかす。
〔『 蛇の道 』 射殺する宮下 〕
翌日、2人は「 有賀 」の名前を出すが、話と違い 新島は 2人に「 殺し合い 」をさせる。
生き残った檜山に 有賀の居場所まで 案内させるが、
大槻が デタラメな住所を言っていたらしく 何もない。
あせって逃げようとした 檜山を 宮下が射殺。
〔『 蛇の道 』
有賀の救出、再び監禁( 右端のは 例の「 娘のビデオ 」)〕
その後、有賀が「 拉致の犯人 」として 組織に「 監禁 」されている事を 新島が突き止める。
宮下を車に残し、新島ひとりで 監禁場所( 大槻の家 )に 踏み込み 有賀を救出。
宮下も 踏み込んでくるが、その時 新島は 有賀に、
「 あんたを殺す気だ 有賀じゃないと言え 」
と指示。
そして また、別人として「 監禁 」される 有賀。
2人は 有賀の案内で「 廃工場 」へと赴くが、その中を見た
宮下は 目を見開く。
そこが「 ビデオの撮影場所 」であったからだ。
〔『 蛇の道 』 新島の音声「 俺の娘も殺された 」〕
そこには 新島が設置したらしき テレビがあり、それにより
宮下は「 新島の娘も 組織に殺されていた 」事を知る。
新島の目的も また「 復讐 」で、全ては「 組織を壊滅させる 」ための計画だった。
そこに 有賀から連絡を受けていた( 新島が来るよう仕向けた )
コメットさんが 手下を連れて 登場、銃撃戦に。
〔『 蛇の道 』 コメットさん 死亡 〕
死闘の末、コメットさんたちは 死亡。
…と 新島が「 残るは あんた ひとりだけだ 」と言い、
宮下を殴って昏倒させ、大槻たち同様に「廃工場」で拘束する。
実は 宮下も 組織のひとりで「 販売員 」として「 殺人ビデオ 」に 関わっていたのだった。
〔『 蛇の道 』
監禁され「 自分の娘の殺害ビデオ 」を見せられる 宮下 〕
宮下は「 ビデオの内容は 知らなかった 」※と 訴えるが、
( ※ 知らなかったので 組織の「 撮影場所 」を見たとき
「 娘のビデオ 」と同じ場所で 驚いた )
新島は「 あんたが 一番 キライだ 」と 宮下に 言い放ち
「 宮下の娘のビデオ 」を準備をする。
見るのを拒む 宮下に 新島は「 おれは……見た 」と告げ ビデオを再生。
始めは 目を そらしていた 宮下だったが 次第に「 映像 」から
目が離せなくなり…?( 画面は 真っ白に )
という、なかなかエグイ結末。
まあ「 販売 」だけとはいえ「 幼女殺人ビデオ 」に 関わって
いた 宮下に 同情は 湧きませんけど。
ここ、「 ビデオ 」を見る 香川照之の 何とも言えない
「 壊れゆく 」(?)表情が 素晴らしいんだよな。
あと「 ビデオ 」の映像、さすがに 少女は出ないですが、
“起こる事” が わかってるから なんか 緊張するんですよね。
で、ここで 終わるかと思いきや 続きが…
〔『 蛇の道 』 新島「 興味あるの? 」。
「 出会い 」再び?、そして「 復讐 」の始まり? 〕
…ぼんやりと「 道 」を歩く 宮下は ふと、脇道に逸れる。
そこの「 歩道 」には 数式が びっしりと書かれていて、
男と 数式を書く 少女の姿が。
男は 数式を眺める 宮下に「 あんたも 興味あんの? 」と訊く。
宮下は「 …… いや 」と小さく呟くのだった……( 終 )
初見時は フツーに「 2人の出会い 」で 終わらせたと 思ってたんですよね。
ですが、再見して「 ループ 」のような「 復讐の無間地獄 」という解釈も 出来る事が わかりましたよ。
( 当時は 気付かなかったみたい )
「タイトル」が ループ( 循環 )を連想させる “尾を噛むヘビ”、
「 ウロボロス 」からだとすると しっくり来ますね。
あと「 自身の尾を食べる 」も「 自分たちへの復讐に 加担していた 宮下 」みたいな 意味も見出せそう。
塾での「 ~ 時間が逆に流れることに ~ 」のセリフ、
天才少女が 路面に書いた 自分の年齢を示した「 8 」なども
「 メビウスの輪 」や「 無限( ∞ )」の 隠喩みたいで、
説明が まったくない、唐突な「 数式・オカルト or SF 」要素ではあるんですが 説得力はあるんですよね…(?)。
あと「 脚本・高橋洋 」という メタ的な納得感※ もあったり。
〔 ※「 脚本 」の 高橋洋は 同時期に『 リング 』(98年)の脚本を書いている。
なので 最後に流れる「 ビデオ 」も ある種の「 オカルト 」や
「 超能力( 異能 )」めいて見えた 〕
ちなみに「 延々と( 永遠に?)犯人を捜す事に… 」なりそうなところに『 メメント 』(00年)が、
「 自分の罪を 自らが追う 」ところは『 エンゼル・ハート 』(87年 新島は ルイ・サイファー? )が 重なりましたね。
という事で、かなり陰惨な内容ですが 直接的な描写は 無いし、
“可笑しみ” を 感じる部分もあるので「 ブラック・ユーモア 」として 観るのも イイかもしれません。
……最後まで読んだ? こういうのに、あんた 興味あんの?
























