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berobe 映画雑感

「 映画 」と「 本 」の感想

 

 

 

今月 読んだのは…

 

 

本格ミステリー

 「 大樹館の幻想 」  乙一

 

 

本格ミステリー

 「 レッドクラブ・マーダーミステリー 」  太田忠司

 

 

ミステリー短篇集

 「 ミステリ・トランスミッター 謎解きはメッセージの中に 」

斜線堂有紀

 

 

本格ミステリー

  「 帆船軍艦の殺人 」  岡本好貴

 

 

今月は「 ミステリー 」のみ 4冊。

 

それと 4冊とはしているけど『 大樹館の幻想 』は 先月からの ほぼ繰り越しなので 実質は 3冊。

 

まあ、今も 別のを読んでますけどね。( これも 繰り越し )

 

 

まずは 最初の2作品から。

 

 

 

「 大樹館の幻想 」  乙一

 

本格ミステリー。

 

 

「 星海社 FICTION 」レーベル内の

「 令和の新本格カーニバル 」シリーズ(?)作品。

 

ライトノベル系だった?「 星海社 FICTION 」が 数年前から

「 本格ミステリー 」に 力を入れ始めたようで、

 

「 令和の新本格 」として「 本格 」を 出している状況。

 

元が ライトな感じなので 若手が多いのかと思いきや そういう事はなく、

 

清涼院流水佐藤友哉汀こるもの(3人とも メフィスト賞

作家 )と、ミステリーから離れた?作家も 出してましたね。

 

個人的に 凄く驚いたのが『 火蛾 』から 24年振りに出した、

古泉迦十『 崑崙奴 』( 今回も 宗教&歴史モノらしい? )。

 

『 火蛾 』が好きなので 読みたいんですが「 文庫派 」なんで

( そもそも出るのか わからんけど )しばらく様子見です。

 

 

本題。

 

 

 

巨大な樹木を 囲むようにして建てられた「 大樹館 」。

 

大樹館当主の 十三回忌の朝、「 幼い男児の声 」で目を覚ました、使用人の 穂村時鳥( ほむら ほととぎす )。

 

夜、3人の息子たちがそろい 夕食が始まるが、当主は メモで

「 後で 食事を部屋まで運ぶこと 」と伝えて 参加せず。

 

食事後、最上階に住む 当主に食事を運びに行った 穂村に再び

“男児” が語り掛けてくる。

 

その男児が言うには、自分は 今、穂村の お腹に宿っている 子供で、未来から語り掛けているという。

 

さらに、当主は すでに殺されており、後々「 部屋のカギ 」を持っていた穂村が 疑われるため「 部屋に入るな 」と警告する。

 

穂村は 言われた通りに部屋には 入らなかったが、次の朝、未来にはなかった「 不可解な死亡事故 」が起こり……。

 


 

非現実的な「 大樹を囲む、巨大な らせん状の大館 」

 

SF的な設定の「 胎児を介した 未来からの声 」

 

「 やたら 神格化されている 当主( 作家 )」や「 幽霊 」…

 

と、思っていたよりも ファンタジー寄りの内容でした。

 

 

あらすじにある通り「 歴史改変モノ 」要素もあるんですが、

 

その改変した「 今 」と 本来の「 未来 」とで 齟齬が生まれる

SF的な展開が 面白かったですね。

 

「 当主の部屋の調査 」では「本格」らしい「 現場 間取り図 」を載せていたりと ミステリー気分も 上がったんですが、

 

当主の人物象が あまり描かれていないためか “あの決断” に

しっくりこず、「 話全体 」としても 納得感は 低め。

 

 

「 本格 」としては 苦手な「 手が掛かりを 積み重ね 」ていって 蓋然性を高めていくタイプ(?)。

 

「 真相 」を知った時「 う~ん… 」となったんですが、思い起こしてみると それぞれ “手掛かり” は ちゃんとありましたね。

 

ただ「 要素の多さ 」が邪魔して( 勝手に ミスリードして? )

「 本格 」として ある程度 評価しつつも※ 素直に 納得しづらい感じ。

 

( ※ あの “手掛かり” で 真相まで たどり着けるかという 疑問はあるが… )

 

それと 最後の解説も 少々 クドかったかな…※。

 

(※ 古野まほろ『 その孤島の名は、虚 』の終盤を思い出した)

 

あと、完全に 好みの問題ですが、真相の一部( 実は…の部分 )は 好きじゃないんですよね。

 

 

と、イマイチな点を 多く挙げましたが「 推理場面 」や

「 SF改変 要素 」は楽しかったので 面白くは 読めましたよ。

 

 

 

 

「 レッドクラブ・マーダーミステリー 」

太田忠司

 

本格ミステリー。

 

こちらも 星海社の「 令和の新本格 」シリーズ。

 

 

 

流通王で 莫大な資産を持つ アンドリュー・タッカー

 

タッカー家が暮らす、産卵期には 陸地に住む 数千万匹のカニが

海へと移動するという孤島「 赤蟹島 」( あかがに じま )。

 

その島に ミステリー愛好家でもある タッカー氏6人の名探偵を招待する。

 

だが、翌日に 殺人事件が起こり、さらに……。

 

 

というような「 孤島・ミステリー 」の内容。

 

 

第一部「 赤蟹島の惨劇 」の序盤から「 諸々の紹介 」が テンポよく進む「 話は弱め、ミステリー強め 」の流れで、

 

その後も「 食事 」「 サロンでの会話 」を経て 翌日には

「 死体が発見 」、そして「 推理展開 」になり、さらに…と、やたら サクサク進みます。

 

ページ数が「 約280ページ 」と 少な目なため、てっきり

「 多重推理に特化 」してるのかと思ったんですが 違っており、

 

読んでいて 何となく「 アレかな 」と思っていると それも

第二部「 赤手蟹島の惨劇 」で あっさり バラしてます。

 

そんな感じで 掴みどころがないまま 読み進めていたんですが、

 

ミステリー・ファンから 酷評された ミステリー小説「 赤死島の惨劇 」が出て来ると「 話 」にも 厚みが出て来て 面白くなってきました。

 

しかし、その後は 少々ベタながら サスペンス性があって楽しく 読めていたものの こちらも あっさり目に 終了。

 

 

で 最後、第三部「 真相 」に至るわけですが…これは ダメな人が多そうだな…。

 

個人的には「 あの計画 」自体は 好きではあるんですが( 少し バカミスっぽいけど )納得感が イマイチなんですよね。

 

いろいろと 思わせ振りだっただけに 肩透かしな印象は 否めませんでした。

 

( そもそも「 あの殺害方法 」の手掛かりってあった? )

 

個人的には「 真犯人が… 」のヤツ※ も 好みだったし、

「 カニの使い方 」とかも 超最高だったので かなり残念。

 

 

( ※ なくてもいい みたいな意見を見たけど、

アレがないと「 あの計画 」自体に 意味がなくなる )

 

 

それでも ミステリーの雰囲気は 良かったので 面白くは 読めましたけどね。