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berobe 映画雑感

「 映画 」と「 本 」の感想

 

 

 

残りの1冊。

 

 

「 了巷説百物語 」  京極夏彦

 

「 巷説百物語 」シリーズ、完結。

 

 

 

“嘘を見抜く”「 洞観屋 」( どうかんや )という 裏の顔を持つ

狐猟師の 稲荷藤兵衛( とおか とうべえ )。

 

老中首座・水野忠邦の「 大改革 」を阻止しようとしている

“化け物使い”の一味を探るよう 依頼を受けた 藤兵衛は、

 

猫絵のお玉、猿猴(ましら)の源助と共に「 化け物 騒ぎ 」の

現場に よく現れるという 戯作者、山岡百介( やまおか ももすけ )を探るが……。

 

 

 

前作の『 遠野巷説百物語 』が マンネリ気味だったので 読もうか迷ったんですが コレで 完結するようなので 読むことに。

 

ただ、ページ数が多くてね、映画を観るのを ほどほどにして

なんとか 今月中に読み終わりましたよ。

 

先に 感想から書くと「 今回は ちゃんと 面白かった 」になる

かな。

 

 

あと 内容とは まったく関係ないんですが、

 

「 手洗い鬼 」って 巨人( ダイダラボッチ )系なんですね。

 

それと 巻末収録の 歌川國芳『 源頼光公館土蜘作妖怪図 』

は 数年前に開催された『 怖い浮世絵展 』で観てます。

 

 

まずは「 シリーズ未読 」の人向け。

 

このシリーズ、一言で言えば「 “化け物版” 必殺仕事人 」です。

 

「 百鬼夜行 」シリーズは「 祓う 」ことで 解決してましたが、

コチラは「化け物」を使い「 丸く収める 」みたいな感じです。

 

 

で、前も書いたけど 私が 一番 好きなのが 1作目の『 巷説百物語 』

 

各話の「 当事者の語り」による「 心情ドラマ 」が 面白かったんですが 2作目以降 それが 少しずつ薄まっていってね。

 

それでも『 続 』『 後 』あたりまでは 面白く読めたけど、

その後「 仕掛け 」が 大きくなっていくと共に

 

荒唐無稽さも 強くなって ノレなくなっていったんですよね。

 

「 エンタメ 」としては それで イイのかもしないけど、

 

( といか、そもそも “化け物版”『 必殺仕事人 』という

「 エンタメ 」作品だけど )

 

『 巷説 』の「 心情描写 」( 京極節 )が 好きだったので…。

 

そういう意味では「 巷説 」よりも「 江戸怪談 」シリーズ※の方が好みです。

 

 

( ※ こちらは「 人々の思惑が絡む 」人間ドラマ。

 

今のところ『 嗤う伊右衛門 』『覘き小平治』『数えずの井戸』だけだし、それぞれの繋がりも ほぼ無いので 手に取りやすい )

 

 

 

ここからは シリーズ読んでいるけど スゲー分厚いので

「 読もうか 迷ってる 」(?)人向け。

 

( うっすら ネタバレ気味 注意 )

 

今回の「 完結巻 」は 一言でいえば「 アベンジャーズ 」ですかね。

 

今回の主人公は「 嘘を見抜く 」という ダービー弟みたいな

特技を持つ「 狐猟師 」の藤兵衛

 

そこに 藤兵衛と共に雇われた「 超人的に 耳と目がイイ 」源助お玉が 加わります。

 

いろいろあって 小股潜りの又市の 一味も 関わってくるんですが、さらに上方の 一文字屋・仁蔵御燈の小右衛門らの面々、

 

( と言っても 細かいところは 忘れてるんだけど )

 

さらには “憑き物落とし” の拝み屋、中禪寺洲齋( ちゅうぜんじ じゅうさい )も 登場するなど 多彩な顔ぶれを見せます。

 

 

対するのも、巨万の富を得ている「 両替商 」福乃屋や 残忍な

「 七福神コスプレ 」の集団・七福連( その裏には… )と、

 

締めに ふさわしい 強大な相手になってます。

 

 

その他、各作品の人物や 名前、エピソードも ちらほら出て来るので ( 忘れていなければ )感慨深い気持ちも 湧くかと。

 

( 個人的には『 数えずの井戸 』三平の名前に 切なくなってしまった )

 

ちなみに「 帯 」には「中禪寺 vs. 又市 vs. 藤兵衛 」と書かれていますが、

 

映画で 例えれば『 座頭市と用心棒 』(70年)とか

『 マジンガーZ 対 デビルマン 』(73年)みたいなもんで

 

バチバチに やりあったりはしません。

 

 

「 話 」の方も「 洞観屋・藤兵衛の視点 」による「 会話劇 」が主なんで 相変わらず “動き”は 少ないんですが、

 

4章「 葛乃葉 」あたりから 意外な展開を見せ始めたりするので ダレずに読めましたね。

 

というか「 話 」も 面白い( 悪くない )と思います。

 

「 終盤 」も アクションあり、ちょっとした サスペンスありで エンタメ性は高いし、

 

「 憑き物落とし 」っぽい展開もあるので 盛り上がりますし。

 

まあ、今までと違い “化け物” は 出てこなかったけど。

 

 

「 キャラ 」の方は 主人公、藤兵衛の「 化けの皮、見切った 」よりも、源助の「 能力 」が チート※で 印象に残りましたね。

 

( ※「 聴く 」ことで「 建物内にいる人数 」がわかったり )

 

お玉の活躍が 少ないのは アレだったけど、かわりに 山猫廻しの

おぎんが 奮闘したから( 結構 強い )まあ いいのかな。

 

ある人物( ネタバレ白字 → 東雲右近 )の 予想外の大活躍には

目を見張ったけど、

 

最終的には 中禪寺洲齋が ほとんど 持っていってましたね…。

 

その 中禪寺洲齋は ほぼ 京極堂でした。

 

そんな中でも 一番 好きなのは “不器用ですから” な(?)

田所真兵衛 」( ← ネタバレ白字 )かな。

 

 

 

という事で、個人的には『 遠野 』まで 読んでいるなら 読んでおいた方がいいかなと思います。

 

まあ、スゲー長いですけど…。