「 砂の女 」(日/1964)
安部公房 の小説が原作の「 不条理・人間ドラマ 」(?)。
監督は 勅使河原宏、 脚本は 安部公房。
昆虫採集のため「 砂丘 」へとやって来た男。
帰りのバスが なくなった事を知らされた男は、村の男たちの
口利きで「 砂穴の中に 建つ家 」で 暮らす女性のところに 一晩
泊めてもらう事に。
しかし翌朝、下へ降りた時に 使用した なわ梯子が外されており
男は 砂穴から 出られなくなってしまう……。
男 役、岡田英次
女 役、岸田今日子
「 原作 」は 何年か前に読んでます。
何度か書いてるけど、「 原作 」は 主人公の男の 心理や 行動に サスペンスを感じて「 エンタメ 」として 楽しく読めたんですよね。
映画の方は「 映像 」ということで そういった 心理サスペンス
( 心理ドラマ )が薄まっていると 思っていたんですが、
中盤頃までは 映像ならではの「 不穏を掻き立てる 」描写や
編集が多くあり「 不条理ホラー 」として楽しめました。
もちろん「 都会と 地方の格差 」や「 見下し 」、「 搾取 」や「 田舎の閉塞感 」などなど「 暗喩 」の要素もあるので
普通に「 寓話的 社会派・ドラマ 」としても 面白いです。
あと、内容の方も 主人公の「 内面( 心情 )描写 」が少ない※
くらいなので「 ほぼ そのまま 」※ だと思います。
( ※ 男の「 妻への思い 」は チョットしかないし、
趣味の昆虫採集への「 風当たり 」も 無いけど )
なので、気になってるけど 読むのは…という方は「 映画版 」で
いいかも しれません。
ここから「 画像 」。
〔『 砂の女 』 超・地味な「 ローマ字 」タイトル 〕
最初に出る「 漢字タイトル 」の方が イイんだけど、
横に流れながら表示されるヤツで ムリでした。
〔『 砂の女 』 「 タイトルバック 」1
砂丘モチーフ? よく見ると 左に 人がいるぞ( 顔が生田 )〕
密かに 期待していたのが「 タイトルバック 」。
今回も アート色が強くて オモシロかったですね。
〔『 砂の女 』 「 タイトルバック 」2 〕
「 ハンコ 」が押された キャスト表記が なんとも ユニーク。
〔『 砂の女 』 「 タイトルバック 」3 〕
タイトル前に 一瞬 出て来る コレが すごく不気味…。
こんな事してるから「 画像 」が多くなるんだよな…。
〔『 砂の女 』
昆虫採集のため砂丘に来た男( 主人公 )と 村人 〕
昆虫採集をしに 砂丘に来た男に 村人が念押しで 訊く。
「 本当に 本庁の人じゃないんですよね? 」
この「 念押し 」が 地味に コワイ。
〔『 砂の女 』 男が採った「 アリジゴク 」〕
また( フツーの人には )ムダな「 画像 」を貼ってしまった…
( ルパン、五エ門 調 )
まあ、この後の「 砂穴に 閉じ込められる 」を暗示する「 画 」では ありますけど。
アリジゴクは「 お尻から 砂に潜っていく 」姿がカワイイよね。
って、今の子供は アリジゴクを 捕ったりするの?
〔『 砂の女 』 なわ梯子で降りる男と その砂穴で暮らす女 〕
男は 村人の口利きで「 砂穴に建つ家 」で 暮らす女のところに泊めてもらう事に。
男「 ひとっ風呂 浴びたいな 」
女「 明後日まで 辛抱してください 」
男「 ボクが 泊まるのは 今晩だけだよ 」
この やり取りは ザワつきますね。
岡田英二 の「 都会者 & インテリ 」( ちょっと 地方を見下している風 )な 男の演技も イイんだけど、
岸田今日子 演じる女の 甲斐甲斐しい「 男との暮らし 」の中で ふと 垣間見せる「 不安と 孤独 」や「 艶っぽい 」演技が良かったですね。
〔『 砂の女 』 食事場面 〕
この「 食事 」場面( 食べ終わるまで )は「 約3分半 」の
長回し。
上から落ちてくる砂、 キクイムシ、 木が腐る、 水気が多い…
という ネガティブな話と 相まって すごく不穏で 好きな場面。
〔『 砂の女 』 「 砂掻き 」をする女 〕
村人「 助っ人の道具、持ってきてやったぞ~ 」
┇
女「 そりゃ お客さんのですよ 」…
女「 最初の日からじゃ 悪いから 」
すっかり 外堀が埋まっているのが コワイ。
〔『 砂の女 』 朝方、裸で休む女 〕
誘惑なのか、特に 気にしていないのか、よくわからない
なまめかしい場面。
〔『 砂の女 』 「 砂穴に建つ家 」〕
「 砂穴に建つ家 」の再現も 見事。
〔『 砂の女 』 砂を よじ登ろうとする男 〕
「 静止画 」だと 伝わらないので 載せないけど、
「 崩れ、流れ落ちてくる 砂 」の映像も イイんですよね。
ちなみに『 ヴィランの言い分 』の「 泥 」の回で 知ったんで
すが、「 細かい石 」は 大きさ順に、
「 礫( れき )」「 砂 」「 泥 」( パウダー状態 )と 分けるみたいですよ。
というか「 泥 」って 水気を含んだ ドロドロの状態を指していると 思っていたんですが( ドロだけに? )「 乾燥 」してても「 泥 」でしたね…。
〔『 砂の女 』 男も 参加して「 砂掻き」再開 〕
男は 女を縛って 仕事( 砂掻き )を拒否。
しかし、それだと「 配給 」( 水、食料など )がこない…。
( 男性がいると「タバコ」も配給されるのが この時代っぽい )
喉が渇き、とうとう 根負けして 仕事を再開。
〔『 砂の女 』 「 仲睦まじい2人 」と「 脱出 」〕
徐々に「 女との 砂穴暮らし 」にも 慣れてきた 男だったが、
まだ 脱出を 諦めてはいなかった。
ここは「 原作 」よりも あっけなかったな。
〔『 砂の女 』 水が溜まっていた桶 〕
伝書に使う カラスを獲るため「 罠 」を仕掛けていた男。
カラスは 獲れていなかったが「 桶 」に 水が溜まっていて…
〔『 砂の女 』 「 かまやしないよ 」〕
村の方も いろいろと 商売を考えていて「 砂 」を 都市部へ
売ってもいた。
男「 こんな 塩気の多い砂を使っちゃ 規則違反だよ 」
女「 だから ないしょで… 」
男「 あとで ビルが ボロボロに なったんじゃ
もともこもないじゃないか 」
女「 かまやしないよ! 他人のことなんか 」
ここの 女のトーンが 変わるところ、原作でも ドキッとしたけど
こちらも 結構 ドキリとしましたね。
制作された 1964年は 東京オリンピックの年。
原作にも チョットだけ 東京五輪の事が書かれてました。
この頃 地方からの「 出稼ぎ 」が増え、その 出稼ぎ労働者の
事故( 亡くなる事 )も 多くあったんですよね。
「 都市部の男を 捕らえる( 囚らえる )」本作は そんな都市の「 地方搾取 」に対する「 意趣返し 」の話ともとれます。
〔『 砂の女 』 「 水汲み上げ 」装置の研究 〕
「 桶に溜まった水 」から、男に「 砂地からの 水の汲み上げ 」という、新たな希望( 楽しみ )が生まれる。
女の方も「 ラジオ 」を購入するため※ 内職を始めて…
( ※ 男の影響を受け「 外に興味を覚えた 」っぽい? )
と、後半は「 生活に彩り 」が出始める 前向きな流れ。
〔『 砂の女 』 ラジオ到着 〕
終盤には 女の体調に変化が訪れる、慌ただしい展開。
さらに「 ラジオ 」も到着。
〔『 砂の女 』 外へと出た男 〕
女への対応の スキをついて、ついに 男は 外へと抜け出すことに成功する。
〔『 砂の女 』 「 失踪宣告書 」〕
だが、男は「 いつでも出られる 」と 村から出るのを止めて、
もう少しだけ、ここで暮らすことにする……。
と、男が すっかり 女と夫婦、村の一員、“砂の男” になる結末。
なんか 丸く収まった感があるんだけど、
個人的には「 監禁サスペンス( ホラー )」なんだよな。
「 ホラー度 」で言えば コチラの方が「 ドキュメンタリー調 」な分、怖いと思いますよ。
























